オープンカーに最適な天気や季節は?フィアットが「24℃・日照75%・そよ風」が最高と発表。

オープンカーに最適な天気や季節は?
フィアットがオープンカーに最適な天候を気象学者と共同研究し発表!画像:Unsplash/Petko Boiadjiev

オープンカーに最適な天気は?フィアットが研究結果を発表。

オープンカーで走るなら、どんな天気が一番気持ちいいのか?

そんな素朴な疑問を、FIATがかなり本気で調べました。

FIATはレディング大学の気象学研究者、ロブ・トンプソン博士と共同で、オープンカーでのドライブに適した気象条件を数値化する「La Dolce Vita Convertible Driving Index(CDI)」を開発。

英国の気象データ15年分を分析した結果、オープンカーで走るのに最適なのは、気温約24℃、日照率75%、4~12mph(約6~19km/h)の軽い風が吹く条件だという結果になりました。

「暑ければ暑いほどオープンカー日和」というわけではないようです。

オープンカーに最適なのは「24℃」

オープンカーに最適な天気・気温・天候

今回の研究で最も興味深いのが、理想的な気温です。

一般的には、オープンカーなら夏の暑い日に屋根を開けて走るのが最高……と思いがちですが、FIATの分析ではそう単純ではありません。

最も高いスコアを得られるのは、外気温が約24℃のとき。

さらに湿度60%程度、日照率75%、そして約5mph(約8km/h)の軽い風が組み合わさることで、車内で感じる快適温度が約21℃になるとしています。

つまり、真夏の炎天下よりも、少し涼しくなった時期のほうがオープンカーには向いているということです。

「晴れていればいい」わけでもない?

日差しについても、ちょっと意外な結果が出ています。

最適とされたのは日照率75%程度

100%の快晴ではなく、雲が少し流れているくらいの天候が最高とされています。

理由は単純で、日差しが強すぎると今度は暑さや日焼けが気になってしまうから。

FIATのCDIでは、日照率75%の「Cloudy intervals(雲の間から晴れ間が見える状態)」に最高となる30点を設定。逆に完全な曇天では0点となります。

オープンカーにとって理想なのは、「雲ひとつない真夏の青空」ではなく、少し雲があって、ほどよく太陽が顔を出す空なのだそうです。

風は「そよ風」くらいがちょうどいい

オープンカーに最適な天気・気温・天候

風も重要な要素です。

屋根を開けて走る以上、風がまったくないほうがいいようにも思えますが、CDIでは完全な無風よりも軽い風に高いスコアを与えています。

最も高い10点が設定されているのは、風速約5mph(約8km/h)の「light breeze」。

約10mph(約16km/h)の「gentle breeze」でも9点を獲得します。

一方、風速22mph(約35km/h)の「fresh breeze」になるとスコアはマイナス2点。さらに強い風になるほど評価は大きく下がっていきます。

要するに、髪が少しなびくくらいなら最高。でも風が強くなってくると一気にオープンカー日和ではなくなるということです。

雨が降ればCDIは問答無用で「0点」

オープンカー 雨

そして、当然といえば当然ですが、雨にはかなり厳しい判定が下されます。

雨が予想される場合、CDIは自動的に0点

雨が降らないことを前提として、気温、風、日照の3項目からスコアを算出する仕組みです。

CDIの評価は以下のように設定されています。

(ちなみに「Superb」は素晴らしいという意味です)

