ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
ポルシェが2035年に向けた経営戦略を発表。Photo by Unsplash/Kaleb Brown

ポルシェが911の上に新たなスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!

ポルシェが、2035年に向けた新たな経営戦略「Sportwagenschmiede '35(スポーツワーゲンシュミーデ35)」を発表しました。

今回の発表では、2028年に登場する電動「718 Boxster」「718 Cayman」や新型SUVなど、今後のポルシェを占う重要な計画が明らかにされています。

その中でもスポーツカー好きとして特に気になるのが、911より上に位置する新たなミッドシップ・スーパースポーツカーです。

まだ市販モデルとして正式発表されたわけではありませんが、ポルシェは将来的なミッドシップ・スーパースポーツカー用プラットフォームの開発を明らかにしています。

ポルシェが「最もスポーティなクルマ」を各セグメントに投入

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
Photo by Unsplash/Anatol Rurac

今回の戦略でポルシェが掲げているのは、各セグメントにおいて「最もスポーティなモデル」を提供することです。

これまでポルシェといえば911を中心としたスポーツカーのイメージが強い一方、現在では718、カイエン、マカン、パナメーラ、タイカンなど、かなり幅広いモデルを展開しています。

今後はこうしたラインアップを整理しながら、すべてのモデルにポルシェらしいスポーツカーのDNAをより強く取り入れていく方針です。

特に高収益が期待できるDセグメント、Eセグメントへの展開を強化する計画で、2030年までには毎年少なくとも1台、ブランドを象徴する新型車を投入することも目標としています。

単純に車種を増やすというより、「ポルシェだから選びたくなるモデル」を各カテゴリーに用意していくイメージに近そうです。

718 Boxsterと718 Caymanは2028年に電動化

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
718ボクスターとケイマンはEVモデルになる予定。Photo by Unsplash/Rico Reynaldi

今後のポルシェを考えるうえで、まず大きな変化となるのが718です。

次世代の「718 Boxster」と「718 Cayman」はフル電動モデルとなり、2028年に最初の通年生産を迎える予定です。つまり、これまでミッドシップのガソリンスポーツカーとして展開されてきた718は、次世代モデルでEVへと完全に移行することになりそうです。

718といえば、軽量なボディとミッドシップレイアウトによる軽快なハンドリングが魅力のモデルです。そのため、電動化によってどのような走りに仕上げられるのかは、今回の戦略発表の中でもかなり気になるところでしょう。

本当にEVだけになるのか?については疑問もあったのですが、「製品供給の制限により、売上減少が見込まれる」ことをアナウンスするプレスリリースの中で、その主な原因として「内燃機関搭載の718モデルの生産終了」という言葉があることから、完全にEV化されてしまう可能性が高いのではないかと思われます。

2028年には新型SUVも登場

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
カイエンより上のSUVも検討されている。写真はカイエン ターボGT。Photo byUnsplash/Klaus Birner

スポーツカーだけでなく、SUVについても新しい動きがあります。

2028年にはBセグメントに位置する新型SUVを投入する予定で、現在の電動マカンと並行して販売されます。

この新型SUVには内燃エンジンとプラグインハイブリッドが設定される予定で、2029年には販売台数や収益面で大きな貢献が期待されています。

さらにポルシェは、カイエンより上に位置するDセグメントSUVについても可能性を検討しています。

こうして見ると、SUVを含めてかなり幅広いカテゴリーへ展開しているように見えますが、ポルシェが目指しているのは単なるラインアップ拡大ではありません。

むしろ各モデルをより高付加価値な商品として仕上げ、ブランド全体の魅力を高めていくことが今回の戦略のポイントになっています。

そして「911の上」に新たなスーパースポーツカー

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
10月15日に発表される予定のミッドシップスーパースポーツのプレビュー。

今回の発表で最も注目したいのがここです。

ポルシェは将来的なミッドシップ・スーパースポーツカー用プラットフォームを開発すると発表しました。

しかも、このプラットフォームによって誕生するモデルラインは、ポルシェの象徴である911より上に位置するものとされています。

現時点では車名やスペック、発売時期などは明らかにされていません。

ただし、ポルシェは2026年10月15日に、この将来的なミッドシップ・スーパースポーツカー用プラットフォームについてプレビューを行う予定です。すでに公式SNSでは、その姿を予告する映像も公開されています。

つまり、まだ「新型スーパーカーが発売されます」と発表された段階ではないものの、そのための基盤をポルシェ自身が正式に認めたことになります。

これはなかなか大きなニュースです。

911より上に何が登場するのか?

