日産「Z Kaze」コンセプト登場!90年代を思わせるTバールーフで蘇るZのオープンエア感覚
日産が、スポーツカー「Z」をベースにした新たなコンセプトモデル「Z Kaze(Z カゼ)」を公開しました。
2026年9月23日に米国・アリゾナ州フェニックスで開催された「ZCON」に登場したモデルで、日産が持つZの歴史と、1990年代のチューニングカルチャーを組み合わせたのが大きな特徴です。
そして、このZ Kazeで最も目を引くのが、現在の「Z」には設定されていないTバールーフ。
屋根を開けて風を感じながら走るという、かつてのスポーツカーではおなじみだったスタイルを現代のZで再現しています。
「Z Kaze」はZの新しいオープンエア仕様
「Kaze」は、日本語の「風」を意味する言葉です。
その名前の通り、Z Kazeの最大の特徴は専用設計されたTバールーフ。左右のルーフパネルを取り外すことで、頭上が大きく開けたオープンエア感覚を楽しめるようになっています。
日産によれば、このコンセプトは単なるデザインスタディというより、日産のプロダクトプランナーやデザイナーたちが自ら企画・開発した「パッションプロジェクト」。
7世代にわたるZの歴史を振り返りながら、Zが持っていたオープントップ・スポーツカーとしてのルーツを現代によみがえらせることを目指したモデルです。
開発チームが思い描いたのは、夏のカリフォルニアでパシフィック・コースト・ハイウェイを走るシーンだったとのこと。
なるほど、そう言われるとTバールーフとの相性はかなり良さそうですね。
90年代を思わせる「Pacific Teal」のボディカラー
Z Kazeのボディには、「Pacific Teal」と呼ばれる専用カラーを採用。
この鮮やかなブルーグリーン系のカラーも、1990年代のスポーツカー文化を意識したものです。
さらにボディには、軽量なベント付きカーボンファイバーボンネット、フェンダーフレア、専用カーボンファイバー製エアロダイナミクスボディキットなどを装着。
現行Zの基本的なスタイリングを残しながら、よりワイドでアグレッシブな雰囲気に仕上げられています。
単純に昔のZをそのまま再現するのではなく、現代のZに90年代のチューニングカーらしさを加えたところが、このモデルの面白いところです。
NISMO LMGT2ホイールも復活
足元にも、かなりマニアックなアイテムが選ばれています。
装着されているのは、18インチの「NISMO LMGT2」ホイール。
LMGT2はすでに生産終了となっている鍛造マルチピースホイールですが、日産のプロダクトプランナーがオリジナルのホイールセットを探し出し、レストアしたうえでZ Kazeに装着しています。
サイズはフロントが10インチ幅、リアが11インチ幅。
現代のZに当時のNISMOホイールを組み合わせることで、90年代のチューニングカーを思わせる雰囲気がかなり強くなっています。
こういうところまで本気でやってくるあたり、単なる「昔っぽいコンセプトカー」ではなさそうです。
インテリアは白革+カーボンで大人っぽく
インテリアには、専用のホワイトレザーシートを採用。
ボディカラーが鮮やかな一方で、室内をブラック一色にするのではなく、白いシートによってTバールーフから見えるキャビンそのものをデザインの一部として強調しています。
カーボンファイバー製のインテリアトリムも組み合わされ、スポーツカーらしい雰囲気を持ちながら、比較的落ち着いた仕上がりです。
さらに、ルーフを外した状態でも音楽を楽しめるよう、シートには「Bose Personal Plus」のヘッドレストスピーカーも採用されています。
「屋根を開けたら音楽が聞こえなくなる」という昔のオープンカーあるあるも、現代ではちゃんと対策されているわけですね。
エンジンにはGReddyのパーツを採用
Z Kazeは見た目だけのカスタムではありません。
ベースとなる3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンには、チューニングブランドとして知られるGReddyのパーツを組み合わせています。
採用されたのは、SUPREME SPエキゾーストシステム、フロントマウント式エア・トゥ・エア・インタークーラーキット、Airinxエアフィルターキットなど。
さらにサスペンションにはNISMOのパーツを採用し、走りについてもチューニングカーらしい方向性を与えています。
日産が公式に最高出力などの具体的な数値を発表しているわけではありませんが、Z Kazeは外観だけを90年代風にしたモデルではなく、メカニズムまで含めて当時のチューニング文化を現代的に再解釈したモデルと言えそうです。
なぜ今、Tバールーフなのか?
Z Kazeを見ていると、少し不思議な感覚になります。
現在のスポーツカーでは、Tバールーフはかなり珍しい存在です。
一方、1980~1990年代には、日産の「300ZX」などをはじめ、Tバールーフを採用したスポーツカーが存在していました。
ルーフの一部を取り外して風を感じながら走るというスタイルは、現在の電動ハードトップや大型ガラスルーフとはまた違った、かなりアナログな楽しさがあります。
今回の日産は、そうした「昔のスポーツカーが持っていた楽しさ」を現代のZに取り込もうとしたわけです。
しかも、Z Kazeが公開されたのはZのファンが集まる「ZCON」。
つまり、最新技術をアピールするモーターショーというより、Zを愛する人たちに向けて「こういうZ、面白くない?」と提案するような場所です。
その意味でも、かなり遊び心のあるコンセプトと言えるでしょう。
「Z Kaze」は市販されるのか?
残念ながら、現時点でZ Kazeの市販化は予定されていません。
日産も公式に、Z Kazeは購入できないコンセプトカーであると明記しています。
そのため、今回のモデルがそのまま「ZのTバールーフ仕様」として販売されるわけではありません。
ただ、Z Kazeの存在は、現在の日産がZの歴史をどのように捉えているのかを見るうえでは興味深いものです。
Zは初代S30型から数えて7世代にわたって続いてきたスポーツカーです。
その長い歴史の中には、単純な「速さ」だけではなく、オープンエアの爽快感やカスタム、モータースポーツ、そしてチューニングカー文化まで含まれています。
Z Kazeは、そうしたZの歴史をひとつのクルマに凝縮したような存在なのかもしれません。
90年代のZを知る世代には刺さりそうな1台
現代のZにTバールーフを組み合わせ、NISMO LMGT2を履かせ、GReddyのパーツを投入するなど、こうして並べてみると、Z Kazeが目指している方向性はかなり分かりやすいです。
最新のスポーツカーを、昔のクルマそっくりにするのではなく、1990年代のスポーツカーやチューニングカーが持っていた「自分好みにクルマを仕上げて楽しむ」という文化を、現代のZで再解釈しているのが魅力的ですね。
そして何より、Tバールーフを開けて走るという単純な楽しさを、もう一度Zに持ち込んだことがこのコンセプトの面白いところ!
Z Kazeは市販車ではありませんが、こうした遊び心のあるコンセプトがメーカーから登場すること自体、スポーツカー好きとしてはちょっと嬉しいニュースではないでしょうか。
今の時代、クルマはどんどん高性能で便利になっていますが、「屋根を外して風を感じながら走りたい」という非常に原始的な楽しさは、案外いつまでも色あせないのかもしれません。
参考資料:Nissan News「Nissan Z Kaze concept unlocks a new era of sports car nostalgia at 2026 ZCON」
0 コメント