ホンダ「NSX」が現代に転生!ピニンファリーナがデザインした「JAS Tensei」現代技術で再構築された姿に。
ホンダの名車「NSX」が、イタリアのデザインとモータースポーツの技術によって新たな姿へと生まれ変わりました!
JAS モータースポーツとピニンファリーナによる共同開発で、1990年代の初代ホンダNSXをベースに、ボディやインテリア、メカニズムを大幅に作り直した高性能スポーツカー「JAS Tensei(テンセイ)」が発表されました。
車名の「Tensei」は、日本語の「転生」に由来するもの。NSXのデザインや走りの思想を受け継ぎながら、現代の技術で再構築するというプロジェクトの方向性を表しています。
しかも、パワートレインは電動化でもターボ化でもなく、自然吸気V6エンジンと6速MTの組み合わせで、近年は高性能車の電動化やハイブリッド化が進んでいますが、Tenseiはドライバーがクルマを操る感覚を重視した、かなり硬派なモデルに仕上げられています。
初代NSXをベースに生まれ変わった「Tensei」
Tenseiを手掛けるJAS モータースポーツは、30年以上にわたって国際的なモータースポーツに携わってきたイタリアの企業です。ホンダのレーシング活動とも関係が深く、競技車両の開発や製作で培った技術を持っています。
Tenseiのベースとなる初代NSXは、アルミニウム製モノコックボディやミッドシップレイアウトなどを採用し、高い運動性能だけでなく、日常でも扱いやすいスーパーカーを目指した点も特徴で、フェラーリなどの欧州製スポーツカーに対抗する日本の高性能モデルとして登場しました。
Tenseiは、その初代NSXが持っていたバランスやドライバーとの一体感を現代の技術で再解釈したモデルで、単に古いNSXをきれいに修復するのではなく、車両の基本構造を生かしながら、より高性能なスポーツカーへと進化させています。
ピニンファリーナが手掛けたカーボンボディ
Tenseiの外観を担当したのは、フェラーリをはじめ数々の名車を手掛けてきた、あの「ピニンファリーナ」です!
初代NSXの面影を残しながらも、ボディは大幅に再設計されています。ホイールベースを延長する一方でリアオーバーハングを短縮し、トレッドを拡大。さらに、大径ホイールと低い車高を組み合わせることで、オリジナルよりもワイドで力強いスタンスを実現しています。
デザイン上のポイントは、初代NSXらしさを感じさせるディテールを残していること。
リトラクタブル式ヘッドライトや長方形のサイドエアインテークを受け継ぎながら、現代的なボディラインと組み合わせています。リアでは、テールライトのデザインに溶け込むリアウイングや、独特なライトシグネチャーが存在感を高めています。
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| リトラクタブル式ヘッドライトを現代的なスタイルで再現しているのも特徴です。 |
特にリアフェンダーは大きく張り出し、車体の幅広さを強調した造形です。ピニンファリーナによれば、こうした三角形を思わせる大胆な面構成も、同社のデザインに見られる特徴のひとつとのこと。
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| これまで数々の名車に付けられてきたDESIGN BY Pininfarinaのロゴも付いています! |
ボディパネルにはカーボンファイバーを採用し、初代NSXのイメージを残しながら、現代のスーパーカーにふさわしい存在感へと再構築しています。単に昔のデザインを再現するのではなく、車体の比率そのものを見直している点が、Tenseiの大きな特徴です。
自然吸気3.5L V6エンジンは420馬力
Tenseiに搭載されるパワートレインは、初代NSXのエンジンアーキテクチャをベースに開発された自然吸気3.5L V型6気筒エンジン。エンジンの開発を担当するのは、モータースポーツ用エンジンの分野で知られるJudd Powerで、初代NSXのV6エンジンをベースに、内部部品の軽量化や各部の再設計を行い、現代の技術を取り入れながら性能を引き上げています。
その最高出力は420bhp、最大トルクは350Nm。回転数の上限は8,500rpmに設定されています。
高回転まで気持ちよく回る自然吸気エンジンという、初代NSXの魅力を思わせる仕様で、過給機によって低回転から大きなトルクを発生させる方向ではなく、アクセル操作に対する反応や、回転数を上げていく感覚を重視しています。
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| Tenseiに搭載されるパワートレインは、自然吸気3.5L V型6気筒エンジン。 |
吸気系には6連スロットルを採用し、エンジン制御もアップデート。冷却システムや排気系にも手が加えられ、エンジンはJudd Powerによるベンチテストを経て仕上げられます。
また、トランスミッションは6速MTを採用。軽量フライホイールや強化されたクラッチ、専用セッティングのリミテッドスリップデフなども組み合わせています。
現在の高性能車では、デュアルクラッチトランスミッションやハイブリッドシステムによって加速性能を追求する例も増えていますが、Tenseiは自分でギアを選び、エンジンを回して走る楽しさを前面に出したモデルです。
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| トランスミッションは6速MTを採用 |
もちろん、最高出力だけを比べれば、さらに強力なスーパーカーはいくらでも存在しますが、それでも、自然吸気エンジンとマニュアルトランスミッションの組み合わせを現代の技術で作り込んでいるということは、Tenseiの大きな個性といえそうですね。
最近はクルマの性能を数字で比較する場面も多いですが、こうしたモデルでは、最高出力だけでなく、エンジンを回してギアを選ぶ過程そのものが楽しみになります。速く走るためのクルマでありながらも、速さだけが目的ではない。そんなスポーツカーらしい魅力を狙っているようです。
足回りやブレーキも大幅にアップデート
エンジンだけでなく、足回りやブレーキにも手が加えられています。
サスペンションにはKW製の車高調整式システムを採用し、減衰力を調整できるDDC(Dynamic Damping Control)にも対応。さらに、車高の低いスポーツカーでは気になる段差への対策として、フロントアクスルを持ち上げるリフトシステムも用意されています。
ブレーキはフロントに6ピストン、リアに4ピストンのキャリパーを採用。オプションとしてカーボンセラミックブレーキも設定されます。
