これなら世紀末でも生き延びられそう?本格的な装甲車「IN KAS Riot Control Vehicle」
もし映画のようなゾンビ・アポカリプスが本当に起きたら、どんなクルマに乗れば生き残れるのか。
そんな想像をしたとき、普通のSUVやオフロード車では少し心細いかもしれません。そこで候補に入ってきそうなのが、IN KASの「Armored Riot Control Vehicle」です。
もちろん、このクルマはゾンビと戦うために作られたわけではありません。
本来の目的は、暴動や大規模な騒乱などが発生した際に、治安維持活動を支援すること。そのために全周装甲や放水装置、監視システムなどを組み合わせた、かなり特殊な車両として開発されています。
ところが、その装備を改めて見てみると、どうしても「文明が荒廃した終末世界に残っていそうなクルマ」というイメージが浮かんできます。
10,000Lの水タンクを搭載
Riot Control Vehicleは、Freightliner M2106 RVCのシャシーをベースにIN KASが仕上げた特殊車両です。
最大の特徴のひとつが、10,000Lもの水を積載できるステンレス製タンク。
さらに500ガロン/分、最大250psiの高圧ポンプを搭載し、放水装置を組み合わせています。車両の周囲には消火用ノズルも備えられており、単純な装甲トラックではなく、放水や消火まで行える特殊車両として設計されています。
10,000Lという数字だけでもかなりのものですが、それを装甲された巨大な車体に積んで走るというのが、この車両の面白いところです。
ゾンビ映画なら、これ一台でかなり頼もしい存在になりそうです。
全長約7.9mの巨大ボディ
車体サイズもかなり大きく、今回販売された車両についてSupercar Blondieが紹介したスペックでは、全長約7.9m、全幅約2.7m、全高約2.5mとされています。
日本でよく見かける大型SUVと比べても、明らかに別ジャンルの大きさですが、狭い路地や一般的な公道などを走ることはあまり前提とされていない感じもしますね。
しかも、この巨大なボディの中には10,000Lの水タンクだけでなく、装甲されたキャビンや各種特殊装備まで収められています。
外から見ても迫力がありますが、実際には「大きなトラックに装甲を付けただけ」という単純なものではありません。
内装(運転席、助手席)については、正直もっと世紀末感があるのかと思いましたが、写真で見る限りは外装の見た目に反して意外とシンプルでした。
325馬力よりも強烈な1,355Nm
パワーユニットには6.7Lの6気筒Cumminsターボディーゼルを搭載。
最高出力は325馬力、最大トルクは1,000lb-ft、約1,355Nmに達します。10速ATを組み合わせ、6輪のうち4輪を駆動する仕様です。
325馬力だけを見ると、現代の高性能SUVにはこれ以上の数字を持つモデルもあります。
しかし、この車両で注目したいのは最大トルクです。
10,000Lの水や装甲、特殊装備を搭載した巨大な車体を動かすことを考えれば、1,355Nmという強烈なトルクはかなり理にかなったスペック。最高速を競うための車ではなく、とにかく重い車体を力強く動かすためのエンジンです。
IN KASも、この大きなトルクによって停止した車両などの障害物を押しのけられることを特徴として挙げています。
前方には巨大なラムバンパー
その「押しのける」という役割を担うのが、車両前部に備えられたラムバンパーです。
しかも高さを調整できる仕様になっており、進路上の障害物に対応できるよう設計されています。
一般的な乗用車なら、障害物を見つけたら当然ブレーキを踏みます。
ところが、このクルマはそもそも「障害物があるから進めない」という状況を想定していない。映画で見る"あれ"を実際にやってのけるように設計された本物です。
このあたりにも、普通の自動車とはまったく違う設計思想が表れていますね。
全周装甲で乗員を保護
もちろん、この車両で最も重要なのが防護性能です。
IN KASによれば、乗員区画は全周を装甲化され、床やルーフ、ドア、ピラーなども保護されています。
防弾ガラスには多層構造を採用し、燃料タンクも装甲で覆われているほか、BR7レベルの弾道防護性能を備え、銃撃や爆発による脅威から乗員を守ることを想定した設計となっています。
映画に出てくる「終末世界仕様」の車両を想像すると分かりやすいですが、外からの攻撃を防ぎながら車内の乗員を守るという目的に合わせ、車体そのものが特殊な構造になっています。
