ヨットの世界観をメルセデスAMG G63に落とし込んだ究極カスタム「Carlex Yachting Vintage」
メルセデス・ベンツ「Gクラス」といえば、軍用車をルーツに持つ無骨なスタイルと、長年ほとんど変わらないスクエアなボディが魅力のSUVです。
そんなGクラスを、ポーランドのCarlex Designがまったく異なる方向へ仕上げたモデルが「Yachting Vintage」です。
名前からも分かるようにデザインのテーマは「ヨット」。
ただヨットのような色に塗って、ヨットを意識しました!というような半端なものではなく、ボディの質感からインテリア、さらには荷室のディテールに至るまで、可能な限りクルマの中へヨットの世界を持ち込んでいるのが特徴です!
Gクラスなのに「海」を感じるデザイン
Yachting Vintageを見てまず目に入るのが、シルバーとサテンブラックによるツートーンのボディです。
ボディ下部にはCarlex独自のハンドブラッシュ仕上げを施したシルバー系の塗装を採用。職人が手作業で仕上げているため、光の当たり方によって表情が変化し、暖かい光の下ではわずかにゴールドのような色味も見せます。
一方、ボディ上部はサテンブラックとなっていて、シルバーの華やかさをブラックで引き締めることで、派手さを前面に出すのではなく、クラシックな高級ヨットを思わせる落ち着いた雰囲気に仕上げています。
一般的なGクラスのカスタムというと、大型エアロパーツや巨大なホイールなど、とにかく「迫力」を強調する方向へ行きがちです。
ところがYachting Vintageは、むしろ逆で、Gクラスが本来持っている四角いシルエットを活かしながら、素材と質感によって最大限に高級感を引き出しています。
インテリアは「高級ヨットのデッキ」をイメージ
エクステリアだけでもかなり特徴的な仕上がりですが、さらにこだわりが詰まっているのはインテリアです。
インテリアにはナッパレザーやアルカンターラ、ウォールナットウッドなどを組み合わせていて、革の柔らかさ、アルカンターラの落ち着いた質感、そして木材の温かみ。現代的なGクラスのインテリアに、クラシックなヨットのキャビンを思わせる素材を組み合わせています。
さらに、天井やフロアには「コンパスローズ」と呼ばれる方位図をモチーフにしたデザインを配置。
単なる装飾としてコンパスを描くのではなく、ヨットや航海というテーマを室内の細部まで一貫して取り入れているのがポイントです!
そして荷室には、なんとヨットで使用される係船用のクリートまで取り付けられています。
ここまで来ると「ヨット風のGクラス」というより、ヨットのデザイン哲学をそのままGクラスに移植した、と表現したほうが近いかもしれません。
「見た目だけのカスタム」ではないところがスゴい
Yachting Vintageの魅力は、パーツを大量に追加して派手に見せるタイプのカスタムではないことです。
Carlexがこだわっているのは、素材そのものと、それをどう仕上げるかという部分。
ボディのハンドブラッシュ仕上げをはじめ、インテリアのレザーやウッド、金属パーツなど、一つひとつの質感を組み合わせて全体の雰囲気を作り上げています。
Carlexは自社を単なるチューニングショップではなく、職人による自動車デザインを手掛ける「メゾン」と位置付けています。現在のCarlexのラインアップを見ても、Gクラスをベースにしたワンオフモデルや少数限定モデルを数多く展開しており、量産車とは違う「コレクターズカー」としての価値を追求しています。
今回のYachting Vintageもその考え方に沿った一台です。
世界7台だけという希少性
Yachting Vintageは世界でわずか7台のみという限定モデルで、それぞれの車両には個別のシリアルナンバーが与えられ、オーナーには真正性を証明する証明書も用意されます。
さらにCarlexの内部レジストリにも登録され、シリアルナンバーを通じて、その車両がどのように製作されたのかを記録した専用アーカイブにもアクセスできる仕組みになっています。
ここまで来ると、もはや「G63をカスタムした車」という言葉だけでは少し物足りません。
ベースとなっているのは確かにメルセデスAMG「G63」ですが、Carlexが目指しているのは、オーナーが長く所有し、その存在そのものを楽しめるコレクターズアイテムです。
「速さ」ではなく「過ごす時間」を楽しむGクラス
G63といえば、強烈なパワーを持つハイパフォーマンスSUVです。
しかしYachting Vintageでは、そうした性能を前面に押し出しておらず、むしろ強く感じられるのは、「どこへ行くか」よりも「そこでどんな時間を過ごすか」という考え方です。
ヨットも、単純に目的地へ速く移動するためだけの乗り物ではありません。
海の上で過ごす時間、木材や革に触れたときの感触、光によって変化する素材の表情。Yachting Vintageは、そうしたヨットの世界観を道路上へ持ち込んだクルマです。
Gクラスの無骨さを完全に消してしまうのではなく、その強い個性を残したまま、まったく異なる「ラグジュアリー」を与えているところが、このクルマの面白いところでしょう。
世界に7台しか存在しないという希少性も含め、Carlex「Yachting Vintage」は、単なる高級SUVではなく、クルマとヨットという二つのラグジュアリー文化を融合させたコレクターズカーとして仕上げられています。
Gクラスをここまで「海の世界」に寄せてしまう発想は、なかなか普通のカスタムメーカーからは出てきません。
Carlex Designとは?
ちなみに、Carlex Designは、ポーランドを拠点に世界各国の高級車やスーパーカーを手掛けるカスタムメーカーです。
以前から当サイトでもカスタムモデルの紹介記事を掲載していましたが、最近ではスーパーカーなどは手掛けず、特にメルセデス・ベンツ「Gクラス」をベースにしたカスタムで知られているようで、ボディカラーやエアロパーツだけでなく、レザーやアルカンターラ、カーボン、ウッドなどの素材を組み合わせ、インテリアまで含めて一台をトータルで仕上げています。
一般的なチューニングカーのように性能や迫力を追求するだけではなく、ヨットや航空機、クラシックカーなど、さまざまなテーマからインスピレーションを得て独自の世界観を作り出しているのもCarlex Designの特徴です。
さらに、少数限定モデルやワンオフモデルでは、一台ごとに異なる素材やデザインを採用するなど、量産車にはない特別感を追求。もはや「カスタムショップ」というより、自動車を素材にした作品を生み出すラグジュアリーブランドに近い存在といえるでしょう。
参考資料:Carlex Design「Carlex Yachting Vintage. From deck to road.」
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