キャデラック「V-ONE」発表!ル・マンのV-Series.Rを極限まで身近にする新コンセプトに。

キャデラックV-ONE

キャデラックが新型コンセプトカー「V-ONE」発表!ル・マンのV-Series.Rがベース。

キャデラックが、モータースポーツで培ってきた技術とブランドのラグジュアリーを融合させた新たなコンセプトカー「V-ONE」を発表しました。

その姿を見れば、これまでのキャデラックとは少し違う存在であることがすぐに分かります。低く構えたボディに大きく張り出したフェンダー、巨大なエアロパーツ、そしてキャデラックらしい縦型のライティング。まるでル・マンを走るレーシングカーを、そのまま現代のデザインスタディへ持ち込んだかのようなスタイルです。

実際、V-ONEの開発で大きな役割を果たしたのが、IMSAやFIA世界耐久選手権(WEC)で戦う「V-Series.R」。

キャデラックはV-ONEについて、V-Series.Rに「可能な限り近い」車両を目指したと説明しています。

キャデラックV-ONEとは?

キャデラックV-ONE

V-ONEは、2026年8月14日にキャデラックが発表したコンセプトカーです。

ただし、一般的なコンセプトカーとは少し性格が異なります。

将来発売される市販車をそのまま予告するというより、キャデラックがモータースポーツで培ってきた技術と、V-Seriesに代表される高性能モデルのデザイン思想を一台に凝縮したショーケースという位置づけです。

その中心にあるのが、キャデラックのレーシングカー「V-Series.R」。

V-ONEは、この本格的な耐久レーシングカーからインスピレーションを得ながら、キャデラックらしいデザインやラグジュアリーな要素を加えることで、レーシングカーとはまた違う魅力を持つマシンへ仕上げられています。

ル・マンを走る「V-Series.R」がベース

V-Series.R
V-Series.R Photo by pressroom.cadillac.com

V-ONEを語るうえで欠かせないのが「V-Series.R」です。

V-Series.Rは、キャデラックがIMSA WeatherTech SportsCar ChampionshipとFIA WECの最高峰カテゴリーで使用しているLMDhプロトタイプ。

キャデラック・デザイン、キャデラック・レーシング、そしてダラーラが共同開発したレーシングカーで、キャデラックの市販V-Seriesモデルに通じる縦型ライトなどもデザインに取り入れられています。

つまり、V-Series.Rは単なるレース専用車ではなく、キャデラックのモータースポーツと市販車をつなぐ重要な存在でもあります。

そして、そのレーシングカーのDNAをさらに強調したのがV-ONEです。

キャデラックによれば、V-ONEは「レーシングカーに可能な限り近い」ことを目指して開発されました。

レーシングカーをそのまま持ってきたわけではない

キャデラックV-ONE

V-Series.Rをベースにしているとはいっても、V-ONEは単純にレーシングカーのボディを少し変更しただけの車ではありません。

キャデラックはV-Series.Rが持つ機能的なデザインを受け継ぎながら、V-ONEではより美しいボディラインを追求しました。

レーシングカーでは、空力性能や軽量化、冷却性能などが最優先されます。

一方、V-ONEではそこにキャデラックらしい「美しさ」も加えられています。

その象徴ともいえるのが、ボディの手作業による造形です。

キャデラック・グローバルデザインのエグゼクティブディレクターを務めるDominic Najafi氏によると、ボディの各部分を手作業で仕上げることで、光がどのようにボディへ当たるのか、そして一つひとつの面がどのようにつながって見えるのかまで細かく調整したとのこと。

