「ジンガー・21C」が初の公開オークションへ!3Dプリント製ハイパーカーの価値は?

ジンガー・21C

「ジンガー・21C」が初の公開オークションへ!1,250PSの3Dプリント製ハイパーカー

アメリカのハイパーカーメーカー「ジンガー・ビークルズ」の「ジンガー・21C」が初めて公開オークションに出品されることになっており、2026年のモントレー・オークションに登場する予定です。

今回出品されるのは2025年式の「ジンガー・21C HDF」で、RM Sotheby'sが発表した予想落札価格は230万~250万ドルとなっており、日本円にすると為替レートによって変わりますが、およそ3億円台後半から4億円前後というかなり高額なハイパーカーです。

「ジンガー・21C」といえば、一般的なスーパーカーとは少し違った作り方をしていることでも知られていて、最大の特徴はコンピューターによる設計と3Dプリントなどの積層造形技術を組み合わせて車体を作っていることです。


3Dプリントが生み出す次世代ハイパーカー

ジンガー・21C

「ジンガー・21C」が注目されている理由のひとつが、その製造方法にあり、ジンガーでは「Bio-Logic Engineering」と呼ばれる独自の設計思想を採用しています。

コンピューターによって車体の形状や構造を最適化したうえで積層造形技術を組み合わせており、従来の自動車では製造方法の制約から難しかった形状も実現しているとのことです。

RM Sotheby'sによると、「ジンガー・21C」では車両の20%以上にレーザー金属プリントによる部品や構造が使われていて、単に速いだけではなく、クルマの作り方そのものにも新しい考え方を取り入れたハイパーカーとなっています。

2.88リッターV8+ハイブリッドで1,250PS

ジンガー・21C エンジン

もちろん、最新技術を使っているのはボディだけではなく、パワートレインにも独自の技術が使われています。

「ジンガー・21C」には、2.88リッターV型8気筒ツインターボエンジンとハイブリッドシステムが組み合わされていて、システム最高出力は1,250PSを発揮します。

エンジン単体でも750PSを発揮するうえ、フロントには2基の電気モーターを搭載してさらに500PSを加えており、エンジンのレッドゾーンも11,000rpmに設定されています。

2.88リッターという排気量だけを見ると、それほど大きなエンジンには感じませんが、そこから750PSを引き出していることを考えると、かなり強烈なエンジンといえそうです。

「ジンガー・21C HDF」はどんなモデル?
ジンガー・21C

今回オークションに出品されるのは、通常の「ジンガー・21C」の中でも「HDF(High Downforce)」仕様となっていて、名前の通り空力性能を重視したモデルです。

150mph(約241km/h)で3,300ポンド以上のダウンフォースを発生するとされており、最高速を重視したVMax仕様とは方向性が異なっています。

今回の車両は「Artemis Yellow」のボディカラーにブラックのカーボンファイバー製GTストライプを組み合わせていて、さらにカーボン製サイドシルや専用ホイール、カスタムカラーのブレーキキャリパーなど、13万3,600ドル以上のオプションも装着されています。

戦闘機のようなタンデム式コックピット

ジンガー・21C 内装

「ジンガー・21C」は、室内のレイアウトも一般的なスーパーカーとは少し違っていて、シートは左右に並ぶ2シーターではなく、戦闘機のコックピットを思わせるタンデム式になっています。

ドライバーとパッセンジャーが前後に座るレイアウトを採用することでキャビンをコンパクトにでき、空気抵抗を抑えながら効率的なボディ形状を作ることにもつながっているとのことです。

インテリアにはブラックのアルカンターラを使用していて、イエローのステッチを組み合わせることで、ボディカラーとの統一感も持たせています。

公道を走れる1,250PSのハイパーカー

ジンガー・21C

これだけサーキットを意識したクルマですが、「ジンガー・21C」は公道走行が可能なモデルとなっています。

RM Sotheby'sによると、今回のHDF仕様はアメリカの50州すべてで公道走行が可能なモデルとして認証されていて、サーキット専用マシンとは違い、実際に公道を走ることができます。

さらに「ジンガー・21C」は、カリフォルニア州の5つのサーキットで5日間にわたって市販車のラップレコードに挑戦する「California Gold Rush」プログラムも実施しており、サーキットでの性能だけでなく、公道を自走して次のコースへ移動するという使い方も行われました。

わずか80台しか作られないうちの1台

ジンガー・21C

「ジンガー・21C」は、大量生産されるスーパーカーではなく、世界で生産されるのはわずか80台となっています。

今回の個体は、その中でも一般公開されたオークションに初めて登場する「ジンガー・21C」となっており、カタログ作成時点での走行距離もわずか523マイル(約840km)です。

さらに工場出荷時のウインドウステッカーも付属しているとのことで、単に1,250PSのハイパーカーというだけではなく、「最初に公開オークションへ登場した21C」という点も、この車両の大きな特徴になりそうです。

「ジンガー・21C」は落札価格が230万~250万ドルでも利益が出ない?

ジンガー・21C 価格

今回の「ジンガー・21C HDF」の予想落札価格は230万~250万ドル、日本円にすると約3億6000万円から4億円くらいとなっていて、かなり高額なハイパーカーですが、面白いのは、もしこの金額で落札されたとしても現在のオーナーが利益を得られるとは限らないことです。

今回出品される車両には13万3,600ドル(日本円換算で2100万円)以上のメーカーオプションが装着されていて、カーボンファイバー製のGTストライプだけでも6万ドル相当とされています。さらに、車両そのものの価格を考えると、現在のオーナーは購入時に200万ドル(日本円にすると約3億1700万円)を大きく超える金額を支払っていた可能性があります。

そのため、予想落札価格の230万~250万ドルは一見すると非常に高く感じますが、購入価格やオプション、オークションにかかる費用などまで考えると、今回の売却で大きな利益が出るとは限りません。

ジンガー・21C

まだ歴史の浅いメーカーということもあり、フェラーリやマクラーレンなどの名門ブランドの限定モデルと同じように、購入価格を上回る価値がすぐに付くとは限らないようです。

それらを踏まえるとおそらくですが、今回のオーナーの方は希少なモデルを利用して転売的に大きな利益を出そうとは、最初から考えてないようにも思えますね。

むしろ今回のオークションは、そんな「ジンガー・21C」の中古車としての価値がどの程度なのかを確認する、最初の大きな機会になるかもしれません。

画像/記事参考:rmsothebysプレスリリースより

コメントを投稿

0 コメント