「ランボルギーニ・レヴエルトSV」が登場!
ランボルギーニは、フラッグシップモデル「レヴエルト」の高性能モデルとなる「Revuelto SV(レヴエルトSV)」を発表しました。
「SV」はイタリア語の「Super Veloce(スーパー・ヴェローチェ)」の略で、「超高速」や「超越した速さ」を表し、これまでも「ミウラSV」や「アヴェンタドールSV」など、標準モデルよりもパフォーマンスを高めたモデルに使われてきた名前で、今回の「レヴエルトSV」もその流れを受け継ぎ、6.5L自然吸気V12と3基の電気モーターによるハイブリッドシステムをさらに進化させています。
最高出力は1065馬力、0-100km/h加速はわずか2.4秒。さらに空力性能やブレーキ、サスペンション、ドライビングモードなどにも大幅な改良が加えられました。
レヴエルトと「SV」は何が違う?
米国で開催された自動車イベント「モントレー・カー・ウィーク」にて発表された「レヴエルトSV」は、通常のレヴエルトをベースにしながら、サーキットでの走行性能をさらに高めた高性能モデルです。
最高出力は1065馬力まで引き上げられ、空力性能やブレーキ、トランスミッション、シャシーなどにも専用の改良が施されているのが主な特徴となっています。
ベースモデルとの特に大きな違いは空力性能で、SVでは標準のレヴエルトと比べて最大ダウンフォースが80%増加し、フロントのダウンフォースは100%増加しています。最高速度を伸ばすというより、コーナーでの安定性やサーキットでの速さを重視した仕上がりです。
また、SVには新しい「Pilota」モードが設定され、ドライバーがより積極的にクルマを操れるようになっています。通常のレヴエルトがV12ハイブリッドの圧倒的な性能を公道でも楽しめるモデルなのに対し、レヴエルトSVはその性能をサーキットでより引き出すことを意識したモデルと考えると違いが分かりやすいのではないでしょうか?
スペック的な数字だけを追いかけるのではなく、ドライバーがクルマをどれだけ思い通りに動かせるかという部分に重点を置いたモデルです。
最高出力1,065馬力のV12ハイブリッド
レヴエルトSVのパワートレインは、通常のレヴエルトと同じく6.5L自然吸気V12エンジンを中心に、3基の電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムです。
最高出力は1065馬力まで引き上げられ、標準のレヴエルトからさらにパワーアップしています。
一方で、今回のSVで興味深いのは、出力アップだけを目的にしていないことです。
搭載されるバッテリーも7.3kWhへと改良され、高負荷走行時でも電気モーターの性能をより安定して引き出せるようになっています。
レヴエルトはもともと、V12エンジンの迫力と電動化による瞬発力を組み合わせたモデルですが、SVではそのハイブリッドシステムをよりスポーツ走行に向いた方向へ進化させるという方向性のモデルに仕上げられているようです。
0-100km/hは2.4秒、最高速度は345km/h超
レヴエルトSVの最高出力は1,065馬力、システムトルクは1,425Nmに達し、0-100km/h加速は2.4秒、0-200km/h加速は6.7秒。最高速度も345km/hを超えるなど、数字だけを見てもレヴエルトから一段上の性能を持っていることが分かります。
ただ、SVの面白さは最高出力の数字だけではありません。ランボルギーニは、サーキットでのコーナリングやブレーキングまで含めてクルマ全体を見直しており、アクセルを踏んだときだけでなく、曲がる、止まるという部分にも大きく手を入れています。
ランボルギーニが「The Quantum of Driving(ドライビングの量子)」という言葉を使うのも、この部分のことを指していると思われ、単純に「何馬力アップした」という話ではなく、それぞれの性能を高いレベルで組み合わせることで、レヴエルトとは違う走りの感覚を生み出すことを狙ったモデルです。
ランボルギーニは、レヴエルトSVの国際的に認められた、確固たる性能ベンチマークを提供するため、公式ラップタイムを計測する舞台としてホッケンハイムリンク サーキットを選び、ファクトリードライバー、マルコ・マペッリがラップタイム1:41.6を記録したため、レヴエルトSVはドイツの同サーキット記録史上、最速の量産車となりました。
結果としてレヴエルトSVは、サンタアガタ・ボロネーゼで生産されるランボルギーニの量産車として、史上最もパワフルで最速のモデルとなったとアナウンスされており、V12を残しながら、ハイブリッドシステムを性能向上に積極的に利用しているところも、このクルマの大きな特徴です。
