次世代M3の原型?BMW「M Concept Neue Klasse」4モーターEVで描くMモデルコンセプト。

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

BMWの新型コンセプトモデル「M Concept Neue Klasse」

BMW Mが、次世代の高性能モデルを示す新たなコンセプトカー「BMW M Concept Neue Klasse(Mコンセプト・ノイエ・クラッセ)」を発表しました。

2026年6月、ル・マン24時間レースの舞台で世界初公開されたこのモデルは、BMW Mが電動化時代にどのような「M」を作ろうとしているのかを示す重要な一台です。BMWによると、新しいMのデザイン言語を先取りするだけでなく、モータースポーツから受け継いだ技術を次世代の高性能モデルへ取り入れることを目的としています。

これまでBMW Mといえば、直列6気筒やV8エンジン、後輪駆動など、内燃機関ならではの走りを楽しむモデルというイメージが強いブランドでした。しかしM Concept Neue Klasseでは、その考え方を電気モーターによってさらに進化させようとしています。

BMW M Concept Neue Klasseとは?

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

M Concept Neue Klasseは、BMW Mが将来の高性能モデルに向けて開発したコンセプトカーです。

ワイドなフェンダーや低く構えたボディ、大型のエアロパーツなど、見た目からして従来のBMW M以上にレーシングカーを強く意識したデザインになっています。

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

その背景には、BMW Mが長年掲げてきた「Born on the racetrack. Made for the streets.(サーキットで生まれ、ストリートのために作られる)」という考え方があります。今回のモデルも、モータースポーツで培った技術とデザインを次世代の市販Mモデルへつなげる役割を担っています。

BMW Mらしさを残した未来的なデザイン

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

フロントには、BMWを象徴するキドニーグリルとヘッドライトを一体化した新しいデザインを採用。

さらに特徴的なのが「M Yellow Lights」と呼ばれる黄色いライトです。これはGTレーシングカーや「BMW M Hybrid V8」からインスピレーションを得たもので、BMWによれば今後のMモデルを象徴する新たなデザイン要素になるとしています。

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ


ボディは筋肉質なショルダーラインと大きく張り出したホイールアーチを持ち、フロントには「トライマラン」と呼ばれる三胴船をイメージしたデザインを採用しています。

リアにも大型のダックテールスポイラーとディフューザーを装備しており、こちらはデザインだけでなくダウンフォースを高める役割も持っています。

つまり、M Concept Neue Klasseでは「格好良く見せるためのデザイン」と「速く走るための機能」が明確に結び付けられているわけです。

4基のモーターを搭載する次世代BMW M


そして、このコンセプトで最も注目したいのがパワートレインです。

M Concept Neue Klasseには、なんと4基の電気モーターが搭載されています。

BMW Mが新たに開発した「BMW M eDrive」は、Neue Klasseの第6世代技術をベースにしたもので、4つのモーターを専用の制御ソフトウェア「BMW M Dynamic Performance Control」と組み合わせています。

さらに、それらを統合的に制御するのが高性能コンピューター「Heart of Joy」です。

4輪それぞれの駆動力やブレーキを個別に制御することで、コーナリング中のトラクションや車両の安定性、レスポンスを高めることが可能になります。

これは、エンジンの出力をひたすら上げるという従来の高性能化とは少し違うアプローチです。4つのモーターをどのように制御するかによって、電動化だからこそ実現できる新しいMの走りを作ろうとしているのです。

800V・100kWh超のバッテリーを採用

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

高性能EVであるだけに、バッテリーにも最新技術が投入されています。

M Concept Neue Klasseは800Vの電気システムと、100kWhを超える容量の高電圧バッテリーを採用。

BMW M向けに最適化された第6世代の円筒形セルによって、モーターへの高い出力供給だけでなく、充電時の性能も高めています。さらにバッテリーケースを前後のアクスルと構造的に一体化することで、車体剛性や走行性能にも貢献させています。

インテリアもドライバー中心

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

電動化されても、BMW Mらしいドライバー中心の考え方は変わりません。

室内には4つのバケットシートを備え、5点式シートベルトやM専用のステアリングホイールなどを採用。ブラックのヌバックレザーやメリノレザーなどを組み合わせながら、レーシングカーを思わせるスポーティーな空間に仕上げています。

また、外装と内装の一部には天然繊維素材も使用されています。BMWはNeue Klasse世代で素材や製造方法についても新しいアプローチを進めており、M Concept Neue Klasseもその方向性を示すモデルとなっています。

次世代Mモデルは2027年から登場へ

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

M Concept Neue Klasseそのものは市販を目的としたモデルではありません。

しかし、今回発表された技術やデザインが単なるショーカーで終わるわけでもありません。BMW Mは、Neue Klasseの技術を採用した最初の次世代Mモデルを2027年に市場へ投入する計画を明らかにしています。

そのため、このコンセプトカーは「未来のBMW M」を考えるうえで非常に重要な存在です。

4基のモーターによる4輪個別制御、800Vシステム、100kWh超のバッテリー、そして新しいMデザイン。

これまでのBMW Mがエンジンやシャシーによって追求してきた「走る楽しさ」を、電動化によってどのように再構築するのか。その答えが、少しずつ見えてきました。

BMW Mは電動化でどう変わる?

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ

BMW M Concept Neue Klasseが興味深いのは、単に「電気で走るMモデル」ではないところです。

BMWは電動化によってMの個性を捨てるのではなく、4基のモーターを個別制御することで、これまでとは違った方法でダイナミクスや俊敏性、精度を追求しようとしています。

ル・マン24時間レースというモータースポーツを象徴する場所で公開されたことも、その方向性を象徴しているでしょう。ただ、個人的な予想としては完全なEVのみがリリースされるのではなく、エンジンやハイブリッドなどの複数形態になるのではないかと考えています。

エンジンからモーターへ変わっても、MはMであり続ける。

M Concept Neue Klasseは、そんなBMW Mの意思を示す一台です。

公開されたオフィシャル画像でも2台で並べられているものがあるなど、将来的に登場するであろう、おそらくM3を意識したコンセプトカーだと思われますが、2027年から登場する次世代の電動Mモデルが、このコンセプトの技術やデザインをどこまで市販車へ受け継ぐのか。BMW Mにとっても大きな転換点となるモデルになりそうです。

参考資料

コメントを投稿

0 コメント