なぜスーパーカーはニュルブルクリンクのタイムを競うのか?「最速」が重要な理由

ニュルブルクリンクのタイムを競う理由
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自動車メーカーがニュルブルクリンク最速を目指すのはなぜ?

スーパーカーや高性能スポーツカーのニュースを見ていると、「ニュルブルクリンク北コースで○分○秒を記録」という話題をよく目にします。

では、なぜ自動車メーカーはニュルブルクリンクのラップタイムをこれほど重要視するのでしょうか?

単純に「速い車であることを証明するため」というだけではありません。ニュルブルクリンクのタイムには、エンジンパワーだけでは測れない、車の総合的な走行性能が表れるという大きな意味があります。

ニュルブルクリンクとは?

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ドイツ西部のアイフェル地方に位置するニュルブルクリンクは、モータースポーツの世界で非常に有名なサーキットです。

なかでも「北コース」を意味するノルドシュライフェは、全長20.832kmという非常に長いコース。長いストレートだけでなく、高速コーナーや低速コーナー、急激な高低差などが組み合わされています。

ニュルブルクリンク自身も、北コースを自動車メーカーにとって長年にわたる性能評価の基準として位置付けています。公式サイトでは、約20kmに及ぶノルドシュライフェが自動車メーカーにとって「進歩と性能の基準」となってきたと説明されています。

そのためニュルブルクリンクは、単にレースをする場所というだけではなく、新型車の開発や性能評価を行う場所としても重要な存在なのです。

なぜラップタイムが重要なのか?

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ニュルブルクリンクを速く走るためには、エンジンの最高出力だけを高めればいいわけではありません。

長い直線ではエンジンやモーターのパワーが重要になりますが、コーナーではタイヤのグリップやサスペンション、ブレーキ、空力性能などが問われます。

さらに、20kmを超える長いコースを走り切るには、これらの性能を高いレベルでバランスさせる必要があります。

つまりラップタイムには、

エンジン性能
+ タイヤ
+ ブレーキ
+ サスペンション
+ 空力
+ 車体剛性
+ 電子制御

といった、車そのものの総合力が反映されます。

これが、ニュルブルクリンクのタイムが単なる「最高速度」よりも興味深い理由です。

「ニュルで何秒」という数字が分かりやすい

ニュルブルクリンクのタイムを競う理由
ポルシェ911ターボSは先代モデルよりもニュルブルクリンク北コースで14秒上回るタイムを記録したと新型発表の際に発表しています。(画像:プレスイメージより)

自動車メーカーにとって、ラップタイムは技術力を数字で示せるというメリットもあります。

例えば「先代モデルより10秒速くなった」と聞けば、車に詳しくない人でも性能が大きく向上したことをイメージできます。

実際、ポルシェは2025年に発表した新型「911 Turbo S」について、ニュルブルクリンク北コースで7分03秒92を記録したと発表しています。これは先代モデルを約14秒上回るタイムで、911 Turbo Sの大幅な性能向上を示す数字となっています。

このように、ラップタイムはメーカーにとって技術の進化を分かりやすく伝えるための強力な数字でもあります。

ニュルブルクリンクは「ごまかしが効きにくい」?

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ニュルブルクリンクが特別なのは、コースが非常に長く、さまざまな種類の走行状況が1周の中に含まれていることです。

短いサーキットであれば、特定のコーナーや直線に合わせて車をセッティングすることもできます。しかし20kmを超えるノルドシュライフェでは、高速区間、低速区間、ブレーキング、高低差などが次々と現れます。

そのため、単純に一つの性能だけを突出させるのではなく、車全体を高いレベルで仕上げることが求められます。

もちろん、天候や路面温度、タイヤ、ドライバー、車両の仕様などによってタイムは変わるため、「ニュルのタイムだけですべてが決まる」というわけではありません。

「ニュル最速=世界で一番優れた車」ではない

ここはニュルブルクリンクのタイムを見るうえで注意したいところです。

「ニュル最速」という言葉だけを見ると、すべての車を同じ条件で比較しているように感じますが、実際にはそうではありません。

ニュルブルクリンクの公式記録は車両カテゴリーごとに分類されています。公式の記録走行では、20.832kmの北コースをフライングスタートで1周し、校正された計測機器を使ってタイムを計測。さらに公証人が立ち会い、車両の状態なども確認されます。

また、量産車とレーシングカー、プロトタイプなどでは当然ながら条件が異なります。

そのため「何分何秒だったか」だけではなく、

どのカテゴリーなのか?
どの仕様の車なのか?
どんなタイヤを装着していたのか?

まで確認することが大切です。

なぜメーカーはニュルのタイムを競い続けるのか?

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それでもメーカーがニュルブルクリンクのタイムを追い続けるのは、それだけラップタイムが車の性能を象徴する数字になっているからです。

特にフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニ、メルセデスAMG、BMW Mなど、高性能モデルを開発するメーカーにとって、ライバルより速いタイムを記録することは技術力を示す大きなアピールになります。

さらに、ニュルブルクリンクでの開発によって得られたデータは、単なるタイムアタックのためだけではありません。

高速走行時の安定性、ブレーキング性能、タイヤやサスペンションの性能など、実際の車両開発にもつながります。

つまりニュルブルクリンクは、「記録を競う場所」であると同時に、「車を鍛える場所」でもあるのです。

ニュルブルクリンクのタイムを見るとスーパーカーがもっと面白くなる

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ニュルブルクリンクのラップタイムが重要なのは、単に「世界最速」という称号を得られるからではありません。

20kmを超える長大なコースを速く走るためには、パワーだけでなく、ブレーキ、タイヤ、サスペンション、空力、車体、電子制御など、あらゆる要素を高いレベルで仕上げる必要があります。

だからこそ「ニュルブルクリンクで○分○秒」という数字には、そのメーカーが作った車の総合的な技術力が凝縮されているのです。

ちなみに、現在の市販車でのニュルブルクリンク北コース(20.832km)最速記録は、メルセデスAMGのハイパーカー「メルセデスAMG ONE」が2024年に記録した6分29秒090なのだそうです。

次にスーパーカーのニュースで「ニュルブルクリンク最速」という言葉を見かけたときは、単なる数字として見るのではなく、その数秒を縮めるためにメーカーがどんな技術を投入したのかに注目してみると、さらに面白くなります。

参考資料

・Nürburgring「Record Drives」
ニュルブルクリンク公式・記録走行

・Porsche Newsroom「The superior all-rounder among sports cars: the Porsche 911 Turbo S」
ポルシェ公式・911 Turbo S

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