BMW Mが生産100万台を達成!記念すべき1台は「M3」そして次世代M3に完全EVモデルも登場。
BMWのハイパフォーマンスブランド「BMW M」が、ひとつの大きな節目を迎えました。
2026年10月、BMW Mは累計生産台数100万台を達成。記念すべき100万台目のモデルとして選ばれたのは、3シリーズをベースとした高性能セダン「M3」でした。
しかも、このM3はBMW Individualの特別仕様車で、鮮やかな「Fire Orange III」のボディカラーをまとった1台。BMWグループのミュンヘン工場で生産され、BMW Mの歴史を象徴する記念車となっています。
そして今回の発表でさらに興味深いのが、同じミュンヘン工場で将来的に完全電動の次世代「BMW M3」も生産されることで、エンジンを搭載したM3が100万台目を飾る一方、その先には完全EVのM3が待っているという、BMW Mの過去と未来が、まるで一台のM3を境目に交差しているような発表です。
100万台目に選ばれたのは「M3」
BMW Mの歴史は、1972年に設立されたBMW Motorsport GmbHから始まりました。
BMW Motorsport GmbHは、BMWのモータースポーツ活動を担う組織として設立され、レースで培った技術やノウハウを市販車へ展開する役割も担ってきました。その後、現在のBMW Mへと発展し、高性能モデルを手掛けるブランドとして知られるようになります。
そして1986年には、初代「M3」が登場。
以来、M3はBMWを代表する高性能モデルとして進化を続けてきました。
現在のM3もミュンヘン工場で生産されており、今回の100万台目という記念すべき車両にM3が選ばれたことは、BMW Mの歴史を考えても非常に象徴的です。
100万台目のM3には「Fire Orange III」という鮮やかなボディカラーが採用され、BMW Individualによって特別な仕上げが施されています。
完成した車両は、ミュンヘン工場の責任者Peter Weber氏からBMW M GmbHのCEO、Franciscus van Meel氏へと贈呈されました。
次世代M3には完全EVモデルが登場
そして、今回の発表で最も注目したいのが次世代M3です。
BMWはミュンヘン工場で、次世代の完全電動BMW M3を生産すると発表しました。
このモデルはBMWの新世代車両技術「Neue Klasse」を採用する高性能BMW Mモデルとなります。
BMWは以前からNeue Klasseをベースとした新世代の電動Mモデルを開発しており、今回の発表によって、その中でもM3がミュンヘン工場で生産されることが明らかになりました。
これまでM3といえば、直列6気筒エンジンを搭載した高性能スポーツセダンというイメージが非常に強いモデルです。
そのM3に今度は完全なEVモデルが加わることになります。
ただし、ここで注意したいのは「次世代M3が完全EVだけになる」という意味ではないことです。
BMWは次世代3シリーズについて、電気自動車だけに一本化するのではなく、内燃機関を搭載するモデルも展開する方針を示しています。
そのため、次世代M3についても、完全電動モデルとエンジン搭載モデルが異なるパワートレインとして並行して展開される可能性があります。
現時点ではBMWが次世代M3の内燃機関モデルについて詳細を正式発表しているわけではないため、具体的なエンジンや仕様については今後の発表を待つ必要がありますが、少なくとも「M3=EVになる」というより、「M3に新たに完全なEVモデルという新しい選択肢が加わる」と考えたほうが、現在のBMWの戦略には近いでしょう。
ミュンヘン工場もEV生産へ大きく変化
次世代M3の電動化と合わせて注目したいのが、生産拠点となるミュンヘン工場です。
BMWグループのミュンヘン工場は、2027年から完全EVのみを生産する工場へと生まれ変わります。
100年以上にわたってBMWの車両を生産してきた歴史ある工場ですが、電動化に対応するため大規模な改修が進められており、新しい車体工場や車両組立設備、物流エリアなどが整備されています。
BMWはミュンヘン工場の電動化に向けて約6億5000万ユーロを投資しており、今後、そこから送り出される次世代M3も完全電動モデルとなります。
100万台目のM3を生産した工場が、わずか数年後にはEV版のMモデルを生産する工場へと変わっていくわけです。
「M3らしさ」はEVになっても残るのか?
ここで気になるのは、やはり完全EVとなる次世代M3がどのようなクルマになるのかということでしょう。
BMWは次世代の電動Mモデルについて、単純に大容量バッテリーと強力なモーターを組み合わせるだけではなく、Mブランドならではのドライビング特性を実現することを目指しています。
特にNeue Klasse世代のBMW Mでは、電動パワートレインを活用した高い応答性や、4輪それぞれを独立して制御する技術などが重要なポイントになっています。
一方で、エンジンを搭載したM3が残るのであれば、次世代M3はこれまでにない面白いポジションになるかもしれません。
| 先日発表された新型3シリーズでは、高性能モデルとして3.0L直列6気筒ターボエンジン+48Vマイルドハイブリッドを搭載したM350 xDriveがラインアップ。 |
内燃機関ならではのエンジンサウンドやフィーリングを楽しみたいユーザーにはエンジン搭載モデルを、モーターならではの強烈なレスポンスや新しい走行性能を求めるユーザーにはEVを選んでもらう。
同じ「M3」という名前を持ちながら、異なるパワートレインによって別々の魅力を持つモデルになる可能性があります。
BMW Mの100万台目から始まる新しい時代
今回、BMW Mが生産100万台という大きな節目を迎え、その記念車にM3を選んだことは、単なる生産台数のニュースではありません。
1986年に登場したM3は、長年にわたってBMW Mを代表するモデルとして進化してきました。
そして2026年、そのM3がBMW Mの100万台目を飾ります。
その一方で、同じミュンヘン工場では完全電動の次世代M3を生産する準備が進められています。
エンジン搭載モデルを残しながらEVという新しいM3を加えるのか、それとも将来的にはEVへと一本化されていくのか。まだ分からない部分もありますが、少なくともBMW MにとってM3が次の時代を切り開く重要なモデルであることは間違いありません。
100万台目のM3が内燃機関時代の象徴になる一方、これから登場する完全EVのM3は電動化時代の象徴になるのかもしれません。
ただ、BMWに限らずですが、ここ最近の世界的なEV化への潮流については、これまでエンジンモデルのスポーツカーを好んで乗ってきた顧客層が本当にEV化を求めているのか?という部分については不明確な部分もあり、個人的には極端な内燃機関の廃止や電動化は行われないのではないかと予想しています。
「M3」という名前が、エンジンとモーターという異なる2つのパワートレインによってどのように進化していくのか。これからのBMW Mを占ううえでも、かなり興味深い存在になりそうです。
参考資料
BMW Group PressClub
「One Million Times the Thrill of M: Plant Munich builds milestone BMW M3 and shapes the electric future of BMW M」
https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0461211EN/one-million-times-the-thrill-of-m:-plant-munich-builds-milestone-bmw-m3-and-shapes-the-electric-future-of-bmw-m
BMW Group PressClub
「The New BMW 3 Series」
https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0460993EN/the-new-bmw-3-series
0 コメント