BMWが新型「3シリーズ」を発表!次世代モデル群"ノイエ・クラッセ"を本格的に取り入れたモデルに。
BMWを代表するスポーツセダン「3シリーズ」が、ついに新たな世代へと進化しました。
BMWが2026年9月30日に発表した新型「3シリーズ」は、8代目(G50)となるモデル。これまでの3シリーズが築いてきたスポーティなキャラクターを受け継ぎながら、BMWの次世代モデル群「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」のデザインやデジタル技術を本格的に取り入れています。
そして今回の新型で特に興味深いのが、完全電動モデルとなる「BMW i3」と、ガソリンエンジンを搭載する3シリーズを同じモデルファミリーの中で展開することです。
EVだけに一本化するのではなく、ガソリン、プラグインハイブリッド、そして完全電動という複数の選択肢を用意することで、3シリーズの名前を新しい時代へ持ち込もうとしています。
新型「BMW 3シリーズ」はNeue Klasse世代へ
1975年に初代モデルが登場して以来、3シリーズはBMWを象徴するスポーツセダンとして長い歴史を歩んできました。
今回の8代目では、そのキャラクターを大きく変えるのではなく、BMWが今後のモデルに採用していくNeue Klasseのデザインとテクノロジーを組み合わせています。
ボディはBMWらしいロングホイールベースと短いオーバーハングを持つ2.5ボックススタイル。後方へ引かれたキャビンと大きく張り出したフェンダーによって、スポーツセダンらしいプロポーションを強調しています。
先代よりもモダンになった一方で、BMWが長年使ってきた「キドニーグリル」と「ツインヘッドライト」の組み合わせはしっかりと残されています。
ただし、その見せ方はかなり変わりました。
フロントではキドニーグリルとヘッドライトをひとつの視覚的なユニットとしてまとめ、横方向へ広がる新しいライトシグネチャーを採用。従来のBMWとはかなり印象が違いますが、4灯式のヘッドライトを思わせるデザインによって、3シリーズらしさも残されています。
ドアハンドルはボディと面一になるフラッシュフィットタイプで、車両のロックを解除すると自動的に展開する仕組みです。
リアも水平基調のデザインとなり、左右へ大きく広がるテールライトがワイドなボディを強調。張り出したリアフェンダーと組み合わせることで、停車しているだけでもスポーティさを感じさせるスタイルに仕上げられています。
インテリアには「BMW Panoramic iDrive」を採用
インテリアもNeue Klasseらしく、大きく変わりました。
新型3シリーズには、BMWの次世代インターフェースとなる「BMW Panoramic iDrive」を採用。BMW Panoramic Vision、BMW 3D Head-Up Display、17.9インチのセンターディスプレイ、そして新設計のステアリングホイールを組み合わせています。
特に特徴的なのがBMW Panoramic Visionです。
ドライバーの視界に近い位置へ情報を表示することで、従来のメーター類とは違った新しい運転環境を作り出しています。
さらに17.9インチのセンターディスプレイはドライバー側へ角度を付けて配置され、タッチ操作だけでなく、ステアリングのスイッチや音声操作にも対応。
| こちらはBMW M350 xDriveのインテリアデザイン |
「BMW Operating System X」を採用することで、ソフトウェアアップデートによって新しい機能やデジタルサービスを追加していける構成となっています。
BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントには、Amazon Alexa+のAI技術も組み込まれる予定で、従来型のカーナビや車載システムというより、クルマそのものがデジタルデバイスへ近づいている印象です。
新型「BMW i3」は3シリーズ初のNeue Klasse EV
今回の新型3シリーズで最大のニュースといえるのが、完全電動モデルの「BMW i3」です。
名前だけを見ると、かつて販売されていたコンパクトEVのi3を思い出す人も多いと思いますが、今回のi3はまったく別物。新型3シリーズをベースとするBMWの次世代EVとして登場します。
新型BMW i3には、第6世代となる「BMW eDrive」テクノロジーを採用。
円筒形セルを使用した新世代バッテリー、800Vシステム、高効率な電気モーター、双方向充電機能などを組み合わせています。
発売時には「i3 40 xDrive」と「i3 50 xDrive」の2モデルが設定されます。