機能を突き詰めるレーシングカーに、職人の手による造形美を加える。

この組み合わせこそ、V-ONEを単なる「レースカーのデザインスタディ」と違うものにしています。

昼から夜へ変化するようなボディカラー

キャデラックV-ONE

ボディカラーも、V-ONEのコンセプトを象徴しています。

フロント部分は明るいシルバーから始まり、ボディ後方に向かうにつれて深い「カスピアブルー」へと変化するグラデーションカラーを採用。

これは単なるデザイン上のアクセントではありません。

キャデラックは、このカラーリングを耐久レースにおける時間の流れから着想したものと説明しています。

ル・マン24時間レースのような耐久レースでは、スタート時の昼間から夜へ、そして再び朝へと時間が流れていきます。

V-ONEのボディカラーは、そんな一日の変化を一台のボディに閉じ込めたようなデザインになっているわけです。

レーシングカーをモチーフにしながら、単なるレーシングカラーではなく、レースそのものの時間までデザインに取り込んでいるところが面白いですね。

新しいV-Seriesのデザインも先取り
キャデラックV-ONE

V-ONEには、キャデラックの高性能モデルに使われる「V-Series」の新しいロゴも採用されています。

さらに注目したいのがホイールです。

キャデラックによれば、V-ONEのホイールデザインは、今後のV-Series量産モデルに採用されるデザインを予告するものでもあります。

つまりV-ONEは、単にV-Series.RのレーシングDNAを見せるだけのコンセプトではありません。

現在のV-Seriesから、これからのV-Seriesへ。

その橋渡しをするデザインスタディという側面も持っています。

キャデラック「V-Series」の原点

Cadillac CTS-V
Cadillac CTS-V(CTS-Vのプレスイメージより)

そもそもキャデラックの「V-Series」は、2004年に登場した「CTS-V」から始まりました。

当時のCTS-Vは、キャデラックの高性能モデルというだけではなく、サーキットで鍛えられたパフォーマンスを持つモデルとして登場。その後もV-Seriesは進化を続け、現在ではキャデラックを代表する高性能ブランドの一つになっています。

そして現在、そのV-Seriesのモータースポーツにおける頂点に位置するのがV-Series.Rです。

V-ONEは、そのV-Series.Rから再び市販車のデザインへとフィードバックするような存在ともいえるでしょう。

市販V-Series → モータースポーツ → V-Series.R → V-ONE

という流れを見ると、キャデラックがV-Seriesというブランドをどのように育てようとしているのかも見えてきます。

V-ONEは市販化される?

キャデラックV-ONE

ここで気になるのが、V-ONEが実際に販売される可能性です。

しかし、現時点でキャデラックはV-ONEをコンセプトカーとして発表しているだけで、量産化や販売については発表していません

そのため、「将来のキャデラック製スーパーカー」と断定するのはまだ早いでしょう。

ただ、V-ONEが単なる空想のデザインとも言い切れません。

キャデラックはすでに、オーダーメイドに近い形で製造される超高級モデル「CELESTIQ」を展開しており、高性能モデルではV-Seriesを積極的に拡大しています。

さらにモータースポーツではV-Series.Rを使って世界の耐久レースに参戦。

そう考えると、V-ONEはキャデラックが持つラグジュアリー、パフォーマンス、モータースポーツという3つの要素を、一台に集約した存在と見ることができます。

V-ONEが見せるキャデラックの新しい方向性

キャデラックV-ONE

今回のV-ONEで興味深いのは、キャデラックが単に「速い車」を作ろうとしているわけではないことです。

V-Series.Rという本格的なレーシングカーを持ちながら、そこから得られる刺激を、キャデラックらしいラグジュアリーやデザインへと変換している。

手作業で仕上げられたボディ、昼から夜へ移り変わる耐久レースを表現したペイント、そして将来のV-Seriesを予告するホイールデザイン。

どれもレーシングカーの機能だけを追求したものではありません。

むしろ、「レースで培ったものを、どうすればキャデラックらしい魅力として表現できるのか」という答えをV-ONEで示しているようにも見えます。

キャデラックV-ONEは「レーシングカーとラグジュアリーの融合」

キャデラック「V-ONE」は、V-Series.RのレーシングDNAを取り込みながら、キャデラック独自のラグジュアリーとデザイン性を加えたコンセプトカーです。

公道を走る量産スーパーカーとして発表されたわけではありませんが、その存在には今後のV-Seriesを考えるうえで興味深い要素が数多く含まれています。

特に、V-Series.Rのような本格的な耐久レーシングカーからデザインのインスピレーションを得ながら、ボディを手作業で仕上げるというアプローチは、いかにも現在のキャデラックらしいものです。

これまでキャデラックといえば、大型の高級セダンやSUVというイメージが強いブランドでした。

しかしV-Seriesの進化、V-Series.Rによるモータースポーツへの挑戦、そして今回のV-ONEを見ると、そのイメージは少しずつ変わり始めています。

V-ONEがこのまま市販化されるのか、それともここで示されたデザインや技術が将来のV-Seriesモデルへ受け継がれていくのか。

少なくとも今回のコンセプトは、「キャデラックの高性能モデルは、これからどこまでレーシングカーに近づいていくのか」という期待を抱かせる一台になっています。

参考資料

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