フェラーリの限定車に付く「アペルタ」とは?意味や代表モデルを解説

フェラーリの限定車に付く「アペルタ」とは?意味や代表モデルを解説

フェラーリの限定車の名前に「アペルタ」と付くのはなぜ?

フェラーリの特別なモデルを調べていると、「アペルタ(Aperta)」や、ただ単に「A」という言葉が名前に付いている車を目にすることがあります。

「599 SA アペルタ」や「458 スペチアーレ A」、そして「ラフェラーリ・アペルタ」などが代表的ですが、そもそも「アペルタ」とは何を意味しているのでしょうか。

フェラーリの車名に使われる言葉には、それぞれモデルの特徴や立ち位置を示す意味があります。

今回は、フェラーリの「アペルタ」とは何なのか、なぜ特別なモデルに使われるのか、代表的なアペルタモデルとともに分かりやすく紹介します。

フェラーリの「アペルタ」とは?

フェラーリの限定車に付く「アペルタ」とは?意味や代表モデルを解説

フェラーリの車名に使われる「Aperta(アペルタ)」は、イタリア語で「開いた」「オープンの」といった意味を持つ言葉です。

つまり、フェラーリのモデル名に「Aperta」と付いている場合、基本的にはルーフを開放できるオープンエア仕様であることを示しています。

これはフェラーリ独自のグレード名というよりも、車両のボディ形状やコンセプトを表す名称と考えると分かりやすいでしょう。

例えば「ラフェラーリ アペルタ」は、名前の通り「ラフェラーリ」のオープン版として登場したモデルです。

フェラーリ自身もラフェラーリ アペルタを「The Open Version of LaFerrari」と表現しており、ラフェラーリから派生したオープントップモデルとして位置づけています。

なぜ「アペルタ」は特別なフェラーリに使われる?

なぜ「アペルタ」は特別なフェラーリに使われる?

フェラーリでは、単純に通常モデルのルーフを取り外しただけでは終わりません。

高性能なクーペをオープン化する場合、ルーフによって確保されていたボディ剛性を維持しながら、車両重量や空力性能、ハンドリング性能などを成立させる必要があります。

特にLaFerrariのようなハイパーカーでは、オープン化による剛性への影響を抑えながら、クーペと同等レベルのパフォーマンスを実現することが大きな課題でした。

フェラーリによると、ラフェラーリ・アペルタではルーフがなくなることで変化するボディの荷重経路を下部構造で補い、ねじり剛性や曲げ剛性を維持。結果として重量増加も最小限に抑えられています。

つまり「アペルタ」は、単なるオープンカーというより、フェラーリが特別なモデルに与えるオープン仕様の名称として使われてきたのです。

代表的なフェラーリの「Aperta」モデル

フェラーリには、これまでいくつかの「アペルタ」を名乗る特別なモデルが登場しています。

599 SA アペルタ

599 SA アペルタ
599 SA Aperta」は2010年に登場した特別なV12モデルです。

「599 GTB Fiorano」をベースにしたオープンモデルで、フェラーリの公式資料では「SA APERTA」がSpecial Seriesとして分類されています。

車名の「SA」は、フェラーリのデザインを手掛けてきたセルジオ・ピニンファリーナとアンドレア・ピニンファリーナへのオマージュとされています。

そして「Aperta」が示す通り、599 GTB Fioranoとは異なるオープンエアのスタイルを採用。

V12エンジンを搭載する高性能モデルでありながら、屋根を開けてフェラーリの12気筒サウンドを楽しめる、非常に特別なモデルでした。

フェラーリの公式ヒストリーにも2010年のモデルとして「599 GTO」とともに「SA APERTA」が掲載されています。

458 スペチアーレ A

458 スペチアーレ A

「458 スペチアーレ A」は、「458 スペチアーレ」のオープンモデルです。

ここで面白いのが、車名に「Aperta」ではなく「A」が使われていることです。

この「A」は「Aperta」の頭文字。

つまり「458 スペチアーレ A」は、名前そのものに「オープン仕様」という意味が込められています。

フェラーリの公式ヒストリーによると、458 スペチアーレ Aは2014年のモデルとして記録され、4.5リッターV8エンジンから605hpを発生。最高速度は320km/hとされています。