上位モデルとなるi3 50 xDriveは、前後にモーターを搭載する4WDで、システム最高出力は345kW(469馬力)、最大トルクは645Nmを発生。
0-100km/h加速は4.7秒で、108.7kWhの大容量バッテリーを搭載します。
そしてWLTPモードでの航続距離は最大912km。従来のEVでは長距離移動時の充電が気になるところでしたが、新型i3はかなり大胆な数字を掲げています。
さらに最大400kWのDC急速充電にも対応し、条件が整えば10分間の充電で最大423km分の航続距離を追加できるとBMWは説明しています。
一方のi3 40 xDriveは最高出力275kW(374馬力)で、82.8kWhのバッテリーを搭載。航続距離は最大710kmとなっています。
そして2027年には、さらに高性能な「BMW i3 M60 xDrive M Performance」の投入も予定されています。
3シリーズのEV化は、単にエンジンをモーターへ置き換えたというより、Neue Klasseの新しい電動プラットフォームを3シリーズというBMWの中心的なモデルに持ち込んだことが大きな意味を持っています。
ガソリン車の頂点には「M350 xDrive」
とはいえ、BMWは新型3シリーズをEVだけにするつもりではありません。
ガソリンエンジンを好むユーザーに向けたモデルも用意され、その頂点に位置するのが「BMW M350 xDrive」です。
搭載されるのは3.0リッター直列6気筒ガソリンターボエンジン。48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、最高出力326kW(443馬力)を発生します。
0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は電子制御によって250km/hに制限されています。
M350 xDriveは、通常の3シリーズと本格的なBMW Mモデルの間を埋めるM Performanceモデルですが、今回の新型ではかなり面白い機能も採用されました。
それが「Drift Moment」です。
センターディスプレイから機能を作動させると、エンジンのパワーをリアホイールへ送り、後輪駆動状態でドリフトを楽しめるというもの。
もちろん3シリーズには日常の快適性も求められますが、こういう機能を普通のセダンに入れてしまうあたりは、いかにもBMWらしいところです。
しかもBMWによれば、この機能によって、これまでBMW Mの高性能モデルでしか味わえなかったような後輪を滑らせる走りを楽しめるとしています。
3シリーズには4気筒モデルやPHEVも登場
新型3シリーズのラインアップは、i3 40 xDriveやi3 50 xDrive、M350 xDriveだけではありません。
ガソリンモデルには4気筒エンジンを搭載するモデルも設定され、いずれも最新世代のBMW TwinPower Turboテクノロジーを採用しています。
さらに今後1年以内には、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルも追加される予定です。
つまり新型3シリーズは、
・完全電動のBMW i3
・48Vマイルドハイブリッドを備えたガソリン車
・PHEV
・M Performanceモデル
という幅広いパワートレインを同じ3シリーズファミリーに用意することになります。
以下はエンジンモデルとEVモデルをそれぞれ紹介しているBMWの動画です。
現時点では発表はありませんが、このモデル群に、現在ラインアップされているM3やステーションワゴンなども加えられたとすると、全体ではかなりのバリエーションとなるのではないでしょうか?
これは現在の自動車業界では少し興味深い方向性です。
メーカーによってはEV専用車と内燃エンジン車を完全に分けていますが、BMWは3シリーズというひとつのブランドの中で、ユーザーが自分に合ったパワートレインを選べるようにしています。BMW自身もこれを「technology-open approach」と説明しています。
運転支援も新世代へ
新型3シリーズでは、運転支援システムも大きく進化しています。
SAEレベル2に相当する運転支援機能を採用し、高速道路ではハンズフリー走行にも対応。BMWによれば、2026年末までに21か国で、最大130km/hまでのハンズフリー走行が可能になる予定です。
さらに2027年からは、都市部でもナビゲーションと連動した部分自動運転機能が追加される予定です。
新型3シリーズは、単純に「エンジンが強くなった」「デザインが新しくなった」というモデルではなく、ソフトウェア、AI、運転支援、電動化まで含めて車そのものの性格が変わってきています。
日本市場への導入時期と価格は?
