世界に一台のフェラーリ「CZ26」発表!
フェラーリから、また一台、とんでもなく個性的なクルマが登場しました!
今回発表されたのは「Ferrari CZ26(フェラーリ CZ26)」。
一見するとこれまでのフェラーリとはかなり違ったスタイリングですが、その中身を見ると、ベースとなっているのは「SF90ストラダーレ」です。
ただし、単純にSF90ストラダーレをドレスアップしたモデルではありません。
フェラーリの「Special Projects(スペシャル・プロジェクト)」によって、ある顧客のためにボディデザインからインテリア、エアロダイナミクスまで専用設計された、世界に1台だけのワンオフモデルです。
2026年のモントレー・カー・ウィークで披露されたCZ26は、SF90ストラダーレの技術をベースにしながら、フェラーリのデザインがこれからどの方向へ進んでいくのかを感じさせる一台になっています。
フェラーリ CZ26とは?
今回発表された「CZ26」は、フェラーリの特別注文プログラムである「Special Projects」によって製作されたワンオフモデルです。
Special Projectsは、フェラーリの通常の市販車とは異なり、特別な顧客の要望に応じて一台だけのフェラーリを製作するプログラムです。
これまでも「SP1」「SP2」「SP3」「SP38」「SP48 Unica」など、通常のカタログには存在しない特別なモデルが誕生してきました。
CZ26もその流れにある一台で、米国の顧客からの依頼を受けて製作されたとされています。フェラーリは顧客の名前や車両価格などを公表していません。
つまり、CZ26は「新型フェラーリ」というより、オーナーのためだけに作られた特別な作品と考えたほうが近いでしょう。
ベースとなったのは「SF90ストラダーレ」
CZ26は完全なゼロから作られたクルマではなく、フェラーリのプラグイン・ハイブリッド・スーパーカー「SF90ストラダーレ」をベースに製作されたワンオフモデルとなっており、SF90ストラダーレのパワートレインをベースとしながら、外観をほぼ別のクルマと言っていいほど大きく変更しています。
つまりCZ26は「SF90ストラダーレの性能を持った、まったく別のデザインのフェラーリ」という非常に贅沢な存在のモデルです。
フェラーリ CZ26のデザインはSF90と大きく異なる
CZ26を見て最初に驚くのは、やはりそのデザインではないでしょうか。
SF90ストラダーレとCZ26を並べてみると、同じクルマをベースにしているとは思えないほど印象が変わっているのが特徴です。
フェラーリによると、CZ26では水平基調のデザインが大きなテーマとなっているとのことで、フロントには車幅いっぱいに広がるようなグリルを配置。その内部にはLEDライトやエアインテークが組み込まれ、SF90ストラダーレとは異なる、非常に低くワイドな表情を作り出しています。
従来のフェラーリに見られる「左右に独立したヘッドライト」という印象をかなり薄めることで、細く横方向へ伸びるライトによって、フロント全体が一つの大きなデザインとしてまとめられています。
シルバーのボディに赤いアクセント
ボディカラーには「Argento Veloce」と呼ばれるシルバー系のカラーが採用され、そこに鮮やかな「Rosso Lampante」の赤いアクセントが組み合わせられています。
ボンネットやフェンダー、ブレーキキャリパーなどに赤を配置することで、シルバーのボディに強いコントラストを生み出しています。
個人的には、このカラーリングもCZ26のデザインをかなり特徴的にしている部分だと思います。
フェラーリといえば「赤」というイメージがありますが、CZ26の場合はボディ全体を赤にするのではなく、あえてシルバーを主体にして赤をポイントとして使っているのが印象的です。
リアも大幅に変更
もちろん、フロントだけではなく、CZ26ではリアのデザインもSF90ストラダーレから大きく変更されています。
リアには非常に細いLEDテールライトを配置し、横方向のラインを強調。さらにリアスポイラーやディフューザーも専用設計され、ボディ全体の水平基調のデザインと調和させています。
中央には特徴的なボックス形状のエキゾーストデザインも採用されており、前から見ても後ろから見ても、SF90ストラダーレとはかなり違ったキャラクターになっています。
デザインだけではなく空力性能も専用設計
ワンオフモデルというと、ついデザインばかりに目が行ってしまいますが、CZ26の場合、ただ単に外観を変更しただけではないようです。
フロントの冷却システムや空気の流れも見直され、フロントアクスルのダウンフォースを改善。さらにアンダーボディやディフューザー、リアスポイラーなども新しいボディ形状に合わせて変更されています。
ここが、単なる「SF90ストラダーレの特注ボディ」とは違うところでしょう。
見た目を変えるだけなら比較的簡単ですが、スーパーカーの場合はボディ形状を変更すれば空力性能や冷却性能にも影響します。そのためCZ26では、デザインとエンジニアリングを一体として開発しています。
インテリアもCZ26専用デザイン
もちろん、専用設計は外装だけではありません。
インテリアにもCZ26専用の素材やデザインが採用されているのが特徴で、シートには独自の素材を使用し、さらに3Dプリントによって製作されたシートインサートを採用。
カーボンファイバーにも金属フィラメントを組み合わせるなど、通常の量産フェラーリでは見られないような素材使いが取り入れられています。
外観だけを作り変えるのではなく、乗り込んだ瞬間から「自分だけのフェラーリ」と感じられるように仕上げられているのも魅力的です。
CZ26のホイールにもこだわり
CZ26に採用されたブラックのホイールには、ショットピーニングによる独特の仕上げが施されています。
ショットピーニングは、表面に細かな粒子を高速で当てることで、金属表面を加工する技術で、内外装や足回りも含め、カタログモデルとは異なり「CZ26」ではこうした細かな部分まで専用仕様とされており、まさに一台のクルマを作品として仕上げていくSpecial Projectsらしい部分と言えます。
CZ26は「新しいフェラーリのデザイン」を示している?
