ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ

ポルシェが「ブガッティ・リマック」の保有していた株式の売却完了を発表。

ポルシェが、「ブガッティ・リマック(Bugatti Rimac)」と「リマック・グループ(Rimac Group)」の保有株式をすべて売却し、両社から完全に撤退しました。

今回の取引は2026年9月9日に完了しており、ポルシェには約10億ユーロの売却収入が入ることになります。これに伴い、ブガッティではマテ・リマック氏を中心とした新たな経営体制がスタートします。

ポルシェがブガッティ・リマックから完全撤退

ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ

ポルシェは2026年9月9日、規制当局の承認を経て、「ブガッティ・リマック」と「リマック・グループ」に保有していた株式の売却を完了したと発表しました。

今回の売却によってポルシェが受け取る金額は約10億ユーロ。さらに、そのうち2億5,000万ユーロを年金債務の追加的な資金拠出に充てるとしています。

ポルシェは現在、事業の中核となるスポーツカー事業などに経営資源を集中させる方針を進めており、今回の株式売却もその一環とされています。

「ブガッティ・リマック」はどういう会社?

ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ
提携発表時に公開された画像にはポルシェ、リマック、ブガッティの3台が並んでいました。

ブガッティ・リマックは、ポルシェとリマック・グループが2021年に設立した合弁会社です。

設立当時の出資比率はリマック・グループが55%、ポルシェが45%。さらにポルシェはリマック・グループ自体にも20.6%を出資していました。

今回の取引では、ポルシェが保有していたブガッティ・リマックとリマック・グループの株式を、HOFキャピタル(HOF Capital)が率いるコンソーシアムへ売却しています。

つまり、「ポルシェがブガッティそのものを売却した」という話ではありません。

ブガッティは今後もブガッティ・リマックの傘下にあり、リマック・グループが引き続き経営に関わっていく形になります。

今回の取引を主導するのは、ニューヨークを拠点とする投資会社HOFキャピタルで、コンソーシアムには、ブルーファイブ・キャピタルをはじめ、アメリカやヨーロッパの機関投資家も参加しています。

取引完了後は、リマック・グループがブガッティ・リマックの経営権を維持しながら、HOFキャピタルやブルーファイブ・キャピタルとの戦略的なパートナーシップを構築していくことになります。

マテ・リマック氏がブガッティの社長に就任

ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ
写真はブガッティ・リマックのCEO、マテ・リマック氏

今回の株主構成の変更と合わせて、ブガッティの経営体制も変更されます。

これまでブガッティ・オートモビルズの社長とブガッティ・リマックの最高執行責任者を務めていたクリストフ・ピオション氏は退任。

その後任として、ブガッティ・リマックのCEOを務めるマテ・リマック氏が、ブガッティ・オートモビルズの社長も兼任することになりました。

さらに、リマック・テクノロジーで最高執行責任者を務めていたマルコ・ブルクラチッチ氏が、ブガッティ・リマックの最高執行責任者に就任する予定です。

現在ブガッティ・オートモビルズのマネージングディレクターを務めるヘンドリック・マリノフスキー氏についても、今後はブランドの最高商務責任者に就任する予定とされています。

ブガッティは「トゥールビヨン」の開発も最終段階へ

ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ
ブガッティの新型ハイパーカー「トゥールビヨン

今回の経営体制変更は、ブガッティにとっても大きな節目となります。

2026年7月には、フランス・モルスハイムに新しい生産施設「ラ・マニュファクチュール」がオープン。そして現在は、新型ハイパーカー「ブガッティ・トゥールビヨン」のテストも最終段階に入っています。

ブガッティによれば、これらはマテ・リマック氏のリーダーシップのもとで掲げられた、今後10年間のブランド戦略の基盤になるものです。

ポルシェ撤退でブガッティとリマックはどうなる?

ポルシェが「ブガッティ・リマック」から完全撤退!約10億ユーロで株式売却、ブガッティは新体制へ

今回の取引によって、ポルシェは2021年から続いてきたブガッティ・リマックとの関係から完全に離れることになりました。

一方で、ブガッティそのものが売却されたわけではなく、ブガッティ・リマックという合弁会社の株主構成が変わったというのが正確なところです。

今後はリマック・グループとマテ・リマック氏を中心とした体制がより明確になり、ブガッティでは「トゥールビヨン」をはじめとする次世代モデルの開発が進められていくことになります。

ポルシェにとってはスポーツカーという本業への集中、そしてブガッティとリマックにとっては新しい成長体制への移行。今回の株式売却は、両社にとってそれぞれの方向性をはっきりさせる大きな転換点になりそうです。

参考資料:

Bugatti Newsroom「Bugatti Rimac completes ownership transition, confirms new leadership team」

Porsche Newsroom「Porsche completes sale of its stakes in Bugatti Rimac and Rimac Group」