「フェラーリ Sketch Body」登場!デザインスケッチをボンネットに描いた新たなコレクターズアイテムに。
フェラーリが、少し変わったコレクターズアイテムを発表しました。
今回登場した「Sketch Body(スケッチ・ボディ)」は、ミニカーやエンジン部品のような一般的な自動車関連グッズとは異なり、フェラーリのデザインを生み出したデザイナーのスケッチそのものを、実際のボディパネルに描き出すというユニークなプロジェクトです。
しかも、スケッチが描かれるのは平面のキャンバスではありません。
フェラーリのボンネットやリアデッキを立体的なキャンバスとして利用し、クルマのデザインが生まれたときの最初の線を、完成したボディの曲面上にもう一度蘇らせるという発想になっています。フェラーリはSketch Bodyを「Collectibles」プロジェクトの新たな章と位置付けています。
「フェラーリ Sketch Body」とは?
Sketch Bodyは、フェラーリのデザインにおける「直感」と「実行」という2つの段階を、一つの作品として表現するプロジェクトです。
クルマのデザインは、まずデザイナーが紙の上に線を描くところから始まりますが、その段階ではまだ素材の制約もなく、完成したクルマの形も決まっていません。そこからエンジニアリングや製造技術、職人の技術が加わり、最終的に一台のフェラーリへと姿を変えていきます。
Sketch Bodyでは、その最初に描かれたデザインスケッチを、完成したボディの表面に戻します。つまり、クルマが完成する前のアイデアと、完成したフェラーリの形を一つの作品の中でつなげるというのが、このプロジェクトの大きな特徴です。
フェラーリの公式説明では、スケッチを生み出す最初の直感と、それを現実のものにするエンジニアリングや製造技術を対比させているとのことで、単なる装飾ではなく、デザインが紙から立体へと変わっていくプロセスそのものを見せるコレクティブルというわけです。
フェラーリのボンネットが「3次元のキャンバス」に
Sketch Bodyでユニークなのが、ボディパネルそのものを作品のキャンバスとして利用している点です。
フェラーリによれば、このプロジェクトは「Ferrari 812 Competizione Tailor Made」に着想を得たもので、ボンネットやリアデッキを本来の機能から切り離し、デザインスケッチが再び息づく3次元のキャンバスへと変えています。
紙の上では一本の線だったデザインが、今度は立体的なボンネットの曲面に沿って広がっていくため、見る角度によってもその表情が変わります。
フェラーリのロゴやグラフィックを単純にプリントした商品とは異なり、ボディの造形そのものとデザインスケッチを一体化させているところに、Sketch Bodyならではの面白さがあります。
「812 Competizione Tailor Made」がきっかけに
Sketch Bodyの発想を理解するうえで重要なのが、「Ferrari 812 Competizione Tailor Made」の存在です。
フェラーリ812 Competizioneのボディにデザインスケッチのような線画が描かれた個性的なモデルで、フェラーリはこのモデルをきっかけとして、ボディに施されるデザインそのものを一つの作品として見せる方向へと発想を広げ、今回のSketch Bodyではさらに踏み込んで、ボンネットやリアデッキそのものを独立した作品として扱っています。
通常、デザイナーが描いたスケッチはクルマが完成するまでの過程にある資料ですが、完成車が発表された後は、一般の人が目にする機会はそれほど多くありません。Sketch Bodyでは、その最初のデザインラインを完成したボディの上に重ねることで、「このクルマはどこから始まったのか」まで含めて見せることができます。
完成したフェラーリだけを見るのではなく、その形が生まれる前のアイデアまで一緒に楽しめるところが、このプロジェクトの特徴といえるでしょう。
フラビオ・マンゾーニのスケッチを立体化
Sketch Bodyで中心的な役割を担っているのが、フェラーリのチーフ・デザイン・オフィサーを務めるフラビオ・マンゾーニです。今回のプロジェクトでは、マンゾーニが描く特徴的なデザインラインが、立体的なボディ表面へと展開されています。
マンゾーニはSketch Bodyについて、ボディの表面が「物語を紡ぐ空間」になるという趣旨の説明をしており、スケッチの線がボディの曲面に沿いながら、立体のボリュームや光、素材と関係していく点を特徴として挙げています。紙の上では自由に動いていた線が、今度は実際の立体物の形に合わせて展開されることで、同じスケッチでも別の表情を見せるわけです。
そのためSketch Bodyは、単に「フェラーリのボディに絵を描いた作品」というよりも、デザイナーの線と自動車の立体造形を組み合わせたデザイン作品として見るほうが近いのかもしれません。
「クルマの部品」から「デザイン作品」へ
自動車メーカーがボディパーツや車両の一部をコレクターズアイテムとして扱うこと自体は、それほど珍しいことではありません。しかしSketch Bodyの場合は、単純にフェラーリのボンネットを飾ることが目的ではなく、その部品がどのようなアイデアから生まれたのかまで含めて見せようとしているところに特徴があります。