ホイールはフロント19インチ、リア20インチの鍛造アルミホイールが標準。オプションでは鍛造マグネシウムホイールも選択が可能となっており、タイヤサイズはフロントが245/35 R19、リアが285/30 R20。初代NSXの基本的なレイアウトを受け継ぎながら、現代の高性能スポーツカーに合わせて足回りを強化しています。
そして、車高の低いスポーツカーに乗る人であれば、やはり気になるのが、駐車場の入口や段差です。
フロントにリフトシステムが用意されているあたり、サーキットでの走りだけでなく、実際に街中で乗ることも考えられているようで、せっかくの高性能車も、行きたい場所の入口の段差で立ち往生しないように、きちんとその辺りも配慮されています。
インテリアもピニンファリーナがデザイン
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| 最新技術を入れても、それに埋め尽くされない情報が整理されたコックピット |
Tenseiはエクステリアデザインだけでなく、インテリアのデザインもピニンファリーナが手掛けています。
基本となるのは、初代NSXが重視していたドライバー中心のコックピットで、運転に必要な情報や操作系を整理し、過剰な装飾や不要な機能を増やさず、走りに集中できる空間を目指しています。
室内はブラックとレッドを基調とし、スポーツシートや金属製のディテール、高品質な素材を組み合わせています。オリジナルのNSXを思わせる雰囲気を残しながら、現代的な仕上げを取り入れたデザインです。
また、インテリアの設定に関してはオーナーの好みに応じて数百通りのカスタマイズが可能とされていて、カラーや素材、仕上げを選ぶことで、自分だけの一台に仕立てられる点も特徴です。
大型ディスプレイや複雑なデジタル演出を前面に出すのではなく、操作の分かりやすさや素材の質感を重視しているのも今回のモデルらしい部分で、高級感を加えながらも、運転する楽しさを邪魔しないインテリアに仕上げられています。
最近のクルマでは画面の大型化やデジタル機能の充実が目立ちますが、Tenseiはドライバーが操作する部分を大切にしている印象です。
世界35台限定の特別なNSX
Tenseiの生産台数は、世界でわずか35台と、かなり希少なモデルとなっています。
車両はJAS モータースポーツの拠点で製作され、仕様の相談から各部の仕上げまで、オーナーの好みに合わせて一台ずつ作り込まれます。ボディカラーやインテリアの素材なども選べるため、35台それぞれがオーナーの好みを反映した仕様になると考えられます。
ちなみに、特別なビスポークカスタマイズについては、JASモータースポーツのアトリエだけでなく、ピニンファリーナがカンビアーノ(トリノ)のアトリエからも協力するとのこと。
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| 限定生産数は35台のみ。各車両が顧客の要望に合わせたオーダーメイド仕様となります。 |
現時点で販売価格は公表されていませんが、カーボンボディに専用エンジン、足回りのアップデートまで盛り込まれていることを考えると、一般的なNSXのレストアとは別次元のプロジェクトです。最近注目されている「レストモッド」と呼ばれるジャンルの中でも、かなり本格的な一台といえそうです。
古いNSXを修理して、きれいな状態に戻すだけなら、ここまで大掛かりな話にはなりません。Tenseiの場合は、初代NSXをベースに、デザイナーやエンジニアが現代の技術で徹底的に作り直しているため、もはや「NSXを直す」というより「NSXを素材にして新しいスーパーカーを作る」と表現したほうが近いかもしれません。
NSXの「転生」は成功するのか?
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| 初代NSXを彷彿とさせるレッド/ブラックのカラーリングはこのようなイメージ。 |
JAS Tenseiは、初代ホンダNSXのデザインや走りの思想を受け継ぎながら、現代の技術で再構築した特別なスポーツカーです。
ピニンファリーナによるカーボンボディ、Judd Powerが手掛ける自然吸気V6エンジン、6速MT、アップデートされた足回りなど、各部に手が加えられています。
その中でも特に興味深いのは、ハイパーカーのように出力を大きくしたり、最新の電子装備を追加したりするだけでなく、あえて自然吸気エンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせ、ドライバーが自分でクルマを操る感覚を重視していることです。
電動化や高出力化が進む現在のスーパーカー市場では、こうした構成はむしろ希少になりつつありますが、そんな時代の中でTenseiは、初代NSXが評価されたバランスの良さや運転のしやすさを、現代の高性能モデルとして再び追求しようとしているように見えます。
世界35台という限定生産であり、価格もまだ明らかになっていないため(一部海外メディアなどの報道では88万ユーロ、日本円にして約1億5000万円以上とも)、誰もが気軽に手にできるモデルではありませんが、それでも、日本のスポーツカー史を代表するNSXが、イタリアのデザインとモータースポーツの技術によって新たな形へ生まれ変わるというのは、クルマ好きにとって気になるニュースではないでしょうか?
初代NSXの面影を残しながら、自然吸気V6と6速MTを現代に持ち込んだTensei。名前のとおり、伝説の再生を目指す一台になりそうです。
参考資料
Pininfarina「JAS Tensei designed by Pininfarina: the rebirth of a legend」
https://pininfarina.it/en/media-hub/jas-tensei-designed-by-pininfarina-the-rebirth-of-a-legend
JAS Motorsport「The first JAS Supercar: Tensei - rebirth of an icon」
https://jasmotorsport.com/news/the-first-jas-supercar-tensei-rebirth-of-an-icon
JAS Tensei 公式サイト
https://jas-tensei.it/



















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