また、フェラーリの公式資料では「458 スペチアーレ A」も「Special Series」の一つとして分類されています。

そのため、458 Speciale Aは、

458 Specialeの高性能+Aperta(オープン)

という組み合わせと考えると非常に分かりやすいでしょう。


ラフェラーリ・アペルタ

ラフェラーリ・アペルタ

そして「Aperta」の名前を持つフェラーリの中でも、特に有名なのが「ラフェラーリ アペルタ」です。

2016年に発表されたラフェラーリのオープン版で、フェラーリ創立70周年を記念するモデルとして登場しました。

フェラーリによれば、ラフェラーリ アペルタはラフェラーリから派生したオープンモデルで、クーペと同等のパフォーマンスを維持することを目標として開発されています。

最高出力800hpのV12エンジンに120kWの電気モーターを組み合わせ、システム総出力は963hp。

0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は350km/h以上とされています。

しかも単純に「ラフェラーリの屋根をなくした」というモデルではありません。

オープン化によって変化する空力やボディ剛性などを徹底的に見直し、ラフェラーリらしいパフォーマンスを維持することが求められました。

まさに「アペルタ」という名前にふさわしい、フェラーリの技術力を凝縮したモデルです。

「Aperta」と「Spider」は何が違う?

「Aperta」と「Spider」は何が違う?
458イタリアのオープンバージョンはスパイダーですが、458スペチアーレは「A」がつきます。

ここで気になるのが、「アペルタ」と「スパイダー」の違いです。

フェラーリには「458 Spider」「488 Spider」「F8 Spider」など、「Spider」と呼ばれるオープンモデルも数多く存在します。

では、なぜ一部のモデルだけ「アペルタ」と呼ばれるのでしょうか。

基本的には、どちらもオープンエアのボディを意味するものですが、車名としての使われ方が異なります。

「Spider」はフェラーリの通常モデルにも使われるオープンボディの名称です。

一方、「Aperta」は、599 SA アペルタやラフェラーリ アペルタ、458 スペチアーレ Aのように、特別なモデルや限定モデルのオープン仕様を象徴する名称として使われてきました。

実際、フェラーリの公式モデル資料では「488 スパイダー」などの通常モデルと、「458 スペチアーレ A」「SA アペルタ」などのSpecial Seriesが区別されています。

そのため、

Spider(スパイダー)=フェラーリのオープンモデルに広く使われる名称

Aperta(アペルタ)=特別なモデルのオープン仕様で使われることが多い名称

と考えると理解しやすいでしょう。

ただし、「アペルタ」という名称自体が必ず限定車だけを意味する、という厳密なルールがあるわけではありません。

「A」と付いていたらApertaなの?

「A」と付いていたらApertaなの?

フェラーリには「458 スペチアーレ A」のように、最後に「A」が付くモデルがあります。

この場合の「A」は、基本的にApertaの頭文字です。

つまり、

458 スペチアーレ → 458 スペチアーレ A

となったことで、クーペからオープン仕様へ変化したことを車名から読み取れます。

フェラーリの歴史上でも、458 スペチアーレと458 スペチアーレ Aはそれぞれ別モデルとして記録されています。

そのため、フェラーリのモデル名を見るときに「最後のAは何だろう?」と思ったら、「ApertaのAかもしれない」と考えると面白いでしょう。

「Aperta」ならすべて限定車なの?

「Aperta」ならすべて限定車なの?
ここは少し注意が必要です。

フェラーリの「Aperta」という名称はオープン仕様を示すものですが、Apertaという言葉だけで車のカテゴリーを決めることはできません。

例えば「SA APERTA」はフェラーリの公式資料でSpecial Seriesに分類されています。

一方、「ラフェラーリ・アペルタ」はフェラーリのSupercarsのカテゴリーに含まれています。

フェラーリはラフェラーリ・アペルタを、GTO、F40、F50、エンツォ、ラフェラーリなどと同じ「limited edition Supercars」の系譜に位置づけています。

つまり、

Aperta=限定車

という意味ではなく、

Aperta=オープン仕様を示す名称

であり、その車がSpecial Seriesなのか、Supercarなのか、あるいは別のカテゴリーなのかはモデルごとに判断する必要があります。

「スペチアーレ」と「アペルタ」は別の意味

「スペチアーレ」と「アペルタ」は別の意味

前回の記事で紹介した「スペチアーレ」と「アペルタ」も混同しやすい言葉です。

スペチアーレ(Speciale)」は、フェラーリが通常モデルをベースに大幅な性能向上を行った「Special Series」の考え方と結びついています。

一方の「アペルタ」は、オープン仕様であることを示す言葉です。

そのため「458 スペチアーレ A」を例にすると、

Speciale=高性能な特別シリーズ

A=Aperta、つまりオープン仕様

という2つの要素が組み合わさっているわけです。

この関係を知っておくと、フェラーリの車名がかなり読み解きやすくなります。

フェラーリ「16M」はアペルタとは違う?

