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「買い物革命」について公開されたYahoo!JAPANの特設ページより。 |
■Yahoo!の買い物革命が始動!
10月7日に行われた「Yahoo!ショッピング」の出店者イベント「ストアカンファレンス2013」でソフトバンクの孫正義社長が発表した「eコマース革命」なる方針は今後の日本国内のEC事業(ネットショップをはじめとしたウェブを通じたビジネス)を大きく変えてしまう内容でした。実際に僕はブログを書いている以外はEC事業をメインに仕事をしているのでこの内容がいかにスゴい事なのかが分かります。
実際にEC事業やネットに携わる仕事をされている方以外はパッと聞いただけでは難しいかもしれませんが、この流れは確実に日本の小売や物流を含めた物品を取り扱うビジネスの商業形態を大きく変えて行ってしまうものだと確信しています。
■ECビジネスを取り組む人間にとっての悩みである「手数料」を無料にしてしまった。
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Yahoo!JAPANが発表したEC事業での出品者側の手数料の無料化(画像:Yahoo!JAPAN公式サイトより) |
タイトル通りですが、ECビジネスを行っている事業者は常に経費の部分が大きくなる事を恐れながら商品を出品したり販売したりしていると思います。
実際僕自身もYahoo!ショッピングに商品を掲載しておりましたが、手数料や入金サイクルの点で売れれば売れる程経営が苦しくなってしまう状況に陥り、最終的に一年前に撤退をしてしまいました。
ところが、今回の発表で提示された内容は
「初期費用無料」
「毎月の固定費用無料」
「売り上げロイヤリティ無料」
というとんでもない形態です。
さらに個人でも出店する事も出来るようになり、これにより今までEC事業者が悩んで来た部分がほぼ無くなってしまうという衝撃的な発表でした。
これにより報道では詳しく出ていなかったりしますが、
今回のヤフーの発表が衝撃的なのは多くの手数料が無料となるため、最低限の手数料の掛かる決済部分を含めてもYahoo!ショッピング及びヤフオクは実質的に国内のモールやネットカートサービス全体から見ても一番魅力的な状況になるのではないかと考えています。
■実際の発表会の様子は以下の動画より↓
以下の動画(Ustream)よりYahoo!JAPANのeコマース事業について孫正義社長が登場し発表した模様をご覧いただけます↓Video streaming by Ustream
発表とともに拍手があがるという、日本ではあまり見ないような状況に。。。
■EC事業者に魅力的すぎるプラン。
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画像:Yahoo! JAPAN eコマース新戦略発表会(UST Yahoo! JAPAN PRチャンネル)の動画より引用。 |
詳細な契約プランは以下の通りです。
初期費用 無料
月額システム利用料 無料
売上ロイヤルティ 無料
アフィリエイトパートナー報酬原資 1%~71%(1%は必須)
アフィリエイト手数料 アフィリエイトパートナー報酬原資の30%
Tポイント原資負担 1%~15%(1%は必須)
「クレジットカード、モバイル支払い、Suicaの初期費用」
初期費用 無料
基本手数料 無料
個別手数料 クレジットカード・・・決済金額の3.24%
モバイルSuica・・・決済金額の3.6%
モバイル支払い・・・決済金額の4.7%
「コンビニ・ペイジーでの決済費用」
初期費用 無料
基本手数料 無料
個別手数料 コンビニ決済・・・150円/件から
ペイジー決済・・・150円/円
「入金サイクルとオプションの費用」
基本 月1回 末日 翌月末日 –
オプション 月2回 「15日、当月末日」 0.1% 末日 翌月15日
月3回 10日、20日、末日 締め日の5営業日後 0.2%
月6回 5日、10日、15日、20日、25日、末日 締め日の5営業日後 0.4%
※引用元:Yahoo!ショッピングによるプラン説明などのページ。
■Yahoo!ショッピングから外部サイトへの誘導も可能に!
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画像:Yahoo! JAPAN eコマース新戦略発表会(UST Yahoo! JAPAN PRチャンネル)の動画より引用。 |
さらに!
自社サイトや他のモールに出店している場合ににもYahoo!ショッピングからそれらの外部サイトへリンクで誘導する事も可能になります。
これによりモールとしての出品者(EC事業者)側のプロモーション、マーケティング、お客様サービス的なものの自由度がかなり高くなり今まで以上に多くの集客を可能にする事が出来るようになるはずです。
■とんでもないプランを発表したYahoo!ショッピングに他社はどう対抗するのか?
プレスリリースは以下よりよりご覧いただけます↓
◆Yahoo! JAPAN、eコマース事業における新戦略を発表
今のところ分かりませんが、手数料が高いと言われている楽天や自社でも多数の商品を販売しているAmazonがどのように出るのかは今のところ未定です。
ただ、この流れが主流になってしまえば、国内のECモールを運用している企業もこの流れに乗って行くという予測が出来るので、そうなってしまえば今まで手数料的な問題で利益率が少なくなる事で販売を行っていなかったような商品も多くECで取り扱えるようになってしまえると考えられ、
そうなった場合、一般の店舗などで販売している小売事業者は淘汰されてしまう可能性も高くなります。
また、ここで失う額は基本的なビジネスの収益源を失うことにイコールだと思うので、ヤフー自体の収益も減少するのでは?と考えます。
その場合、ヤフーがグループ全体でどのようにEC以外の部分で収益を補って行くのかにも注目が集まります。
個人的にはソフトバンクと孫正義社長の事はそこまで好きではなかった(ごめんなさい)のですが、
実際、ネットビジネス(この言い方はマルチっぽいので好きじゃないけど)では頑張った人間やコンテンツを作った人間より手数料を取る側の方が儲かってしまい、それをビジネスとして成り立たせていた側面があるので今回の発表で「ヤフーは間違っていた。Yahoo!JAPANはさまざまな囲い込みをしようという小さな、いじけた心を持っていたが、そういうものは全部忘れる」という発言や「ECの摩擦係数をゼロ」にし「自由で解き放たれたオープンな環境」という「インターネットが本来あるべき姿」という発言はEC事業側に居る人間として拍手を送りたいと思いました。
ただ、問題点として思うのは、あまりにも自由すぎる方向性を示しすぎた事で、怪しげな業者や個人までもが参入する可能性も高くなるかもしれないという不安感があり、そのような事により利用者(お客さん側)の不利益になるような事にはならないでほしいと願うばかりです。
その為には出店する側がきちんと責任を持ってショップ運営を行えるように気をつけていかなければならない事だとも思います。
というわけで僕自身も本業でのEC部門の方向転換を考えて行きたいと思います。
Yahoo!JAPANが発表した「eコマース革命」が与える衝撃
Reviewed by hossy
on
08 10月
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