スバル「WRX GD25」「BRZ ZC15」登場!米国デビューを記念した2台の限定モデル
スバル(Subaru of America, Inc.)が、2027年型の特別仕様車「WRX GD25」と「BRZ ZC15」を発表しました。
今回登場した2台は、それぞれスバルの米国市場における節目を記念した限定モデルです。WRXは2002年の米国デビューから25周年、BRZは2012年のデビューから15周年を迎えることから、それぞれの初期モデルに使われていたシャシーコードを名前に取り入れています。
WRXは「GD25」、BRZは「ZC15」。
名前だけを見ると少し分かりにくいですが、スバルファンならニヤリとできるタイプの記念モデルで、WRX GD25はワールドラリーブルーにゴールドホイール、大型カーボンリアウイングというかなり分かりやすいラリー仕様。一方のBRZ ZC15はセラミックホワイトにマットブロンズのホイールを組み合わせ、もう少し落ち着いた雰囲気に仕上げられています。
どちらも単純に記念エンブレムを付けただけのモデルではなく、ブレーキやサスペンション、シート、シフト周りなどにも専用装備が用意されているのがポイントです。
WRXの米国導入25周年を記念する「GD25」
まずはWRX GD25から見ていきましょう。
車名の「GD25」にある「GD」は、2002年に米国へ導入された初代WRXのシャシーコードに由来しています。つまり「GD25」は、その初代WRXから数えて25周年という意味を持つ名前です。
WRXといえば、やはりワールドラリーブルーです。
今回のGD25もボディカラーはワールドラリーブルーのみとなっており、そこへゴールドの19インチアルミホイールを組み合わせています。さらにブレンボ製ブレーキキャリパーもゴールドに塗装されているので、写真を見ただけでも「これは普通のWRXではないな」と分かる仕上がりです。
この青とゴールドの組み合わせは、スバルのラリーカーを思い浮かべる人にとってはかなりおなじみのカラーでしょう。
25周年記念モデルということもあり、今回はかなり分かりやすい方向へ振っています。
大型ドライカーボン製リアウイングを装着
WRX GD25で最も目立つのは、やはりリアウイングでしょう。
STI製のドライカーボンファイバー製スワンネックリアウイングが装着されており、しかもこのパーツはトラビス・パストラーナが参戦するWRX「ARA25L」に採用されているものと同じです。
単に「ラリーっぽい雰囲気を出すために大きな羽根を付けました」という話ではなく、実際の競技車両に使われているパーツを市販の限定モデルへ持ち込んでいるところが面白いところです。
もちろん、これだけ大きなリアウイングを付ければ見た目のインパクトもかなりのもの。
ワールドラリーブルー、ゴールドホイール、ゴールドキャリパー、そして大型リアウイングと、駐車場に停めていても「普通のWRXです」という顔をするのは少し難しそうです。
WRX GD25は足回りも強化
見た目だけではなく、シャシーにも手が入っています。
エンジンルームにはフレキシブル・ストラットタワーバーを装着し、サスペンションには専用チューニングを施しています。スプリングはより硬いものに変更され、ダンパーのセッティングも見直されました。
さらにブリヂストンの「ポテンザS007」を装着し、ブレーキにはブレンボ製システムを採用しています。
つまりGD25は、派手なリアウイングを付けて記念車らしくしただけではありません。ハンドリングやブレーキングに関係する部分にも手が加えられており、走りの方向へもしっかりと振られています。
2.4Lターボは271馬力、6速MTのみ
一方、エンジンは通常のWRXと同じ2.4L水平対向4気筒ターボで、最高出力は271馬力です。
ここは少し意外なところで、25周年記念の限定モデルだからといって最高出力を引き上げたわけではありません。
トランスミッションは6速MTのみとなっており、STI製ショートシフターとSTIシフトノブも装備されています。さらにシートにはレカロを採用し、ブラックのウルトラスエードとレッドステッチを組み合わせています。
最高出力を増やすより、ドライバーが操作する部分やシャシーに手を入れる方向へ進んだ限定車と考えると、この仕様もなかなか納得できます。
BRZの15周年を記念する「ZC15」
そしてもう1台が、2027年型「BRZ ZC15」です。
こちらはBRZが米国でデビューしてから15周年を迎えることを記念したモデルで、車名の「ZC15」は初代BRZのシャシーコード「ZC」と15周年の「15」を組み合わせています。
WRX GD25がかなり派手な方向へ進んでいるのに対して、BRZ ZC15は少し落ち着いた雰囲気です。
どちらかといえば、個人的にはワールドラリーブルーのカラーをまとったWRXよりも、こちらの方が"アメリカっぽいデザイン"な気もしますね。
ボディカラーはこのモデル専用となる「セラミックホワイト」で、そこにマットブロンズのホイールを組み合わせています。