ダウンフォースは標準レヴエルトから80%増加
レヴエルトSVでは、サーキットでより速く走るために空力性能も大きく見直されており、単純に大型のウイングを追加するのではなく、フロントスプリッターやアンダーボディ、バンパー周辺まで細かく手を入れ、クルマ全体で空気の流れをコントロールする設計となっています。
フロントバンパーには角度の付いたフィンを設け、ホイール周辺の空気を整理しながらサイドクーラーへ効率よく導くことで、冷却性能も高めているほか、空力バランスを前方へ移すことで、コーナー進入時のフロントの安定感を高め、サーキットでのハンドリングにもつなげています。また、ブレーキの冷却性能も12%向上しているとのことです。
リアにはモータースポーツを思わせるダブルウイングタイプの大型リアウイングを採用し、さらにガーニーフラップや専用の冷却チャンネルを組み合わせることで、ダウンフォースを確保しながらラジエーターやリアブレーキの冷却効率も高めています。
こうした改良によって、レヴエルトSVの総ダウンフォースは通常のレヴエルトと比べて80%増加。さらに、ダウンフォースと空気抵抗のバランスを示す空力効率も60%向上しているとのこと。
最高出力を引き上げるだけではなく、これだけ空力性能を作り込んでいるところを見ると、レヴエルトSVが単なる「パワーアップ版」ではないことがよく分かります。直線で速いだけでなく、コーナーでより速く走るためのレヴエルトとして仕上げられているわけです。
シフトスピードは30%向上
レヴエルトSVでは、8速デュアルクラッチトランスミッションにも改良が加えられています。
シフトレスポンスは標準モデルと比較して30%高速化され、アクセル操作に対する反応をより直接的に感じられるようになっています。
さらに、サーキット走行を意識した新しい「Pilota」ドライビングモードも採用されているのも特徴で、その名前からしても分かるように、これはドライバーがより積極的にクルマを操るためのモードで、レヴエルトSVのキャラクターを象徴する装備のひとつです。
ブレーキも「CCM-R Plus」に進化
速く走るためには、加速する性能だけでなく、きちんと止まる性能も重要です。
レヴエルトSVには新しいCCM-R Plusカーボンセラミックブレーキが採用され、サーキットでの高負荷走行に対応する制動性能と耐久性を高めています。
空力性能を引き上げ、コーナーへの進入速度を高めるなら、それに見合ったブレーキ性能も必要になります。
SVでは、このあたりまで含めて全体のバランスを見直していることが分かります。
レヴエルトSVには「Pilota」モードを搭載
先ほども少しご紹介しましたが、レヴエルトSVには、新たに「Pilota(ピロタ)」ドライビングモードが設定されました。レヴエルトには「Strada」「Sport」「Corsa」の3つの基本モードが用意されていますが、Pilotaはその先にある、よりサーキット走行を意識したモードです。
Stradaでは穏やかなアクセルレスポンスと安定した制御によって普段使いしやすい特性となり、SportではV12エンジンのレスポンスが高まり、よりダイナミックな走りを楽しめます。さらにCorsaでは電子制御の介入を抑え、サーキットでクルマの性能を積極的に引き出せる設定になります。
Pilotaでは、ステアリングホイールのロータリースイッチから5段階の専用トラクションコントロールを選択できます。このシステムには、ランボルギーニのGT3レーシングカーで培った技術が取り入れられており、路面状況やタイヤの状態に合わせて細かな調整が可能です。
特に縁石を乗り越えるような場面や、限界に近い走りでは、クルマの動きを安定させながらドライバーの操作を邪魔しないことが重要になるため、Pilotaはそうした部分まで考えたモードで、レヴエルトSVの性能をより積極的に引き出すためのドライビング設定ともいえるのではないでしょうか?
V12を残したまま、さらに進化したSV
レヴエルトはランボルギーニ初のHPEV(High Performance Electrified Vehicle)として登場しましたが、SVではその方向性を変えるのではなく、V12と3基のモーターをさらにスポーツ走行向けに磨き上げています。
完全な電気自動車へ移行するのではなく、V12エンジンを残したまま、電動化をむしろ性能向上に利用している部分があり、「V12をどうすれば次の時代でも楽しめるのか」というランボルギーニなりの答えが、レヴエルトSVには見えてきます。
レヴエルトSVの生産台数は?
