ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911

ルイ・ヴィトン×シンガー、特別なポルシェ911を公開!「911 リイマジンド」で実現した究極のラグジュアリーカー

ルイ・ヴィトンと、クラシックなポルシェ911を現代の技術で再構築することで知られるシンガー・ビークル・デザインがコラボレーションし、2台の特別な「ポルシェ911 リイマジンド・バイ・シンガー」を公開しました。

今回登場したのは、クーペ仕様の「クラシック」と、ターボエンジンを搭載したカブリオレ仕様の「クラシック・ターボ」の2台で、どちらもルイ・ヴィトンの世界観を取り入れながら、シンガーならではの911の再構築技術によって仕上げられています。

ルイ・ヴィトンとシンガーがポルシェ911を再構築

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911

シンガー・ビークル・デザインといえば、先日もポルシェを「再創造」するSinger(シンガー)とは?世界中のコレクターを魅了する唯一無二のブランドという特集記事にてご紹介しましたが、クラシックなポルシェ911をベースに、現代的な性能と高度なクラフトマンシップを組み合わせた「911 リイマジンド」で知られる存在です。

今回のプロジェクトでは、そこへルイ・ヴィトンが長年培ってきたレザー、トランク、時計などの職人技を組み合わせました

きっかけとなったのは、シンガーによって再構築される911のために、ルイ・ヴィトンがダッシュボードクロックを製作するという依頼だったそうです。

しかしプロジェクトが進むにつれて、時計だけではなくインストルメントパネルやインテリア、金属パーツなど、自動車そのものの細部までルイ・ヴィトンのデザインと職人技を取り入れることになりました。

1台目はサフラン×コバルトブルーの「911 クラシック」

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911

1台目の「ポルシェ911 リイマジンド・バイ・シンガー – クラシック」は、ルイ・ヴィトンを象徴するカラーを取り入れた特別なクーペです。

ボディにはサフランとコバルトブルーを組み合わせ、イエローのアクセントを加えることで、ルイ・ヴィトンのトランクやレザーグッズを思わせるカラーリングに仕上げられています。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシック

さらに、この911にはトランクやサーフボード、スキー板などを積載できる専用ルーフキャリアも装備されており、単に美しいだけではなく、「旅をするための911」という明確なテーマが与えられています。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシック

このカラーリングには、ルイ・ヴィトンの歴史も取り入れられています。

サフランは長年メゾンのアーカイブに存在する色であり、コバルトブルーとの組み合わせは、1924年にシトロエンのために製作されたトラベルトランクにも由来するもので、今回の911は、現代的なポルシェ911をベースにしながら、ルイ・ヴィトンが100年以上にわたって培ってきた「旅のための道具」という歴史までデザインに取り込んでいるのが特徴です。

インテリアにはルイ・ヴィトンのレザーと「マルタージュ」

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911 内装

インテリアもかなり凝っていて、キャビンにはルイ・ヴィトンのレザーグッズを思わせるナチュラルカラーのレザーを使用し、シートやドア周辺などの細部まで丁寧に仕上げられています。

特に目を引くのが、シートやトランク、エンジンルームなどに施されたダイヤモンドパターンのエンボス加工です。

これはルイ・ヴィトンのトランク内部に見られる「マルタージュ」と呼ばれるモチーフを取り入れたもので、さらにシートやサンバイザーにはモノグラム・フラワーを思わせるアイレットも採用されています。

ドアハンドルのエッジには、ルイ・ヴィトンのバッグなどで使われているエッジ染めの技法も取り入れられました。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911 内装

つまり、ルイ・ヴィトンのロゴを目立つ場所に配置するのではなく、バッグやトランクを作るときの技術そのものを911の各部に落とし込んでいるのが今回のコラボレーションの面白いところです。

ダッシュボードには「タンブール」から着想を得た時計

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911 時計

今回のプロジェクトを象徴するアイテムのひとつが、ルイ・ヴィトンの「タンブール」から着想を得た機械式ダッシュボードクロックです。

この時計は車内から取り外してデスククロックとしても使用できる構造になっており、ルイ・ヴィトンの時計製造を象徴する存在としてインテリアに組み込まれています。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911 インパネ

さらに、時計だけではなく、スピードメーターやレブカウンター、各種ゲージまでデザインを変更。針や文字盤、インデックスのデザインにも「タンブール」のグラフィックコードが取り入れられ、コバルトブルーとオレンジのカラーリングによって、時計と自動車の世界を融合させています。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911 鍵

普通なら「ルイ・ヴィトンとポルシェのコラボ」と聞くと、シートやボディにモノグラムを入れるようなイメージを持ちますが、今回はそうではなく、時計そのものを自動車のインテリアデザインの一部として再構築しているところに、このプロジェクトならではのこだわりがあります。

2台目はニコラ・ジェスキエールが手掛けた「クラシック・ターボ」

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ

もう1台の「ポルシェ911 リイマジンド・バイ・シンガー – クラシック・ターボ」は、ルイ・ヴィトンのウィメンズ・コレクションのアーティスティック・ディレクターを務めるニコラ・ジェスキエール氏が構想したモデルです。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ 内装

こちらは1台目とは方向性が異なり、ホワイトのボディにブラウンやゴールドのアクセントを組み合わせた、より落ち着いた雰囲気のカブリオレに仕上げられています。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ

