マルク・フィリップ・ゲンバラ「マルシエンGT」発表!911ターボSベースの限定モデルとして登場へ。

マルク・フィリップ・ゲンバラ「マルシエンGT」

マルク・フィリップ・ゲンバラ「マルシエンGT」830馬力・最高330km/h、911ターボSベースの限定30台

マルク・フィリップ・ゲンバラは、ポルシェ「911ターボS(992)」をベースに大幅な改良を施した新型スーパーカー「マルシエンGT(MARSIEN GT)」を発表しました。

830馬力以上の最高出力と330km/hの最高速度を誇るマルシエンGTは、2021年に登場した「マルシエン」の進化モデルで、初代モデルが得意としていたオフロード性能から、今回はオンロードでの走行性能やドライビングプレジャーを重視したグランドツアラーへと方向性を変えています。

生産台数は世界限定30台とされ、2027年から生産を開始し、最初の車両は2027年末に納車される予定です。ベースとなる911ターボSの性能を引き上げるだけではなく、ボディやサスペンション、空力、エンジン、インテリアまで専用設計とすることで、ベースモデルでもあるポルシェ992とは異なる独自のスーパーカーへと仕上げられています。


そもそも「マルク・フィリップ・ゲンバラ」と「ゲンバラ」の違いは?

「マルク・フィリップ・ゲンバラ」と「ゲンバラ」の違い

マルシエンGTを紹介するうえで、まず知っておきたいのが「マルク・フィリップ・ゲンバラ」と「ゲンバラ(GEMBALLA)」の関係です。どちらも「ゲンバラ」という名前を持っていますが、現在は別の会社として活動しており、今回のマルシエンGTを開発しているのは、ウーヴェ・ゲンバラの息子であるマルク・フィリップ・ゲンバラが立ち上げた会社です。

一方の「GEMBALLA GmbH」は、ウーヴェ・ゲンバラが1981年にドイツで設立したチューニングメーカーで、ポルシェをベースとした高性能モデルを数多く手掛けることで世界的なブランドへと成長しました。

そのため、マルシエンGTを「ゲンバラの新型車」と考えてしまいそうですが、マルク・フィリップ・ゲンバラの会社と現在のGEMBALLA GmbHは別企業であり、今回のモデルもマルク・フィリップ・ゲンバラ独自のプロジェクトとして開発されています。

約1,500点の専用パーツで911ターボSを大幅改良!

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」

マルシエンGTのベースとなるのは、992世代のポルシェ911ターボ/ターボSですが、完成した車両はベースモデルの面影を残しながらも、その内容は大きく異なります。開発では約1,500点もの専用パーツが投入され、ボディやシャシー、サスペンション、空力システム、エキゾースト、インテリアなど、車両のさまざまな部分がマルシエンGT専用に設計されています。

ボディには100点以上のカーボンファイバー製パーツが使用され、専用設計のカーボン製アンダーボディも採用されています。こうした軽量化によって、ベースとなる車両から約75kgの軽量化を実現しており、高出力エンジンだけに頼るのではなく、車体そのものの運動性能を高めることにも重点が置かれているのも特徴です。

あの「RUF」と共同開発した830馬力の水平対向6気筒

ゲンバラ RUF

マルシエンGTのパワーユニットには、ポルシェをベースとした高性能モデルで知られる「RUF」との共同開発によるツインターボ水平対向6気筒エンジンが搭載されます。

最高出力は830馬力以上、最大トルクは930Nmに達し、強化されたVTGターボチャージャーや専用ECUマッピング、トランスミッションセッティングなどによって、911ターボSをベースにさらなる性能を引き出しています。

0-100km/h加速は2.4秒、最高速度は330km/hとされており、グランドツアラーという性格を持ちながらも、そのパフォーマンスは本格的なスーパーカーの領域にあります。さらに、マルク・フィリップ・ゲンバラは900馬力を超えるエンジンアップグレードも開発中としており、将来的にはさらに高性能な仕様が登場する可能性もあります。

ちなみにRUF(ルーフ)は、ドイツ・プファッフェンハウゼンを拠点とする自動車メーカーで、ポルシェをベースとした高性能モデルの開発で世界的に知られており、RUFとゲンバラの名前を今の時代に並んで見るのもなんだか感慨深いですね。


アクティブエアロで高速走行時の安定性を向上

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」

エクステリアでは、マルシエンGT専用のアクティブエアロシステムが大きな特徴となっています。フロントフェンダーにはアクティブ・ルーバーを設け、ホイールハウス周辺の空気を効率よく処理することでフロントアクスルのリフトや乱流を抑え、リアには大型のアクティブウイングを装備して高速走行時のダウンフォースと安定性を高めています。

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」

リアウイングは単にダウンフォースを生み出すだけでなく、必要に応じてエアブレーキとしても機能する設計とされており、ルーフにはエンジン冷却などに利用する空気を取り込む専用のスクープも設けられています。911ターボSをベースにしながら、ボディ全体を空力性能のために再設計することで、マルシエンGTならではの存在感を生み出しています。