レヴエルトSVは1,963台限定で生産されることがアナウンスされています。
この数字は、ランボルギーニが創業された1963年に由来するものです。
ちなみにアヴェンタドールSV(クーペ)は600台限定だったので、今回のレヴエルトSVでは、SVという特別なモデルでありながら、極端に少ない台数に絞るのではなく、ブランドの歴史を数字に込めたところもランボルギーニらしい設定です。
レヴエルトSVの価格は?
現時点で、ランボルギーニから日本での正式な販売価格は発表されていません。
標準のレヴエルトを大きく上回る性能と専用装備を備えているため、価格も相応に高額になると予想されますが、正式な価格が発表されるまでは推測の域を出ません。
複数の海外メディアの報道で出ている海外での価格は74万ドル以上とされており、これは日本円にすると1億1700万円以上ですが、日本での正式な価格が未公表なのでなんともいえませんが、近年の価格上昇を考えると1億円オーバーになる可能性は高そうですね。
今後、日本向けに導入が発表された際には、その辺りの詳細もまたご紹介できればと思います!
同クラスの高性能モデルと比較すると?
レヴエルトSVのライバルとして考えられるのが、フェラーリやマクラーレン、アストンマーティンなどが手掛ける高性能スーパーカーです。単純に最高出力だけを比較すると、レヴエルトSVがすべてのモデルを上回るわけではありませんが、V12エンジンと3モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドという独自のパワートレインが大きな特徴です。
例えばフェラーリの「SF90 XX ストラダーレ」は1,030cvを発生し、0-100km/h加速は2.3秒。一方、レヴエルトSVは1,065CV、0-100km/h加速2.4秒を誇ります。
また、マクラーレンの「750S」は4.0L V8ツインターボから750PSを発生し、レヴエルトSVとは最高出力だけでなく、エンジンの構成も大きく異なります。
つまりレヴエルトSVの魅力は、単純な最高出力競争ではなく、6.5L V12自然吸気エンジンのフィーリングに電動モーターを組み合わせ、1,000馬力を超えるパワーと四輪駆動、さらに大幅に強化された空力性能を両立していることにあります。
特にSVは、最高速だけを追求したモデルというより、ホッケンハイムリンクでのラップタイムにも象徴されるように、コーナリング性能やサーキットでの速さを重視した「走るためのレヴエルト」と考えると、その立ち位置が分かりやすいでしょう。
「最速」だけではない、レヴエルトSVの狙い
レヴエルトSVは、1,065馬力という数字だけを見ると、単純に「ノーマルよりパワフルなレヴエルト」に見えるかもしれませんが、実際には、ダウンフォースを80%増加させ、フロントでは100%増加させた空力、30%高速化されたシフト、強化されたブレーキ、新しいPilotaモードなど、クルマを走らせるための部分にかなり手が入っているのが特徴のモデルです。
そもそも、ベースとなっている「レヴエルト」そのものがすでに1,000馬力を超えるモンスターマシンなので、単純なパワー競争だけでは「SV」であることの存在意義を作りにくい部分があったと思われ、だからこそランボルギーニは、「もっと速いレヴエルト」ではなく、「もっと走らせて楽しいレヴエルト」を目指したのだと想像できます。
今回の「レヴエルトSV」は、ランボルギーニがこれまで「Super Veloce」の名前に込めてきた考え方を、「電動化されたV12の時代」に持ち込んだ1台と言えそうで、V12を中心に据えながら電気モーターを積極的に性能へ利用するこのクルマを見ると、ランボルギーニにとってハイブリッド化はV12を終わらせるためのものではなく、V12をもう少し先まで走らせるための技術なのかもしれませんね。
※出力の「CV」は、ヨーロッパなどで使用されるメートル法の馬力単位「PS」とほぼ同じ意味です。本記事ではランボルギーニの公式発表に合わせて「CV」で表記し、必要に応じて日本で一般的な「馬力」に換算しています。なお、1CVは約0.986hp(機械馬力)に相当します。
※本記事はランボルギーニが公開した「Revuelto SV – The Quantum of Driving」の公式発表内容をもとに構成しています。標準モデルのスペックについてはランボルギーニ公式モデルページも参照しています。
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