さらにブレーキキャリパーはレッド、サイドには専用のブロンズデカールを配置し、リアにはブラックのデッキリッドスポイラーを装着しています。
青とゴールドで「いかにもWRX」というGD25に対して、ZC15は白とブロンズを中心にまとめているので、同じスバルの記念モデルでもかなり印象が違います。
BRZ ZC15は228馬力の2.4L自然吸気
BRZ ZC15に搭載されるのは、2.4L水平対向4気筒自然吸気エンジンです。
最高出力は228馬力で、こちらも標準モデルから大幅にパワーアップしたエンジンではありません。
駆動方式はもちろん後輪駆動で、6速MTを組み合わせています。
WRX GD25がシンメトリカルAWDとターボエンジンで四輪を使って走るクルマなのに対し、BRZ ZC15は自然吸気エンジンと後輪駆動という、かなり違ったキャラクターです。
同じ「ボクサーエンジン搭載のスポーツモデル」でも、ここまで方向性が違うのはスバルらしいところでしょう。
BRZにも専用の足回りとインテリア
BRZ ZC15にも、記念モデル専用の装備が用意されています。
ボンネットの下にはフレキシブルVバーを装着し、足元にはブレンボ製ブレーキとマットブロンズのホイールを組み合わせています。
インテリアはブラックをベースに、ボルドーレッドのアクセントを取り入れた専用仕様。さらにSTI製ショートシフターも装備され、シフト操作にも特別感を持たせています。
WRXほど外観の主張は強くありませんが、細かな部分まで専用仕様になっているため、単純なカラー変更モデルではありません。
米国市場向け、WRXは350台、BRZは300台限定で発売。
2台とも限定モデルということで、生産台数もかなり絞られています。
WRX GD25は350台限定、BRZ ZC15は300台限定。
合わせても650台しか生産されないため、かなり希少なモデルになります。
発売時期はBRZ ZC15が2027年初頭、WRX GD25が2027年夏を予定しており、予約は2026年中に開始される予定です。
ただし、このモデルは「米国への導入を記念したアニバーサリーモデル」という立ち位置の限定車であり、日本や欧州など向けのプレスリリースは出ておらず、スバルのアメリカ法人のみの発表となっているため、恐らく米国市場向けの限定車で、生産台数的にも残念ながら日本では発売されないのではないかと思われます。
2台の性格はかなり違う
今回の2台を並べてみると、同じ周年記念モデルでも方向性がかなり違うことが分かります。
WRX GD25は、ワールドラリーブルー、ゴールドホイール、巨大なドライカーボン製リアウイング、ブレンボブレーキ、専用サスペンションと、かなりラリー色の強いモデルです。
一方のBRZ ZC15は、セラミックホワイトとマットブロンズの組み合わせを中心に、専用デカールやブラックスポイラー、専用インテリアなどで特別感を出しています。
言ってしまえば、WRXは「見た瞬間に限定車と分かる」タイプで、BRZは「近づいて細部を見ると普通とは違う」タイプ。
このあたりにも、それぞれのクルマが持つキャラクターの違いが出ています。
パワーアップより「走る楽しさ」を重視?
面白いのは、2台ともエンジンの最高出力を大きく引き上げていないことです。
WRX GD25は271馬力、BRZ ZC15は228馬力と、どちらも基本的なパワーユニットは従来型を踏襲しています。
その代わりに、WRXではサスペンションやタイヤ、ブレーキ、リアウイング、シフト周りを強化し、BRZでもブレーキや補強パーツ、ショートシフターなどを装備しています。
限定モデルというと、どうしても「何馬力アップしたのか」が気になるところ、実際に各社そのような限定車も多い印象ですが、今回の2モデルはそこをあえて大きく変えていません。
最近は電動化によって数字がどんどん大きくなっているだけに、こうしたシンプルなスポーツカーが「パワーはそのまま、運転する部分を楽しんでください」という方向に進んでいるのは、むしろ新鮮に感じます。
650台だけのWRXとBRZ
WRXは25周年、BRZは15周年と記念する年数こそ違いますが、どちらも初期モデルのシャシーコードを車名に取り入れ、現行モデルに専用装備を加えることで、それぞれの歴史を現在へつないでいます。
特にWRX GD25は、トラビス・パストラーナのラリーカーと同じリアウイングまで装着しているので、かなり分かりやすい「WRX好きのためのクルマ」です。
BRZ ZC15はそこまで派手ではありませんが、セラミックホワイトとブロンズの組み合わせはなかなか格好良く、こちらはこちらで欲しくなる人がいそうなデザインとなっています。
そして何より、2台とも6速MTで、350台のWRXと300台のBRZしかそれぞれ作られないことを考えると、数年後に中古車市場でこの2台が並んだら、かなり面白い光景になっていそうです。
大きなリアウイングを付けたWRXと、白いボディにブロンズホイールを履いたBRZ。
どちらを選ぶかで、その人がスバルに何を求めているのかまで何となく分かってしまいそうですね。
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