ゴードン・マレー「S1」発表!「マクラーレン F1」設計者が生み出した新型スーパーカー。
「マクラーレン F1」や「MP4/4」の設計者として知られるゴードン・マレー氏のロードカーブランド「ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ」から、新たな限定スーパーカー「S1」が登場しました。
2026年のモントレー・カー・ウィークで公開されたこのモデルは、2025年に発表された「S1 LM」をベースにしながら、より長距離を楽しめるグランドツアラーとして仕立て直されたモデルです。
それでも、最近のスーパーカーでは珍しくなった自然吸気V12エンジンと6速マニュアルトランスミッションは健在。最高出力は690PS(約680馬力)に達し、世界限定64台という非常に希少なモデルとなっています。
マクラーレンF1を彷彿とさせる内外装を持つスーパーカー。
今回発表されたS1を見て、おそらく多くの方が「マクラーレンF1」を頭に思い浮かべたのではないでしょうか?F1風味を入れるのではなく、設計者が過去に自身が手がけた名車を現代技術でリメイクしたという方が合っていそうな内外装です。
S1にも、中央ドライビングポジションの3シーター、自然吸気V12、軽量なカーボン構造、そしてマニュアルトランスミッションが採用されており、その考え方にはF1との共通点が数多く見られます。
もちろんS1はマクラーレンF1をそのまま現代に蘇らせたクルマではありません。しかし、F1を生み出したゴードン・マレーが、30年以上を経て再び同じような思想を持つスーパーカーを作ったことを考えると、S1はF1へのオマージュであり、その精神を現代の技術で再解釈したモデルと見ることができそうです。
690馬力を発生する自然吸気4.2L V12
S1の心臓部には、4.2L自然吸気コスワースV12エンジンを搭載しています。
最高出力は690PS、最高回転数は12,100rpm。ターボや電動モーターによって大きな出力を引き出す現代のスーパーカーとは違い、エンジンそのものが高回転まで回り続けることを楽しむタイプです。
しかもS1では、ツーリングでの使いやすさも考慮して低回転域からトルクを発生するよう調整されています。最大トルクの80%を2,500rpmから発生し、7,000rpmでは約500Nmを発生するとのこと。
速さだけでなく、日常的な速度域からV12のフィーリングを楽しめることを狙ったエンジンになっています。
690馬力でも、あえて6速MTを採用
そして、このS1でもっとも魅力的なのが6速マニュアルトランスミッションではないでしょうか。
現在のスーパーカーでは、速いシフトチェンジを実現するためにデュアルクラッチ式などの高度なトランスミッションが主流です。
しかしゴードン・マレーは、S1にもドライバー自身がギアを選択するマニュアルを採用しました。
6速目には長距離走行を意識した「ツーリングギア」を設定し、シフトケーブルの取り回しも見直すことで、ライフルボルトのような正確なシフトフィールを追求しています。
これだけ高性能なスーパーカーでありながら、「速さのために操作を自動化する」のではなく、ドライバー自身の操作を残すというところに、ゴードン・マレーらしさを感じます。
S1 LMとは異なる、よりエレガントなデザイン
S1はS1 LMと同じデザイン言語を持っていますが、ボディパネルはすべて新しく設計されています。
大型リアウイングをなくしたことでリア周りはすっきりとし、クラシックなスポーツカーを思わせるプロポーションに変化しました。
一方で、リアには高速走行時やブレーキング時に働くアクティブエアロシステムを組み込んでいます。
S1 LMのように大きなダウンフォースを追求するのではなく、機械的なグリップや車体のバランスを重視することで、公道での扱いやすさを高めています。
極端なエアロパーツを装着して「いかにも速そう」に見せるのではなく、余計なものを削ぎ落として美しいスポーツカーに戻しているからです。
原点回帰というのか、下でもご紹介しますが、内外装のこのスタイルが一番理に適ったスタイルということなのかもしれませんね。
インテリアは3シーター+中央ドライビングポジション
室内にもゴードン・マレーらしい特徴があり、ドライバーは車体中央に座り、その左右に2つの助手席を配置する3シーターの中央ドライビングポジションが採用されています。
これはゴードン・マレーが設計した「マクラーレン F1」や、自身のブランドから発売されている「T.50」にも通じる考え方です。
S1ではさらに、上質なレザーや専用ファブリック、遮音性を高めた内装、軽量オーディオシステムなどを採用し、S1 LMよりも快適性を高めています。
それでも、ドライバーを中心にクルマを設計するという基本的な考え方は変わっていません。
カーボンファイバーを使って軽量化
S1では、ゴードン・マレーが一貫して重視してきた軽量化も徹底されています。
カーボンファイバー製のボディパネルや軽量サスペンションなどを採用し、豪華な内装や快適装備を追加しながらも、車重はT.50より軽くすることを目標としています。
大排気量V12を搭載したスーパーカーというと、どうしても「大パワーで速く走る」という方向を想像しますが、ゴードン・マレーの考え方は少し違います。
エンジンのパワーを増やすだけではなく、クルマそのものを軽くする。
その思想がS1にもはっきりと受け継がれています。
世界64台だけの「S1」
S1の生産台数は、世界でわずか64台。
価格については公表されておらず、これは1台1台が顧客の要望に合わせて仕様変更されるためだと予想されますが、おそらく数億円はするのではないかと思われます。
ちなみに、今回の「S1」の生産台数は64台なのですが、偶然か分かりませんが、マクラーレンF1のロードカー仕様の生産台数も、同じ64台なんですよね。
エクステリアはもちろん、内装やロゴの配置なども含め、F1をわざと意識してデザインしている車なのだと感じます。
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