インテリアにはレザーとウッドを組み合わせ、クラシックなモーターボートを思わせるデザインを採用。

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ
ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ

クルマとファッションというより、ポルシェ911とヨットやモーターボートを融合したような世界観になっています。

ルイ・ヴィトンらしい「旅」の思想

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ911クラシックターボ

クラシック・ターボで特に印象的なのが、リア部分に設けられたウッドデッキです。

後方に開くラゲージコンパートメントにはチーク材を思わせるウッドを採用し、モーターボートのデッキを連想させる仕上がりになっています。

ボディカラーも、パリの街並みを形作る石灰岩「カルケール・リュテシアン」をイメージしたホワイトを採用。そこへゴールドのアクセント、ナチュラルレザー、ウッドを組み合わせることで、クラシックでありながら非常に現代的な雰囲気を作っています。

ルイ・ヴィトンにとって「旅」はブランドの歴史そのものでもあり、今回の2台も、単なる移動手段としての自動車ではなく、旅そのものを楽しむための道具としてデザインされているのが特徴です。

クルマだけでは終わらない「旅のためのコレクション」

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ

今回のコラボレーションが面白いのは、車両だけでプロジェクトが完結していないところです。

ルイ・ヴィトンは「911 クラシック」のために、ドライビングジャケットやジーンズ、カーシューズ、ドライビンググローブ、ヘルメットなどを用意しています。

さらに車両のキーケースや車検証などを収納するポシェット、ヘルメットバッグ、スーツケース「ビステン」、キーポルなど、旅に必要なアイテムまで専用にデザインされました。

そして、911のフロントトランクに収まるように作られた専用バッグや、車体に合わせて設計されたルーフキャリアも用意されています。

サーフボードやスキー板まで用意されていることを考えると、今回のプロジェクトは「クルマを作った」というより、911を中心としたひとつのライフスタイルそのものを作ったと考えたほうが近いかもしれません。

ルイ・ヴィトンは1897年から自動車の旅に関わっていた

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ

今回のコラボレーションを見るうえで、もう一つ知っておきたいのがルイ・ヴィトンと自動車の意外に長い関係です。

ルイ・ヴィトンでは1897年にはすでに自動車用のトランクを展開しており、車両の後部やルーフに固定して使用できる専用設計が採用されていました。

さらに1905年以降には、道端でのランチ用キットや、車内の限られたスペースを有効活用するためのバッグなど、自動車旅行に特化したアイテムも展開していたそうです。

そう考えると、今回のシンガーとのコラボレーションは突然始まったものではなく、ルイ・ヴィトンが長年培ってきた「旅の道具」としてのノウハウを、現代のポルシェ911に合わせて再構築したプロジェクトとも見ることができます。

「ルイ・ヴィトン×シンガー」が面白い理由

ルイ・ヴィトン シンガー ポルシェ

今回の2台を見ていて感じるのは、両社がそれぞれの得意分野をかなり深いところまで持ち寄っていることです。

シンガーはポルシェ911のボディやシャシー、エンジニアリング、レストア技術を担当し、ルイ・ヴィトンはレザーやトランク、時計、ファッションなどの専門知識を提供。しかも、それぞれの技術を単純に組み合わせるだけではなく、インテリアの金属パーツまで高級時計のような仕上げを施しています。

調整ノブやスイッチ、ロック、エアベントなども手作業で仕上げられ、ポリッシュやサテンなど時計製造で使われる表面処理も取り入れられました。

ここまでくると、もはや「ポルシェ911にルイ・ヴィトンのデザインを加えた」という表現では足りないレベルで、シンガーの911をキャンバスにして、ルイ・ヴィトンが自動車という新しいジャンルのラグジュアリー作品を作ったと考えるほうが近いような気がしますね。

世界に1台だけの特別なポルシェ911

今回公開された2台は、一般的な量産モデルや限定車とは性格がまったく異なります。

シンガーの「リイマジンド」自体が、オーナーの要望に合わせて細部まで作り込む特別な存在ですが、今回はそこにルイ・ヴィトンのデザイナーやレザー職人、時計職人などが加わっています。しかも、ルイ・ヴィトンにとっては今回が初めてとなる共同ブランドの自動車プロジェクトです。

価格や生産台数については、今回の公式プレスリリースでは公表されていませんが、シンガーのモデルだけでも仕様によっては1億円をこえるとも言われているため、さらにそこにルイ・ヴィトンが深いレベルでコラボレーションした車を仕上げるとなると、どんな金額になっても気にしないレベルのオーナーでなければオーダーすることができないような代物なのは間違いなさそうですね。

そのため、「何億円のポルシェなのか」といった数字よりも、どれだけの職人と技術を投入して1台を完成させたのかに注目したほうが、このプロジェクトの価値を理解しやすいでしょう。

「シンガー・ビークル・デザイン(Singer Vehicle Design)」がどのようなブランドなのかについての記事は以下よりご覧いただけます↓

ポルシェを「再創造」するSinger(シンガー)とは?


Singer Vehicle Design公式プレスリリース「ルイ・ヴィトン、シンガーと共に道をゆく」

※本記事は、Singer Vehicle Designが2026年8月12日に公開した公式プレスリリースをもとに作成しています。価格、生産台数など、公式発表で明らかにされていない情報については記載していません。