フェラーリ「16M」はアペルタとは違う?

フェラーリのオープンモデルを調べていると、「Scuderia Spider 16M(スクーデリア・スパイダー16M)」もアペルタの一種なのではないかと思うかもしれません。

しかし、16Mと「Aperta(アペルタ)」は、厳密には同じものではありません。

16Mは、2008年に登場した「F430 Scuderia」をベースとする限定オープンモデルです。フェラーリが2008年のF1コンストラクターズ選手権で16回目のタイトルを獲得したことを記念して開発され、「16M」という名前が付けられました。フェラーリの公式ヒストリーでも、2008年の16回目のコンストラクターズタイトルとともに「Scuderia Spider 16M」が紹介されています。

生産台数は499台に限定され、F430 Scuderiaの高性能なメカニズムを受け継ぎながら、オープンエアでのドライビングを楽しめるモデルに仕上げられました。

一方、「Aperta」はイタリア語で「開かれた」という意味を持ち、フェラーリではオープンモデルを表す名称として使われています。

代表的なのが「458 Speciale A」です。車名の「A」は「Aperta」を意味しており、「458 Speciale」の高性能をそのままに、ルーフを開けて楽しめるモデルとして設定されました。フェラーリ公式でも458 Speciale Aとして記録されています。

つまり、

Scuderia Spider 16M=F430 Scuderiaをベースにした限定オープンモデル

Aperta=フェラーリがオープンモデルを表す際に使用する名称

という違いがあります。

興味深いのは、16Mと458 Speciale Aがどちらも499台限定だったことです。

そのため、16Mを「アペルタ」と呼ぶよりも、F430 Scuderiaをベースとした特別な限定スパイダーと説明するほうが正確です。


296 スペチアーレ Aにも受け継がれる「Aperta」の系譜

296 スペチアーレ Aにも受け継がれる「Aperta」の系譜

フェラーリの「アペルタ」という考え方は現在にも受け継がれています。

2025年に発表された「296 スペチアーレ A」は、296 スペチアーレのオープンモデルです。

フェラーリは296 スペチアーレ Aについて、Scuderia 16M、458 Speciale A、488 Pista Spiderへと続いてきたオープンモデルの系譜を受け継ぐ存在と説明しています。

ここで注目したいのは、現在のフェラーリでは必ずしも車名に「アペルタ」という単語をそのまま使わず、「A」を付けることでオープン仕様を表している点です。

296 スペチアーレ Aもその一例です。

つまり「アペルタ」という考え方は、単なる一時的なネーミングではなく、フェラーリの高性能オープンモデルに受け継がれてきた伝統の一つと言えます。

フェラーリの「Aperta」は特別なオープンモデルの証

フェラーリの「Aperta」は特別なオープンモデルの証

フェラーリの車名に付く「アペルタ」は、イタリア語で「開いた」「オープンの」といった意味を持ち、基本的にはオープンエアで走ることを前提としたモデルであることを示す名称です。

「599 SA アペルタ」や「ラフェラーリ・アペルタ」のように車名にそのまま「アペルタ」と入るモデルがある一方、「458 スペチアーレ A」のように「A」の頭文字だけを使うケースもあります。

そして面白いのは、同じ「アペルタ」の名前を持っていても、車のカテゴリーは必ずしも同じではないことです。

「SA アペルタ」はSpecial Seriesに分類される一方、「ラフェラーリ・アペルタ」は限定版Supercarとして扱われています。

そのため、フェラーリの「アペルタ」は、

「限定車」という意味ではなく、「特別なフェラーリに設定されたオープン仕様」を示す言葉

と考えるのが最も分かりやすいでしょう。

フェラーリの車名は、一見すると数字やアルファベットの組み合わせに見えますが、その一文字一文字を紐解いていくと、モデルの成り立ちやキャラクターが見えてきます。

「アペルタ」のAを見つけたら、そのフェラーリがどのようなオープンモデルなのかに注目してみるのも面白いですね。

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フェラーリには、16MやApertaのようなオープンモデル以外にも、さまざまな特別仕様・特別モデルが存在します。

参考資料

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