KW製サスペンションでオンロード性能を追求

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」

初代マルシエンがオフロード走行にも対応する独特のサスペンションを特徴としていたのに対し、マルシエンGTでは舗装路での走行性能を重視した専用サスペンションを採用しています。KW Automotiveと共同開発したシステムを搭載し、フロントには専用設計のダブルウイッシュボーン式サスペンションを組み合わせています。

ダンパーにはKWの電子制御技術をベースとした専用システムを採用し、路面状況や走行状態に応じて減衰力をリアルタイムで調整することで、スポーツカーとしての俊敏性とGTとしての快適性を両立させています。標準車高は100mmと低く設定されていますが、フロントにはノーズリフト機構も備わり、段差や駐車場などでは車高を60mm上昇させることが可能です。

フルカーボンボディとAkrapovič製チタンエキゾースト

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」 マフラー

マルシエンGTのボディはフルカーボンファイバー製となっており、低くワイドなスタンスに大型エアインテークやルーフスクープ、専用リアウイングなどを組み合わせることで、ベースとなった911ターボSとは大きく異なるスタイリングを実現しています。単なる外装パーツの変更ではなく、空力性能と軽量化を両立させるためにボディ全体を作り込んでいる点も、このモデルの特徴です。

エキゾーストシステムはAkrapovič(アクラポヴィッチ)と共同開発したフルチタン製4本出しを採用し、軽量化と高性能エンジンに合わせた排気システムを構築しています。ホイールは専用デザインの鍛造アルミホイールで、フロント20インチ、リア21インチの組み合わせとなり、タイヤにはミシュラン「Pilot Sport Cup 2」が装着されます。

カレラGTを意識した専用インテリア

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」インテリア

インテリアもマルシエンGT専用に設計されており、センターコンソールを高く配置した特徴的なレイアウトを採用しています。中央にはポルシェ「カレラGT」を思わせるアルミ製シフトノブが配置され、オプションではカーボンファイバーやマホガニー製のシフトノブも選択できるなど、オーナーの好みに応じた仕様変更にも対応しています。

さらに、カーボン製インテリアパーツやクラブスポーツ用ロールバーなども用意され、センターコンソールには30台それぞれの生産番号を示すメタルプレートが設置されます。ボディカラーにはウーヴェ・ゲンバラの70周年を記念した「Anniversary Liquid Champagne Gold」も設定され、限定モデルならではの特別感を演出しています。

マルシエンGTの価格は77万ユーロ(約1億3,100万円)から

「マルシエンGT(MARSIEN GT)」の価格

マルシエンGTの価格は77万ユーロと発表されていますが、この金額にはベースとなるポルシェ911ターボ/ターボSの車両価格や税金、関税、輸送費などは含まれていません。日本円では為替レートによって変動するものの、1ユーロ=170円で単純計算した場合は約1億3,100万円となり、実際の購入にはさらに費用が必要になると考えられます。


ベース車両を含めると非常に高額なモデルになりますが、約1,500点の専用パーツを投入し、ボディからエンジン、シャシー、インテリアまで手を加えたことを考えると、一般的なポルシェのチューニングカーとは異なる、少量生産のコレクターズカーとして位置付けられていることが分かります。

マルシエンGT主要スペック

項目スペック
ベース車両ポルシェ911ターボ/ターボS(992)
エンジンRUF製ツインターボ水平対向6気筒
最高出力830馬力以上
最大トルク930Nm
0-100km/h2.4秒
最高速度330km/h
ボディカーボンファイバー製
ホイール20インチ/21インチ
タイヤMichelin Pilot Sport Cup 2
生産台数世界限定30台
価格77万ユーロ~
生産開始2027年
初納車2027年末予定

新たな方向性を示す「マルシエンGT」
ゲンバラ 「マルシエンGT(MARSIEN GT)」

「マルシエンGT」は、単にポルシェ911ターボSの性能を引き上げたチューニングカーではなく、マルク・フィリップ・ゲンバラが自らのブランドとしてどのようなスーパーカーを作ろうとしているのかを示す重要なモデルといえます。初代マルシエンで打ち出した独創的なコンセプトを受け継ぎながら、今回はオンロードでの走行性能とGTとしての完成度を高めることで、より幅広いシーンで楽しめるモデルへと方向性を変えています。

また、父ウーヴェ・ゲンバラが築いたGEMBALLAとは別の道を歩みながら、自らの名前を冠したブランドで少量生産のスーパーカーを生み出している点も興味深いところです。世界限定30台という希少性も含め、マルシエンGTが今後どのような評価を受け、実際にどのようなオーナーのもとへ届けられるのか、その動向にも注目したいモデルです。

※本記事は、マルク・フィリップ・ゲンバラが公開した公式プレスリリースをもとに作成しています。

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