ポルシェがマンタイ・レーシングへの出資比率を引き上げ!特別モデルや高性能パーツの開発を強化へ
ポルシェが、モータースポーツの世界で長年協力関係を築いてきたマンタイ・レーシングへの出資比率を67%に引き上げました。
両社の協業をさらに深め、サーキット走行向けの高性能パーツから少量生産の特別モデル、専用のサーキット体験まで、共同で展開する事業を拡大していく方針です。
マンタイといえば、ニュルブルクリンクでのレース活動や、ポルシェの「911」「718」向けの専用パーツで知られる存在。今回の発表は、単なる資本関係の変更にとどまらず、ポルシェが今後の高性能車や特別仕様車の開発を進めるうえでも注目したい動きです。
ポルシェがマンタイの株式67%を保有
マンタイは、レーシングドライバーのオラフ・マンタイ氏が1996年に設立したドイツのレーシングチームです。
創設翌年にはポルシェ・スーパーカップでタイトルを獲得し、1999年にはル・マン24時間レースのGTクラスでも優勝。2000年にはニュルブルクリンク近郊へ拠点を移し、レース活動を通じて技術力を磨いてきました。
2013年にはレーダー・モータースポーツとの統合を経て、ポルシェが株式の51%を取得。その後、マンタイはレース活動に加え、ポルシェの市販車向け高性能パーツの開発やサーキット走行プログラムなども手がけ、事業を拡大してきました。
今回の出資比率引き上げにより、ポルシェはマンタイ・レーシングの株式67%を保有することになります。残る33%は、マンタイのマネージングディレクターを務めるニコラス・レーダー氏とマーティン・レーダー氏が共同で保有します。
一方、創業者のオラフ・マンタイ氏は、今後、引退に向けて活動を縮小しながらも、アドバイザーとして引き続き会社に関わる予定です。創業者が築き上げたレースの経験と技術を受け継ぎながら、ポルシェとの協業をさらに深めていくことになります。
「911」や「718」の高性能化をさらに強化
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| ポルシェ・タイカン ターボ GT(マンタイキット装着車) |
今回の発表で注目したいのが、ポルシェとマンタイの共同事業が、今後さらに広がる見通しであることです。
両社はこれまでも、ポルシェのスポーツカーを対象とした「マンタイキット」を共同開発してきました。2020年以降に開発したキットは9種類に上り、「911」や「718」に加えて、最新の「タイカン ターボGT ウィズ ヴァイザッハ・パッケージ」向けの製品も含まれています。
マンタイのパーツは、単に見た目を変えるためのドレスアップ用品とは異なり、空力性能や走行性能を高めることを重視したものです。サーキットでの走行を想定し、ポルシェ本来のキャラクターを生かしながら、より高いパフォーマンスを引き出すことを目指しています。
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| マンタイキットを装着した911GT3 RS Photo by Unsplash/Abdullah Malik |
ポルシェは今回の出資比率引き上げを通じて、こうした高性能パーツの開発に加え、少量生産の特別モデルや、サーキットでの専用体験プログラムなども拡充する方針を示しました。
将来的には、既存モデルに専用パーツを組み込むだけでなく、ベース車両からさらに踏み込んだ仕様のモデルが登場する可能性もあります。具体的な新型車の計画はまだ明らかにされていませんが、マンタイが持つレース由来の技術と、ポルシェの車両開発力を組み合わせた製品には期待したいところです。
ポルシェが掲げる「Home of Sports Cars」とは?
今回の動きは、ポルシェが新たに打ち出した「Home of Sports Cars」という枠組みとも関係しています。これは、スポーツカーの性能や個性をさらに強めるため、関連する事業を3つの分野にまとめて展開する取り組みです。
ひとつ目は、マンタイを含む「Performance」。高性能パーツや走行性能の向上、サーキット体験などを担当します。
ふたつ目は「Exclusiveness」。ポルシェの特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」や「エクスクルーシブ マニュファクトゥーア」を通じて、顧客の好みに応じた個性的な仕様や特別な車両を提供する分野です。
そして3つ目が「Heritage」で、ポルシェが受け継いできた歴史や伝統を扱います。
この3分野をまとめて強化することで、ポルシェは通常の量産モデルだけでなく、性能や希少性、個性を重視する顧客に向けた商品やサービスも拡充していく考えです。
ニュルブルクリンクやル・マンで実績を積んだマンタイ
マンタイがポルシェにとって重要なパートナーである理由は、モータースポーツで積み重ねてきた実績にもあります。
同社はニュルブルクリンク24時間レースで総合優勝7回、ル・マン24時間レースでクラス優勝6回を記録。FIA世界耐久選手権(WEC)やDTMでもタイトルを獲得してきました。
こうしたレース活動で培った知見は、競技車両だけでなく市販車向けの製品にも生かされています。限られた条件のなかで車両の性能を引き出すための空力設計や足まわりのセッティングなど、サーキットで得た経験を公道向けモデルの開発に反映できる点は、マンタイの大きな強みです。
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| Photo by Unsplash/IGOR LUNGU |
ポルシェは今回の出資比率引き上げによって、マンタイとの関係をより緊密にし、自社のGTモデルだけではカバーしきれない高性能車の分野にも取り組みを広げようとしています。
今後、両社がどのような特別モデルや高性能パーツを生み出すのかは、まだ明らかになっていません。ただ、30年にわたってモータースポーツの現場で技術を磨いてきたマンタイと、ポルシェの協業が一段と深まることで、これまで以上に個性的なモデルが登場する可能性はありそうです。






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