「レンジローバー エレクトリック」登場!オフロード性能も備えた初のフル電動SUVに。

「RANGE ROVER ELECTRIC(レンジローバー エレクトリック)」

ブランド初のフル電動SUV「レンジローバー エレクトリック」が新登場!

「レンジローバー」といえば、大きなボディと圧倒的な存在感、そして高級SUVでありながら本格的な悪路走破性を備えていることが魅力です。

そんなレンジローバーが、ついに本格的な電動化へ踏み出しました。

2026年9月2日、レンジローバーはブランド初となるフル電動モデル「RANGE ROVER ELECTRIC(レンジローバー エレクトリック)」を発表しました。

最高出力550PS、最大トルク850Nmという強力な電動パワートレインを搭載し、最大航続距離はWLTPで372マイル(約599km)。さらに、350kWの急速充電器を使用すれば、10~80%までわずか22分で充電できます。

とはいえ、このクルマのポイントは単純に「レンジローバーがEVになった」ということではありません。

むしろ注目したいのは、EVになっても「レンジローバーらしさ」を最優先したことです。

レンジローバー初のフル電動モデル

レンジローバー エレクトリック

今回発表された「レンジローバー エレクトリック」は、その名の通りレンジローバーブランド初の完全な電気自動車です。

2026年9月2日に英国・ゲイドンで正式発表され、1970年以来レンジローバーの生産拠点となっているソリハル工場で製造される予定とのこと。

ジャガー・ランドローバー(JLR)は今回のモデルについて、「EVであることより、RANGE ROVERであることが第一」という考え方を掲げています。

つまり、エンジンをモーターに置き換えただけの電動SUVではなく、これまでのレンジローバーが持っていたデザイン、快適性、静粛性、そして悪路走破性を維持しながら、電気自動車ならではの性能を加えたモデルというわけです。

550PS・850Nmの電動パワートレイン

レンジローバー エレクトリックのモーター

レンジローバー エレクトリックに搭載されるのは、システム全体で最高出力550PS、最大トルク850Nmを発生する前後に配置された2基の260kW永久磁石式モーターとのことで、大型のラグジュアリーSUVとしては、かなり強力なスペックです。

しかもEVらしく、最大トルクを低回転から発生できるため、アクセルを踏み込んだ瞬間から力強く加速できます。

0-60mph加速は4.3秒、0-100km/h加速では4.45秒と発表されており、大柄なボディから想像するよりもかなり速いクルマです。

ここまで速いと、「ラグジュアリーSUVだから動力性能はほどほどでいい」という考え方ではありません。

レンジローバーの最上級SUVらしく、静かで快適なだけでなく、必要なときには一気に加速できる余裕も持たせています。

最大航続距離は約599km

レンジローバー エレクトリック 最大航続距離は約599km

バッテリー容量は118.5kWhで、344個のプリズムセルを使用したリチウムイオン・ダブルスタック・バッテリーを搭載しています。

WLTPモードでの最大航続距離は372マイル、約599kmで、さらに、実走行での最大航続距離は333マイル(約535km)とされています。

大型のSUVということを考えれば、レンジローバー エレクトリックでは日常的な移動だけでなく長距離ドライブでも使いやすい航続距離を狙ったことが分かります。

10~80%の急速充電は22分

レンジローバー エレクトリックの10~80%の急速充電は22分

EVで気になるのが充電時間ですが、レンジローバー エレクトリックには800Vアーキテクチャが採用されています。

350kWの急速充電器を使用した場合、バッテリー残量10%から80%まで約22分で充電可能で、さらに、わずか10分の充電で最大220km分の航続距離を追加できるとされています。

これは長距離移動の途中で充電する場合でも、食事や休憩をしている間にかなりの距離を回復できる計算です。

「大型SUVだから充電も時間がかかる」というイメージを、できるだけ払拭しようとしているのでしょう。

EVになっても悪路走破性は妥協しない

レンジローバー エレクトリックの悪路走破性

今回の「レンジローバー エレクトリック」で個人的に気になるのが、ここです!