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
これまでは「918スパイダー」のようなスペシャルモデルのみが存在していた911より上の領域。
Photo by Unsplash/Klaus Birner

ポルシェには、これまでも911より上の領域を狙ったモデルが存在しました。

カレラGTや918スパイダーなどは、通常の911とはまったく異なる立ち位置のスペシャルモデルとして登場しています。

今回の発表が興味深いのは、それとは少し違う可能性があることです。

ポルシェは「ミッドシップ・スーパースポーツカー用プラットフォーム」を開発し、それによって「911より上に位置するモデルライン」を展開すると説明しています。

つまり、これまでのカレラGTや918スパイダーなどのハイパーカーのような一度だけ登場する限定的なスペシャルモデルではなく、複数のモデルへ展開できる新しい車種群になる可能性があります。

もちろん、現時点では具体的なモデル構成までは分かりません。

それでも911をブランドの中心に置きながら、そのさらに上にミッドシップのスーパースポーツカーを配置するという構想は、ポルシェのラインアップを大きく変える可能性があります。

911もさらに進化する

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
911もさらなる派生モデルによるバリエーションの強化を計画。Photo by Unsplash/Jack White

面白いのは、新しいスーパースポーツカーが登場するからといって911の存在感が薄くなるわけではないことです。

ポルシェは今回の戦略の中で、Dセグメントに位置する911についても、より感情に訴える派生モデルを強化するとしています。

つまり、911は911から派生したモデルが展開され、その上には、まったく別のミッドシップ・スーパースポーツカーを用意するという、そんな二段構えのスポーツカー戦略が見えてきます。

911には長い歴史と独特のリアエンジンレイアウトがあります。一方、新しいスーパースポーツカーはミッドシップを採用することで、911とは異なるキャラクターを持たせることができます。

やはりポルシェにはエンジンが求められている?

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!
エンジン、EV?顧客はポルシェに何を求める?Photo by Unsplash/Rico Reynaldi

今回の戦略を見ていると、ポルシェの電動化に対する姿勢にも変化が感じられます。

これまでポルシェはタイカンや電動マカンを投入し、718 Boxsterと718 Caymanも2028年にフルEVへ移行する予定です。

一方で今回の発表では、内燃エンジンとPHEVへの投資を改めて強調。2028年に登場する新型SUVにも、内燃エンジンとPHEVを設定するとしています。EVをやめるわけではありませんが、すべてを電動化するのではなく、顧客の需要に合わせてパワートレインを使い分ける方向へ進んでいるようです。

ポルシェの場合、単純な移動手段としてではなく、エンジン音やアクセルレスポンス、クルマを操る感覚そのものを楽しみたいユーザーも多いはずです。

今回、ブランドを象徴する内燃エンジンやPHEVへの投資を続けると明言したことを考えると、「スポーツカーにはやっぱりエンジンを求めたい」という顧客の存在も無視できないのでしょう。

2035年のポルシェはもっと「スポーツカー」になる?

ポルシェが911の上に新たなミッドシップスーパースポーツカーを計画?2035年に向けた新戦略を発表!

今回の「Sportwagenschmiede '35」は、ポルシェが2035年に向けてスポーツカーブランドとしての個性をさらに強めていく戦略です。

718は電動化され、新型SUVも登場する一方で、911にはさらに魅力的な派生モデルが追加され、その上には新たなミッドシップ・スーパースポーツカーが計画されています。

SUVやEVを増やしているのに、会社として掲げている方向はむしろ「もっとスポーツカーらしく」というのもなかなか面白い方向で、他のメーカーがスポーツカー専門から新たにSUVなどにバリエーションを広げていっている中、いち早くスポーツカーとSUVの融合を実現したポルシェが、今度はさらにスポーツカーブランドとしての印象を強めていく戦略なのは興味深いですね。

2026年10月15日に予定されているプレビューで、911の上に置かれる新しいスーパースポーツカーについての情報がどの程度明かされるのかにも注目です。

911より速いだけではなく、911とはまったく違うポルシェが登場することになれば、2035年に向けた今回の戦略を象徴する存在になりそうです。

参考資料

Porsche Newsroom「New sports cars, greater exclusivity, stronger profitability: Porsche presents new strategy through to 2035」
https://newsroom.porsche.com/en/2026/company/porsche-capital-markets-day-strategy-sportwagenschmiede-35-43419.html