タイヤが損傷しても走行を継続
装甲車らしい装備は、ボディだけではありません。
Riot Control Vehicleにはランフラットシステムも採用されています。
IN KASによれば、ホイール内部にソリッドポリカーボネート製のインサートを組み込むことで、タイヤがパンクした場合でも走行を継続できるようにしています。
一般的なクルマなら、タイヤがダメになればスペアタイヤやロードサービスの出番です。
このクルマの場合は、そもそも「危険な状況だから走れなくなる」という事態をできるだけ避ける方向に作られています。
監視カメラや放水装置も装備
さらに、車内から周囲を確認するための監視システムも備えています。
公式仕様では、モニターは320度の回転と135度の上下方向の可動範囲を持ち、オプションでは360度の視野を確保する外部カメラも用意されています。
つまり、分厚い装甲で車内を守りながら、カメラやモニターによって外部の状況を確認する仕組みです。
放水、消火、監視、装甲、ランフラット、障害物への対応。
ひとつの車両に、普通のトラックならまず必要のない装備がこれでもかと詰め込まれています。
そして価格は中古で約4億5800万円!?
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| 画像:JamesEdition「INKAS ARMORED RIOT CONTROL VEHICLE」の紹介ページより |
これだけ特殊な車両になると、気になるのはやはり価格です。
JamesEditionに掲載されていたのは、2013年式のIN KAS Armored Riot Control Vehicle。
価格は290万ドルで、走行距離は1,200マイル(約1,931km)、米国で販売されている中古車として掲載されていました。
1ドル150円で単純計算しても約4億5800万円になるため、現在の為替レートによって日本円換算額は大きく変わりますが、いずれにしても一般的な高級車とは桁が違います。
フェラーリやランボルギーニが買えるどころか、豪邸を建ててそれを何台も並べられそうな価格です。
ゾンビ映画や荒廃した世界の中で生き抜いている場面でよく目にするような車ですが、実際はこんなに高額なんですね。
本当に「世紀末」に強そうな一台
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| こういう装備の部分を見るとやはり普通ではない感じがしますね。 |
ここまで見てくると、このRiot Control Vehicleが「ゾンビ・アポカリプスに強そうなクルマ」として扱われるのも少し分かる気がします。
全周装甲にランフラット、巨大なディーゼルエンジン、1,355Nmのトルク、10,000Lの水タンク、放水装置、消火システム、監視カメラ、そして巨大なラムバンパー。
映画の設定だけなら盛りすぎに見える装備ですが、実際に存在する車両です。
もちろん、ゾンビが発生する予定はありませんし、一般の人がこんなクルマを日常の足として使う理由もありません。
それでも、普段見るフェラーリやランボルギーニとはまったく違う方向に「究極のクルマ」を突き詰めていくと、こういう車両に行き着くのが面白いですね。
速さや豪華さではなく、「何が起きても前へ進めること」を徹底的に追求した結果、全長約8m、10,000Lの水を積んだ巨大な装甲車になってしまった。
もし本当に映画のような世紀末がやって来たら、ガレージにあるスーパーカーよりも、こういう一台のほうが頼りになるのかもしれません。
ちなみにですが、当然のことながら、この車両は民間での使用や販売は禁止されているとのことで、資格を有する法執行機関、商業団体、または公的機関のみが購入できるとアナウンスされています。
参考資料/画像引用
IN KAS「Armored Riot Control Vehicle」
https://inkasarmored.com/armored-riot-control-vehicle/
JamesEdition「INKAS ARMORED RIOT CONTROL VEHICLE」
https://www.jamesedition.com/cars/inkas/armored-riot-control-vehicle/inkas-armored-riot-control-vehicle-for-sale-12987900








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