普通の高級EVのSUVなら、静粛性や加速性能、航続距離などが大きなアピールポイントになりますが、レンジローバーは、それだけでは済みません。

これまで続くブランドのアイデンティティとして、本格的なオフロード性能も求められるからです。

そこで「レンジローバー エレクトリック」には、新しいトラクション・マネージメントシステムが採用されています。

路面状況に応じた制御を最短50ミリ秒で行い、内燃機関搭載車と比較して最大100倍高速にスリップを管理するとしています。

さらに最大900mmの渡河性能も確保されています。

このスペックを見ると、中身がEVになったからといって、綺麗な舗装路専用のラグジュアリーSUVにせず、あくまでもレンジローバーとして求められる本質を妥協せずに仕上げたように感じられます。

最大45度の急勾配にも対応

最大45度の急勾配にも対応

また、電気モーターならではの細かなトルク制御も、悪路走破性に生かされています。

「レンジローバー エレクトリック」は、シングルペダルモードと新しいトラクション制御を組み合わせることで、最大33度の急勾配でもスムーズに発進でき、最大45度の勾配を走行できるとされています。

こうした性能を見ると、このクルマが単に「街中を静かに走る高級EV」ではないことが分かります。

むしろ電動化によって、これまで以上に細かな駆動力制御を可能にし、レンジローバー本来の走破性をさらに進化させようとしているように見えます。

デザインは「いかにもEV」にしない

レンジローバー エレクトリックのデザイン

エクステリアも興味深いところです。

完全なEVのモデルというと、通常のラインアップから離れた未来的なデザインだったり、EVだということがはっきりわかるようなスタイルに仕上げるメーカーも多いですが、「レンジローバー エレクトリック」は、EV専用車だからといって従来のレンジローバーとは大きく異なるデザインにはしていません。

レンジローバー エレクトリックのエクステリア
多分、普通の人はぱっと見でEV版のレンジローバーだとは気がつかないんじゃないでしょうか?

基本的なデザインDNAを継承しながら、空気抵抗を低減するための専用グリルやホイール、アンダーボディを採用しています。

これは航続距離を伸ばすための重要なポイントです。

レンジローバー エレクトリックのフロントデザイン

EVでは空気抵抗が航続距離に大きく影響するため、大型SUVでありながら高速道路での効率を高める必要があります。

それでも、見た瞬間に「これはレンジローバーだ」と分かるデザインを残しているのも魅力の一つだと思います。

インテリアは「走るラウンジ」のような静かな空間に

レンジローバー エレクトリックのインテリア内装

「レンジローバー エレクトリック」のインテリアで大きなポイントとなるのが、EVならではの静粛性を生かしたラグジュアリーな室内空間です。

JLRはこのモデルをRANGE ROVER史上もっとも静粛性の高いモデルと位置付けており、電気モーターによる静かな走行と相まって、乗員が落ち着いて過ごせる空間を追求しています。

RANGE ROVERがもともと持っていた「移動するラグジュアリーラウンジ」というキャラクターを、電動化によってさらに強めたような仕上がりです。

デザインについても、無駄をそぎ落とした「リダクティブデザイン」を採用。

レンジローバー エレクトリックの内装デザイン

エディターズノートでも、RANGE ROVERのインテリアは「モダニストデザイン」と「穏やかでコネクテッドなインテリア」を特徴として挙げています。単に高級素材を並べるのではなく、視覚的にも落ち着いた空間を作ることが、この世代のRANGE ROVERでは重要なテーマになっています。

さらにEVならではの機能として、車両から離れた場所からでも「RANGE ROVER APP」を使って、車内の空気清浄機能やステアリングホイール・ヒーターを起動できます。

レンジローバーアプリ

バッテリー残量や予測航続距離、充電状況、車両の施錠状態などもアプリから確認可能。充電する時間帯をあらかじめ予約する機能も備えています。

そして、このクルマのインテリアを語るうえで外せないのが「静かさ」です。

エンジン音がほとんどないEVでは、これまで気にならなかったロードノイズや振動が逆に目立つことがあります。「レンジローバー エレクトリック」は、そうしたEV特有の課題も含めて室内の静粛性を追求しているのが特徴です。