新型「BMW 3シリーズ」が日本市場へ導入されるのかも気になるところです。
現時点では、BMWから日本仕様の発売時期や価格について正式な発表は行われていないため、どのようなグレードが、どのような価格で導入されるのかは不明です。
ちなみにドイツでは、2026年9月30日から新型3シリーズの注文受付が始まり、価格は「BMW 318」が49,900ユーロ、「BMW 320」が54,900ユーロ、「BMW M350 xDrive」が80,900ユーロから。完全電動モデルの「BMW i3」は、i3 40 xDriveが59,900ユーロ、i3 50 xDriveが65,900ユーロからとなっています。
1ユーロ=約177.83円で単純換算すると、「BMW 318」は約887万円、「BMW 320」は約976万円、「BMW M350 xDrive」は約1,438万円。完全電動モデルの「BMW i3 40 xDrive」は約1,065万円、「i3 50 xDrive」は約1,172万円となります。
もちろん、これはドイツでの販売価格を現在の為替レートで日本円に換算しただけの数字であり、日本でそのまま同じ価格になるわけではありません。
それでも、M350 xDriveを単純換算すると約1,438万円という金額になるため、日本での価格を考えるとかなり興味深いところです。
ただ、そのままこのような価格帯になると、現行の高性能なMモデル「BMW M3 Competition M xDrive」に近い水準となりますし、他のモデルでも現行5シリーズより価格が上となるため、それは正直ちょっと高すぎるようにも感じられますし、実際に日本へ導入された場合、どのような価格設定になるのかは気になりますね。
また、日本市場ではグレード構成や標準装備がドイツ仕様と異なる可能性もあります。特に完全電動モデルの「BMW i3」が日本に導入される場合、充電関連の仕様や装備など、日本市場に合わせた変更が行われることも考えられます。
現時点ではあくまでドイツでの価格と為替レートから見た参考値にすぎません。日本導入の時期や具体的なグレード、メーカー希望小売価格については、BMWジャパンからの正式発表を待つ必要があります。
この辺りの詳細は日本向け導入の正式発表が行われた際にご紹介できたらと思います。
BMW「3シリーズ」は新しい時代へ
今回の8代目3シリーズで面白いのは、BMWがこれまでの3シリーズらしさを捨てずに、その中身を大きく変えてきたことです。
Neue Klasseのデザインを取り入れたことで外観はかなり未来的になりましたが、ロングノーズのスポーツセダンらしいシルエットや、直列6気筒エンジンを搭載したM350 xDriveなどを見ると、BMWが「3シリーズ」という名前に求めているものは今もそれほど変わっていません。
一方では最大912kmという航続距離を持つ完全電動のi3を用意し、もう一方では443馬力の直列6気筒エンジンを搭載したM350 xDriveでドリフトまで楽しめる。
この2台が同じ「3シリーズ」として並ぶところに、2026年という時代のBMWらしさがよく表れています。
初代3シリーズが登場した1975年から50年以上。スポーツセダンという基本的な立ち位置はそのままに、パワートレインもインターフェースも運転支援も、クルマを取り巻く環境はすっかり変わりました。
それでも「運転する楽しさ」を3シリーズの中心に置き続けるあたりは、今回の新型でもしっかり受け継がれています。
これから登場するPHEVや2027年予定のi3 M60 xDriveを含め、新型3シリーズはBMWが考える次世代スポーツセダンの方向性をかなり分かりやすく示すモデルになりそうです。
参考資料
BMW Group PressClub「The new BMW 3 Series」
BMW Group公式プレスリリース
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