初代ランボルギーニ・ガヤルドが現代に転生!ジウジアーロが再設計した「HOMMAGE 26」はV10+6速MTを搭載
イタリアのデザイン会社GFG Styleと、新たな自動車ブランド「CAVËN Atelier」が、かなり興味深いスーパーカーを発表しました。
それが、ファブリツィオ・ジウジアーロ氏が手掛けた「HOMMAGE 26(オマージュ26)」です。
今回のモデルは、約30年前にジウジアーロ氏自身がデザインしたスポーツカーを、本人が現代の技術で再解釈した特別なプロジェクト。カーボンファイバー製の新しいボディや最新の空力技術を採用しながら、自然吸気5.0リッターV10エンジンと6速MTという、現在では貴重になりつつある組み合わせを残しています。
ベースとなるのは初代「ランボルギーニ・ガヤルド」。生産台数は世界25台限定で、CAVËN Atelierが展開する新しい「Designer Series」の第1弾となります。
自分がデザインしたクルマを約30年後に再設計
今回のHOMMAGE 26で最も面白いのは、デザインを担当したのが、オリジナルのクルマを手掛けた本人だということです。
ファブリツィオ・ジウジアーロ氏は、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏の息子であり、自身も自動車デザイナーとして数多くのプロジェクトに携わってきました。
その中で、ランボルギーニ・ガヤルドの原型となるデザインを手掛けており、今回のHOMMAGE 26は、当時手掛けた自身の代表的なデザインを、約30年の時間を経て改めて見直したものです。
当時は技術的な制約や量産上の事情によって実現できなかったアイデアも、現代の素材や製造技術を使えば形にできるかもしれない。そんな発想から生まれています。
CAVËN Atelierが掲げるコンセプトは「Remove the compromise. Enhance the character.(妥協を取り除き、個性をさらに引き立てる)」。
単に古いクルマを新しく見せるためのレストアや、最新のパーツを取り付けるチューニングとは異なり、オリジナルのデザインを生み出した本人が、当時の制約を取り払ってもう一度作品を完成させるという考え方です。
ベースは初代ランボルギーニ・ガヤルド
今回のHOMMAGE 26のベースとなっているのは、初代ランボルギーニ・ガヤルドです。
1990年代後半にデザインされたオリジナルのプロポーションを受け継ぎながら、ボディ表面や各部の造形を現代的に作り直しています。
特に大きく変更されているのが、ボディパネルです。
外装の大部分を新設計のカーボンファイバー製とすることで、オリジナルのシルエットを残しながら、よりシャープで引き締まったスタイルを実現。フロントからリアまで、各部の面構成やラインが改めてデザインされています。
フロントには、オリジナルのガヤルドを思わせるデザインを残しながら、格納式のヘッドライトを採用。さらに、当時は実現が難しかったヘッドライトとエアインテークをつなげるような照明表現も取り入れています。
リアはさらに大胆に変更されており、新しいテールランプやディフューザー、エンジンカバーなどを組み合わせています。
カーボンボディにアクティブエアロを採用
HOMMAGE 26は、外観を現代的に作り直すだけでなく、空力性能にも手が加えられています。
リアにはアクティブ式のエアロフラップを採用。走行状況に応じて作動する仕組みで、空力性能の向上を目指しています。
さらに、エンジンカバーの下には開閉式のリアウインドウを設置。
これがなかなか面白い仕掛けで、キャビンとエンジンルームの間にあるウインドウを開くことで、V10エンジンのサウンドをより直接的に室内へ届けられるようになっています。
近年の高性能車では、頭のすぐ後ろにエンジンが搭載されていても違和感がないレベルに遮音性を高めて静かな室内を実現するモデルも目立ちますが、HOMMAGE 26は逆に、エンジンの音を積極的に楽しめるようにしているのが特徴です。
自然吸気5.0L V10エンジンは最大560馬力
HOMMAGE 26のパワートレインは、自然吸気5.0リッターV型10気筒エンジンです。
エンジンの開発を担当するのは、イタリアのエンジニアリング会社Italtecnica。最高回転数は8,500rpmに設定され、GT仕様では540PS、Performance仕様では560PSを発生します。
しかも、このモデルではトランスミッションは6速MTが採用されています。
現在の高性能スーパーカーでは、デュアルクラッチ式のトランスミッションやハイブリッドシステムを採用するモデルが増えていますが、HOMMAGE 26は自然吸気V10とマニュアルトランスミッションという、かなりアナログな構成を維持しています。
エンジンの回転数を自分で管理し、クラッチを操作してギアを選ぶという、こうした本来の運転そのものを楽しめる仕様になっているのが、このモデルの大きな魅力です。
また、サスペンションはComfortとSportの2つのモードに調整可能な新しいシステムを採用。ブレーキも強化され、専用デザインの20インチホイールが組み合わされています。
昔のガヤルドに新しいボディを載せただけではなく、走行性能や乗り味まで含めて外も中も現代的に仕上げられているようです。
世界25台限定の「Designer Series」第1弾
HOMMAGE 26は、CAVËN Atelierが展開する「Designer Series」の第1弾として登場しました。
このシリーズでは、過去に重要な自動車をデザインした本人が、年月を経て自分の作品を再解釈し、現代の技術や製造方法を使って新たなモデルを生み出していくことを目指しています。
生産台数は世界25台限定。各車両はベースとなる車両を用意し、それをもとに専用のボディやメカニズムを組み込んで製作されます。
価格については、CAVËN Atelierの公式サイトでは公表されていません。海外メディアでは90万ユーロという価格が報じられていますが、ベース車両となるガヤルドの費用は別とされています。
また、今回の発表では、今後のDesigner Seriesについても予告されており、HOMMAGE 26は単発の特別モデルではなく、今後の展開につながる最初の一台という位置付けです。
懐かしさだけでは終わらないレストモッド
今回のHOMMAGE 26は、初代ガヤルドのデザインを現代に蘇らせた特別なレストモッドです。
ただし、単純に昔のクルマをきれいに修復したり、最新のエアロパーツを追加したりするタイプとは少し違い、オリジナルをデザインした本人が、約30年後の視点から自分の作品を見直し、当時は実現できなかったアイデアを現代の技術で形にしていることが最大の特徴です。
ちなみに、先日ご紹介したワンオフ・スーパーカー「Peralta D」もファブリツィオ・ジウジアーロ氏によるものでしたが、「Peralta D」がマセラティ・グラントゥーリズモをベースとしつつも、ベース車両とは全く異なるデザインに仕上げられていたのに対して、今回のHOMMAGE 26では、あえて過去のモデルを再設計するという方向性になっているのも面白いですね。
「当時の自分がやりたかったけど技術的な制約などで出来なかったことを、今の技術で実現する」と考えると、HOMMAGE 26は単なるレストモッドというより、デザイナーによる30年越しの再挑戦に近いのかもしれません。
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参考資料
CAVËN Atelier「HOMMAGE 26」
https://cavenatelier.com/
GFG Style「Hommage 26」
https://www.gfgstyle.it/projects/hommage-26
GFG Style「Fabrizio Giugiaro and CAVËN Atelier Unveil Hommage 26 in Las Vegas」
https://www.gfgstyle.it/news/fabrizio-giugiaro-and-caven-atelier-unveil-hommage-26-in-las-vegas













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