CZ26を見ていて個人的に気になるのが、このデザインが今後のフェラーリにどの程度影響するのかという点です。
もちろん、CZ26はあくまで一人の顧客のために作られたワンオフモデルなので、このデザインがそのまま市販車へ採用されるわけではありませんが、フェラーリのSpecial Projectsには、通常の量産車では試しにくいデザインを実際のクルマとして形にできるという面があります。
今回のCZ26でも、水平基調のフロントデザインや細いライト、ボディと一体化したエアロダイナミクスなど、かなり大胆な表現が採用されています。
そう考えるとCZ26は、単なる一台限りの特注車というだけではなく、フェラーリ・デザイン・スタジオがどこまで自由な表現をできるのかを見ることができる一台とも言えそうです。
「SF90ストラダーレ」と「CZ26」の違い
CZ26とSF90ストラダーレの関係を簡単に整理すると、次のようになります。
| Ferrari SF90 Stradale | Ferrari CZ26 | |
|---|---|---|
| 車両の位置付け | 市販モデル | ワンオフモデル |
| ベース | ― | SF90 Stradale |
| パワートレイン | 4.0L V8+3モーター | SF90ベース |
| 最高出力 | 1,000CV(約986馬力) | SF90ベース |
| ボディ | 市販車用デザイン | 専用デザイン |
| フロント | SF90専用デザイン | 全幅グリル+水平基調 |
| リア | SF90専用デザイン | 専用テールライト・エアロ |
| インテリア | 市販仕様 | 専用素材・3Dプリント |
| 生産台数 | 市販モデル | 1台 |
| オーナー | 一般販売 | 米国の特定顧客 |
CZ26の面白さは、パワートレインの基本部分をSF90ストラダーレから受け継ぎながら、クルマの「見た目」と「個性」を完全に別物へ作り替えているところです。
フェラーリ CZ26の価格は?
気になる価格については、フェラーリから正式な金額は発表されていません。
そもそもCZ26は通常販売されるモデルではなく、特定の顧客のために製作されたワンオフモデルです。
そのため、一般的なフェラーリの車両価格と単純に比較することはできません。
Special Projectsのワンオフモデルは、ベース車両の価格だけでなく、デザイン開発、設計、素材、製造などに莫大なコストがかかるため、通常の市販モデルとは価格の考え方そのものが違います。
今回のCZ26についても、購入価格は明らかにされていませんが、このレベルの特注モデルとなると、金額がいくら掛かるなどを気にするような次元ではないのかもしれないですね。
米国の特定の顧客のオーダーであるとアナウンスされていますが、フェラーリに自分だけの1台を頼めるオーナーさんは一体どのような方なのでしょうか?
なぜフェラーリは「世界に1台」のクルマを作るのか?
CZ26のようなモデルを見ていると、「なぜフェラーリはここまでしてワンオフモデルを作るのか?」という疑問も出てきます。
その答えの一つが、顧客の個性をフェラーリというブランドの中で表現するためでしょう。
普通の市販車なら、同じモデルを世界中のオーナーが所有します。
しかしCZ26には、同じクルマが存在しません。
つまりオーナーにとっては、単なる高性能なスーパーカーではなく、自分のためだけにデザインされたフェラーリになります。
そしてフェラーリ側にとっても、通常の量産車では実現しにくいアイデアを、一台の実車として形にできる。
この双方のメリットがあるからこそ、Special Projectsという特別なプログラムが長く続いているのでしょう。
世界に1台だからこそ成立する「CZ26」という存在
フェラーリCZ26は、SF90ストラダーレをベースにしながら、その姿を大きく変えたワンオフモデルです。
1,000CVのプラグイン・ハイブリッドパワートレインを受け継ぎながら、フロントからリア、エアロダイナミクス、インテリアに至るまで専用設計。
そして何より興味深いのは、フェラーリが一台の顧客専用車に、これだけ自由なデザインを許容していることです。
量産車では「売れるデザイン」「ブランドとしての統一感」「生産性」など、さまざまな条件を考える必要があります。
しかし、世界に1台しか作らないCZ26には、その制約がかなり少ない。
だからこそ、私たちが普段見るフェラーリとは少し違う、思い切ったデザインが生まれたのかもしれません。
CZ26は市販されるフェラーリではありません。それでも、この一台を見ることで、フェラーリが現在どんなデザインを面白いと感じ、どこまで個性的なクルマを作れるのかが少し見えてくるように思います。
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