CDIスコア評価
0Wet Day
1~20Poor
21~50Fair
51~70Good
71~85Great
86~100Superb

せっかく「24℃、日照75%、そよ風」という完璧な条件が揃っていても、雨が降れば一発で終了。

オープンカーにとって雨が最大の敵なのは、科学的に考えても変わらないようです。

英国では年間88日が「オープンカー日和」

では、英国で実際にどのくらいオープンカーに適した日があるのでしょうか。

FIATが2011~2025年の15年間にわたる英国の気象観測データを分析したところ、年間約88日が「Good」以上のコンディションに該当しました。

その内訳は、

  • Good:34日
  • Great:22日
  • Superb:32日

となっています。

つまり英国では、年間のおよそ4分の1が、それなりに気持ちよく屋根を開けて走れる日という計算です。

英国といえば雨が多いイメージがありますが、思ったよりオープンカーを楽しめる日があるのかもしれません。

実は「夏の終わりから秋」が狙い目

オープンカーに最適な天気・気温・天候 夏から秋

さらに面白いのが、季節による違いです。

オープンカーといえば真夏を想像しますが、今回の分析では夏の終わりから初秋にかけても非常に良好な条件が多いことが分かりました。

特に9月は、年間を通して見ても比較的オープンカーに適した時期。

英国では9月に平均して約12日が「Good」以上となり、そのうち4日は「Superb」に分類されるとしています。

さらに、10月前半にも「Superb」に該当する日が時折存在するとのこと。

真夏の暑さが落ち着き、日中はまだ暖かい。そんな時期こそ、屋根を開けて走るにはちょうどいいようです。

地域によっても大きな差がある

もちろん、英国ならどこでも同じというわけではありません。

地域差もかなり大きく、分析ではイングランド南東部に位置するヒースローが年間平均11.2日の「Superb」を記録。

一方、スコットランド西部のヘブリディーズ諸島にあるタイリーでは、平均して5年に1日程度しか「Superb」に該当しないという結果になりました。

同じ英国でも、オープンカーを楽しめる確率にはかなりの差があるようです。

FIATが「オープンカーのための天気」を研究した理由

オープンカーに最適な天気・気温・天候
画像:Fiat 500 Cabrioのプレスイメージより

今回の研究には、もちろんFIAT自身の狙いもあります。

英国では、主要自動車ブランドの半数以上がコンバーチブルモデルをラインナップしなくなっているとFIATは説明しています。

そんな中でFIATが販売しているのが「Fiat 500 Cabrio」です。

つまり今回の研究は、単に「オープンカーにはどんな天気がいいのか?」という疑問に答えただけではなく、FIATが現在もオープンエアモータリングを支持していることをアピールする企画でもあります。

「気温が高いほど最高」ではなかったのが面白い

オープンカーに最適な天気・気温・天候

今回の研究で個人的に面白いのは、オープンカーに最適なのは必ずしも暑い日ではないという点です。

屋根を開ければ、当然ながら外気の影響を強く受けます。

気温30℃を超えるような日に直射日光を浴びながら走れば、最初は気持ちよくても、しばらくすると「やっぱり屋根閉めようかな」となってしまうかもしれません。

一方で24℃前後なら、風を感じながらも暑すぎない。

そこに少し雲があり、弱い風が吹いている。

FIATが導き出した「最高のオープンカー日和」は、意外と現実的な条件でした。

オープンカーに乗るなら、秋も悪くない

オープンカーに最適な天気・気温・天候
画像:Unsplash/Petko Boiadjiev

今回の「La Dolce Vita Convertible Driving Index」は、オープンカーを楽しむための条件を、気温だけではなく体感温度・日照・風・雨という複数の要素から評価しています。

その結果として見えてきたのは、真夏だけがオープンカーの季節ではないということ。

むしろ暑さが少し落ち着く晩夏から初秋にかけて、快適に屋根を開けて走れる日が増えてきます。

もしオープンカーを所有しているなら、次に天気予報を見るときは単純な「晴れ・雨」だけではなく、気温24℃前後、日照75%、弱い風という条件を意識してみるのも面白そうです。

FIATの研究によれば、それが「屋根を開けて走るのに最高の一日」なのですから。

と、ここまでだと英国での天候の話で終わってしまいそうなので、せっかくなのでここからは日本ではどうなのか?についても少しご紹介していきたいと思います。

日本でオープンカーに最適な季節はいつ?

オープンカーに最適な天気・気温・天候

では、今回のFIATの研究結果を日本に当てはめるとどうでしょうか。

もちろん、日本と英国では気候が大きく異なるため、「24℃・日照75%・弱い風」という英国で導き出された条件を、そのまま日本の基準にすることはできません。

日本では6月から7月にかけて梅雨の影響を受けやすく、雨の日が増えます。梅雨が明けると晴天が増える一方、東日本や西日本では30℃を超える日も多くなり、湿度も高くなります。さらに夏から秋にかけては台風の影響を受けることもあります。

そのため、日本でオープンカーを楽しむなら、真夏よりも春や秋のほうが快適な日を見つけやすいと考えられます。

特に春の4~5月や、暑さが落ち着いてくる10~11月は、気温が極端に高くなく、屋根を開けて走るには比較的気持ちのいい季節です。

ただし、秋については少し注意が必要です。

9月頃は秋雨前線や台風の影響を受けやすく、関東甲信地方でも9月は降水などの影響で晴天の日が少なくなる傾向があります。

つまり日本の場合、「秋ならいつでもオープンカー日和」というわけではありません。

日本なら「春と晩秋」が狙い目?

日本で屋根を開けて走る日を選ぶなら、個人的には4~5月と10~11月あたりが狙い目でしょう。

もちろん地域によって大きく異なります。

北海道なら夏でも比較的過ごしやすい一方、沖縄では暖かい時期が長く、冬でもオープンカーを楽しめる日があります。瀬戸内地方のように年間を通して比較的温暖で雨が少ない地域もあります。

逆に梅雨の時期や、真夏の猛暑日、台風が接近している日は、たとえ晴れていても「最高のオープンカー日和」とは言いにくいでしょう。

FIATが英国で導き出した「24℃・ほどよい日差し・弱い風」という条件を参考にするなら、日本でも「暑すぎず、雨がなく、風が強すぎない日」を選ぶのが基本になりそうです。

オープンカーは、ただ晴れていればいいわけではありません。

気温が高すぎても暑い。風が強すぎても落ち着かない。日差しが強すぎても快適とは限らない。

結局のところ、屋根を開けて走るのに最高なのは、「ちょっと気持ちいい」と感じるくらいの天気なのかもしれません。

参考資料: FIAT / Stellantis Media「FIAT scientific formula reveals the perfect weather for roof-down driving in Britain」

  • 気象庁「日本の天候の特徴と見通し」 
  • 気象庁「年・季節・各月の天候」 
  • 気象庁「季節予報:予報期間の平年値」 
  • 気象庁「過去の梅雨入りと梅雨明け」 
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