速く走るためのEVというより、静かに、快適に、長時間移動するためのEV

そう考えると、「レンジローバー エレクトリック」が目指している方向性はかなり分かりやすいのではないでしょうか。

150万km以上の走行テストを実施

レンジローバー エレクトリックは新しいEVだけに、開発段階ではかなり厳しいテストも行われています。

ジャガー・ランドローバーによると、開発中には150万kmを超える走行テストを実施。

スウェーデンの極寒環境やドバイの砂漠など、さまざまな環境で検証を行っているほか、さらに25万時間以上のバーチャルテストも実施されています。

レンジローバーの場合、その特性上、普通の乗用EVよりも試験する条件がどうしても多くなります。

一般的な舗装路だけではなく、雪、砂、泥、水、急勾配など、実際に荒れたオフロードで使われることまで考えなければならないからです。

300件を超える特許も

レンジローバー エレクトリック

「レンジローバー エレクトリック」には、電動パワートレインだけでなく、さまざまな新技術が投入されています。

JLRによると、このモデルに関連して300件を超える特許を出願されており、特にバッテリーやモーター、熱管理などの電動化技術が重要な部分となっています。

バッテリーは-40℃から+90℃という厳しい環境を想定した試験も行われているなど、高級SUVだからこそ、単純に大容量バッテリーを積むだけではなく、過酷な環境でも安定して使えることが求められています。

「レンジローバーらしさ」はEVでも変わらない

「レンジローバーらしさ」はEVでも変わらない

今回の「レンジローバー エレクトリック」を見ていると、JLRが電動化に対してどのような考え方を持っているのかが分かります。

それは、「EVだから別のクルマを作る」のではなく、レンジローバーそのものを電動化するという考え方です。

550PS・850Nmというパワー、約599kmの航続距離、22分の急速充電。

もちろんこれらも重要ですが、個人的には最大900mmの渡河性能や45度の登坂性能まで残しているところのほうがレンジローバーらしいと思います。

正直、ここまで本格的な悪路性能が必要なのかと思ってしまいますが、そこを削ってしまったら「レンジローバーのEV」ではなく、単なる高級EV SUVになってしまいます。

だからこそ、このモデルでは「EVになったこと」よりも、「EVになってもレンジローバーであること」のほうが重要なのでしょう。


「レンジローバー エレクトリック」のスペック表

今回発表された「レンジローバー エレクトリック」のスペックをまとめました。

項目RANGE ROVER ELECTRIC
最高出力550PS
最大トルク850Nm
モーター260kW×2
駆動方式4WD
バッテリー118.5kWh
航続距離最大約599km(WLTP)
急速充電最大350kW
10~80%充電約22分
0-100km/h4.45秒
渡河性能最大900mm
最大登坂角度45度

レンジローバーの次の50年を担うEV

レンジローバー エレクトリックと1970年代のレンジローバーの2台

1970年に誕生したレンジローバーは、半世紀以上にわたって高級SUVというジャンルを切り拓いてきました。

そしてその長きに渡る歴史に初めて本格的なEVが加わることになります。

「レンジローバー エレクトリック」は、従来のレンジローバーが持っていた豪華さや快適性をそのまま電動化するだけでなく、電気モーターの瞬発力や緻密なトルク制御を使って、走破性まで新しい方向へ進化させようとしています。

むしろ今回のモデルを見る限り、JLRが目指しているのはEVになってもレンジローバーはレンジローバー、「EVらしいレンジローバー」ではなく、「レンジローバーらしいEV」なのかもしれません。

「レンジローバー エレクトリック」の日本での発売はいつ?

なお、日本での導入の有無や発売時期、そして価格については現時点で発表されていませんが、すでに日本向けサイトにフル電動モデルとして情報が掲載されているため、今後、日本市場向けの正式な導入スケジュールが発表されるものとみられます。

「レンジローバー エレクトリック」の価格はいくら?

気になる「レンジローバー エレクトリック」の価格ですが、英国ではすでに販売価格が発表されています。

英国での価格は15万4,070ポンド(約3,100万円)から。2026年9月現在、英国ではすでに注文受付が開始されています。

一方、日本での販売価格については、現時点では正式に発表されていません。

「レンジローバー エレクトリック」は、SE、HSE、Autobiographyに加えて、SV、SV Ultra、SV Blackなど複数の仕様が用意されるほか、First Editionも設定されます。そのため、日本に導入される場合も、グレードや装備によって価格は大きく変わる可能性があります。

ちなみに日本で販売されている現行「レンジローバー」は、2026年モデルの価格が1,997万円からとなっており、上級グレードでは3,000万円を超えるモデルも設定されています。

そう考えると、英国での価格が約3,100万円からとなる「レンジローバー エレクトリック」は、少なくとも日本で販売される場合、かなり高価なモデルになることは間違いなさそうです。

※上記でご紹介した内容は海外市場向けの情報となっています。

そのため、日本での正式価格が発表されるまでは、単純にポンドから円へ換算した金額を日本価格と考えることはできません。為替に加えて、日本向けの仕様や税金、装備などによって実際の価格は変わってきます。


参考資料/画像・公式ソース

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