ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

上質なレザーじゃない?ベントレーが内装に「メリノウールのファブリック」などを採用へ。

「高級車の内装」と聞くと、上質なレザーや美しい木目のウッドパネルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

ところがベントレーが、これからの高級車に向けて用意したのは、ちょっと意外な素材でした。

なんと100%メリノウールのファブリックです。

しかも、木材の端材と再生紙を最大1,000層も重ねて作った新しいウッド素材まで登場。いったいなぜ、ベントレーはここまで手の込んだ素材を新型車に使うのでしょうか。

今回発表されたのは、ベントレー初の完全電気自動車となる新型SUV「トルカル(Torcal)」のインテリアに採用される新素材と仕上げです。

ベントレーなのに「革」ではなくメリノウール

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

ベントレーといえば、上質なレザーを使った豪華なインテリアが大きな魅力のひとつです。

そんなベントレーがトルカルで新たに採用したのが、100%メリノウールの自動車用ファブリック

メリノウールといえば、高級な衣類やインテリアなどで使われる柔らかなウール素材です。

ただし、自動車の内装となると話は別。

クルマのシートや内装材には、長期間の使用に耐えられる耐久性や、日光、摩擦、清掃などに対する強さが求められます。そのため、これまでウールをそのまま自動車用ファブリックとして使うのは簡単ではありませんでした。

そこでベントレーは、18世紀からウール生地を作り続けてきた英国の老舗メーカー、フォックス・ブラザーズと共同開発。

その結果、ラグジュアリーカーに求められる基準をクリアした、100%メリノウールの自動車用ファブリックを完成させました。ベントレーによれば、自動車用として世界初となる素材です。

ウールならではの柔らかな手触りや自然な通気性も特徴で、レザーとはまた違った「温かみのある高級感」を狙っています。

なぜベントレーは「ウール」を選んだのか?

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

ベントレーは、これまでの高級車らしい素材を守りながら、これからの時代に合った素材の選択肢を増やそうとしているようです。

レザーと木材だけで「高級感」を表現するのではなく、ウールの柔らかさや温かみ、素材そのものの質感をインテリアデザインに取り込む。しかも、その素材を英国の伝統的な生地メーカーと共同開発するあたりが、いかにもベントレーらしいところです。

新しい素材を使いながらも、最終的には職人の手仕事によって仕上げる。ここはベントレーがこれまで大切にしてきたクラフツマンシップから大きく離れているわけではありません。

木材を「1,000層」重ねたオンブレ・ヴェニア

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

そして、もうひとつ驚かされるのが「オンブレ・ヴェニア」です。

こちらは簡単に言えば、木材を何層にも重ねて作った新しいウッドパネル

使用されるのは、持続可能な方法で調達されたウォールナットの端材と再生紙です。

これらをなんと最大1,000層も重ねて圧着。

その後、完成した素材を1mmにも満たない薄さにスライスすることで、独特の模様を持つウッドパネルに仕上げています。

「1,000層」と聞くとかなり大げさに感じますが、実際にやっていることは、木材と紙を何層にも積み重ねてひとつの素材にし、それを薄く切るというもの。

これによって、表面にはブラックからダークスモーク、ライトスモーク、ナチュラルウォールナットへと色が変化していく、グラデーションのような木目が現れます。

普通の木目パネルとはかなり雰囲気が違いますね。

「端材」が高級車のインテリアになる

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

このオンブレ・ヴェニアで面白いのは、木材の端材を素材として利用していることです。

高級車の内装というと、一本の木から美しい部分だけを切り出して使うようなイメージがあります。

ところが今回は、これまでなら捨てられていた可能性のある木材の端材と再生紙を組み合わせ、それ自体を新しいデザイン素材にしています。

もちろん、単に「エコだから使った」というわけではありません。

1,000層にもなる素材を作り、さらにそれを薄くスライスして独特の模様を生み出すことで、環境への配慮とデザイン性を両立させているわけです。

「サステナブル素材だから我慢して使う」のではなく、「せっかくなら格好よく見せる」という発想ですね。

昔のベントレーを思わせる「サンバースト・アルミニウム」

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さらにトルカルには、「サンバースト・アルミニウム」という新しいアルミニウム仕上げも採用されます。

これは単なる金属パネルではありません。

かつてのベントレーに採用されていた、細かな加工を施したアルミニウム製ダッシュボードを現代的にアレンジしたものです。

アルミニウムの表面には3方向のブラッシュ加工が施され、見る角度によって独特の表情が生まれます。

昔のベントレーが持っていた素材表現を、そのまま復刻するのではなく、現代的なデザインとして作り直しているわけです。

6種類のインテリアカラーも用意

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

メリノウールを採用することで、インテリアカラーにも新しい組み合わせが生まれます。

トルカルでは、新しいウール素材を引き立てるために6種類のカラーウェイを用意。

ブルーグリーン系、レッド系、ブラウン系、アイボリー系など、それぞれ同系色の色を組み合わせることで、派手すぎないグラデーションのような雰囲気を作り出しています。

ベントレーらしい「豪華さ」は残しながら、従来のレザー中心のインテリアとは少し違う、柔らかい雰囲気になりそうです。

新型「トルカル」はベントレー初のEV

今回発表された素材は、すべて新型「トルカル」のために用意されたものです。

トルカルは、ベントレーにとって初めての完全電気自動車となるアーバンラグジュアリーSUV。

まだパワートレインの詳細や航続距離、価格などは正式発表されていませんが、これまでのベントレーとは少し違う方向性のモデルになることが明らかになっています。

そして、その違いは電動化だけではありません。

今回の素材を見ると、ベントレーはトルカルを単なる「電気で走るベントレー」にするのではなく、素材やインテリアの考え方そのものを次の時代へ変えていこうとしていることが分かります。

「高級車=レザーと木」の時代から次のステージへ

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

高級車の世界では、これまで「本革」「天然木」「金属」といった素材が、分かりやすい高級感の象徴でした。

もちろんベントレーも、その伝統を捨てるわけではありません。

それでも今回のトルカルでは、メリノウールや再生紙、木材の端材などを組み合わせ、これまでとは違う方法で「高級」を表現しようとしています。

個人的に面白いと思うのは、サステナブル素材だから採用した、という単純な話ではないところです。

1,000層の素材を作って薄くスライスしたり、自動車では難しかった100%メリノウールを実用化したりと、むしろ普通の素材より手間がかかっています。

そこまでして「新しい素材」を作るところに、ベントレーがトルカルで目指しているものが見えてきます。

伝統的な高級車の価値をそのまま電動化するのではなく、これからの時代のラグジュアリーとは何なのかを、素材から考え直す。

ベントレーが内装に「メリノウール」や木材の端材と再生紙なども採用!?「高級車=レザーと天然木」の時代は変わる?

ベントレー初のEV「トルカル」は、走りだけでなく、こうしたインテリアの部分でも新しい方向性を見せてくれそうです。

そして、その全貌は2026年9月23日に明らかになります。

参考資料:Bentley Motors「Modern materials for a modern Bentley」

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