通常なら、ボディパネルはあくまでクルマを構成する一つの部品です。それがSketch Bodyでは、本来の機能から切り離されることで、デザインスケッチと完成した造形の関係を伝えるための作品へと役割を変えています。フェラーリ自身も、Sketch Bodyを単なる部品の保存ではなく、デザインの考え方を表現するものとして位置付けています。
このあたりは、フェラーリが「Collectibles」という名前で展開しているプロジェクトらしい部分でしょう。クルマそのものだけではなく、そこに込められたデザインや製造技術、ブランドの歴史まで含めてコレクションの対象にしているわけです。
Ferrari Collectiblesの新たな展開
Sketch Bodyは、Ferrari Collectiblesにとって新しい方向性を示すプロジェクトでもあります。これまでのCollectiblesでは、「Components」「Red Pieces」「Drivers' Pieces」など、フェラーリのレーシングや自動車文化と結びついたコレクションが展開されてきましたが、Sketch Bodyではそこから少し離れて、自動車デザインそのものに焦点を当てています。
フェラーリといえば、V12エンジンや高性能なシャシー、F1をはじめとするモータースポーツの歴史が注目されることが多いブランドです。一方で、そのすべての出発点には「どんなクルマを作るのか」というデザインがあります。Sketch Bodyは、これまで完成車の陰に隠れていたその部分を、コレクターズアイテムとして表に出したものともいえます。
なぜフェラーリは「スケッチ」をコレクションにするのか?
フェラーリのようなブランドになると、コレクターが興味を持つものも実車やミニカーだけではありません。レーシングカーの部品や歴史的な資料、デザインに関するアイテムなど、フェラーリというブランドを形作るさまざまなものがコレクションの対象になってきます。
Sketch Bodyが興味深いのは、フェラーリというクルマそのものではなく、「フェラーリがクルマを生み出す瞬間」をコレクションとして見せようとしていることです。完成したボディだけを眺めるのではなく、その形が生まれる前にデザイナーが描いた線まで同時に見ることで、一台のフェラーリが完成するまでの過程をより具体的に感じられます。
もちろん、ボンネットにスケッチが描かれているからといってクルマが速くなるわけではありません。しかし、フェラーリの場合は「速さ」だけでなく、デザインやクラフトマンシップそのものがブランド価値の一部になっています。そう考えると、完成車ではなく、そのデザインが生まれる過程をコレクションにするという発想も、それほど突飛なものではないのかもしれません。
価格や販売台数は?
現時点でフェラーリが公開しているSketch Bodyの発表では、価格や具体的な販売台数などの詳細は明らかにされていません。 そのため、現段階で「世界○台限定」などと断定することはできません。
今回の公式発表では、Sketch Bodyのコンセプトやデザインについては詳しく説明されていますが、個々の作品の価格や販売条件などについては具体的な情報が掲載されていません。今後、販売地域や価格、作品ごとの仕様などが発表されれば、フェラーリのコレクターにとってもかなり気になる存在になりそうです。
ちなみに、フェラーリは以前より本物のF1マシンのパーツだったり、クラシックカーのパーツのレプリカをインテリアアイテムとして販売しており、これらは数十万円から100万円以上となっているため、実車同様のボンネットごとのパーツで、さらにそこにデザインが加わるとなると、かなりのプライスになる可能性は高いように思えますね。
フェラーリが「デザインそのもの」をコレクションに
Sketch Bodyを見ていると、フェラーリがクルマそのものだけでなく、そこに至るまでのデザインやものづくりのプロセスまでブランドの価値として見せようとしていることが分かります。
一本の線を出発点としてデザインが発展し、エンジニアリングや製造技術、職人の仕事を経て、最終的に一台のフェラーリが完成します。
Sketch Bodyは、その最初のアイデアと完成した造形を一つの作品の中に残そうというプロジェクトのようで、個人オーナーレベルでモックアップを壁や天井に飾ったりする例は時々ニュースになりますが、オフィシャルなコレクターズアイテム的にもあまりなかった企画なのではないでしょうか?
「フェラーリを所有する」のではなく、「フェラーリが生まれる瞬間を所有する」。
そう言うと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、Sketch Bodyがやろうとしていることを考えると、そんな表現も実際それほど的外れではないのかもしれません。
スーパーカーそのものではなく、そのデザインが生まれる過程に価値を見出すという意味で、これまでのフェラーリのコレクターズアイテムとは少し違った存在になりそうです。
そもそもですが、購入して搬入して普通に飾れるスペースが用意できる人の需要が一定数見込めるからこそのアイテムでリリースされる時点で、フェラーリのブランド力の強さを感じられますね。
参考資料
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