あのブラバスが手がける超高級レジデンス「BRABUS ISLAND Baku」とは?
メルセデス・ベンツをベースにした高性能車や、1,000PSを超えるスーパーカーで知られるドイツのチューニングメーカー、BRABUS(ブラバス)。
そんなブラバスが、近年、自動車とは異なる分野へと進出しています。
そのひとつが、ブランドの世界観を住宅へと広げた「BRABUS ISLAND」です。
2026年5月に発表された「BRABUS ISLAND Baku(ブラバス・アイランド・バクー)」は、アゼルバイジャンの首都バクーに近いカスピ海沿岸を舞台とするラグジュアリー・レジデンス。
ただし、BRABUS ISLANDはBakuだけで始まったプロジェクトではありません。
ブラバスの公式サイトによると、BRABUS ISLANDは同社にとって初めての独自の不動産体験としてスタートしており、その展開のひとつとしてアブダビでもプロジェクトが進められています。
つまり「BRABUS ISLAND Baku」は、ブラバスが突然マンションを作り始めたという話ではなく、自動車で培ってきたブランドの世界観を、建築や暮らしへ広げていくプロジェクトのひとつなのです。
BRABUS ISLANDとは?
| Brabus Island/Brabus公式サイトより |
BRABUS ISLANDをひと言で表現するなら、ブラバスの思想を住宅へ移したラグジュアリー・レジデンスです。
BRABUSは公式サイトで、これまで約50年にわたって追求してきた大胆なデザインやパフォーマンス、ライフスタイルを、今度は「tailor-made architecture(オーダーメイドの建築)」と没入型の住環境へと展開すると説明しています。
ブランドが掲げるのは、「Home of the Wow」。
自動車で「乗った瞬間に驚きを感じる」ような体験を作ってきたBRABUSが、今度は家そのものを特別な体験にしようとしているわけです。
ブラバスはこれを「BRABUSIZED」という言葉で表現しています。
クルマをブラバスらしく仕上げるのと同じように、住宅もオーナーの個性に合わせて仕立てる。これがBRABUS ISLANDの基本的な考え方です。
まずはアブダビから始まったBRABUS ISLAND
BRABUS ISLANDの展開を理解するうえで重要なのが、Abu Dhabi(アブダビ)です。
BRABUS公式サイトでは、アブダビのプロジェクトを「BRABUS ISLAND」の最初の展開として紹介しています。
舞台となるのは、アブダビのAl Seef District、Al Raha Beach。
約10万平方メートルの敷地に、4棟の高層住宅タワーを配置し、そこに合計352戸のラグジュアリーアパートメントを用意しています。さらに、ビーチヴィラ、レイクヴィラ、ツインヴィラ、タウンハウス、ペントハウス、VIPヴィラなどを含む92戸のヴィラも計画されています。
つまりBRABUS ISLANDは、単なる「ブランド名の付いた高級マンション」という規模ではありません。
アパートメントとヴィラ、マリーナやプライベートビーチなどを組み合わせた、ひとつのラグジュアリーな居住エリアとして構想されています。
そしてカスピ海沿岸へ
| BRABUS ISLAND Bakuの完成予想図/Brabus公式サイトより |
そのBRABUS ISLANDの新たな展開として登場したのが、BRABUS ISLAND Bakuです。
2026年5月22日にBRABUSが発表したこのプロジェクトは、ヨーロッパとアジアの間に位置し、急速に発展する地域にあるバクーに建設されるカスピ海沿岸に位置するウォーターフロントのレジデンスです。
| 車ではなく高級レジデンスの模型が飾られた発表会/Brabus公式サイトより |
公式発表では、BRABUS ISLAND Bakuを高級住宅とライフスタイル空間を組み合わせた特別な目的地として紹介。
カスピ海を望むロケーションとブラバスらしいデザインを組み合わせ、新しいタイプのラグジュアリーな暮らしを提案しています。
なぜブラバスが住宅を作るのか?
| エントランスのデザイン予想図/Brabus公式サイトより |
ブラバスはこれまで、メルセデスベンツをはじめとする高級車をベースにした高性能チューニングメーカーとして、自動車を通じて「速さ」「個性」「デザイン」「クラフトマンシップ」を追求してきました。
しかしAbu DhabiのBRABUS ISLANDについて、CEOのコンスタンティン・ブッシュマンは、これまでライフスタイルのためにクルマを作ってきたが、今度は「ライフスタイルそのものをデザインする」という趣旨のコメントをしています。
これはブラバスの事業展開を考えるうえで、かなり象徴的な言葉です。
クルマをブラバス仕様にするだけではなく、住む場所までBRABUSの世界観で統一する。
BRABUS ISLANDは、まさにその考え方を形にしたものと言えそうです。
オーナーごとに異なる「BRABUSIZED」
| インテリアデザインの一例/Brabus公式サイトより |
BRABUS ISLANDの特徴のひとつが、住宅のインテリアにもブラバスらしいパーソナライゼーションを取り入れていることです。
Abu DhabiのBRABUS ISLANDでは、インテリアをモジュール式のデザインとして構成し、「Black & Bold」「White Bliss」「Gray Haven」という3種類のカラーテーマを用意。
そこからオーナーの個性に合わせて住空間を仕上げ、BRABUSの特注スーパーカーと同じように、ひとつひとつの住宅を独自の「BRABUS Masterpiece」にするという考え方です。
住宅そのものを「大量生産された商品」ではなく、オーナーのために仕立てる作品として扱っているところは、確かにBRABUSの自動車事業と共通しています。
プライベートビーチやマリーナも
| BRABUS ISLAND Abu Dhabi/brabus公式サイトより |
BRABUS ISLAND Abu Dhabiでは、住宅以外の設備も充実しています。
住民専用のプライベートマリーナ、プライベートビーチ、プール、ジム、ショッピングなどを備えたパビリオンなどが用意されます。
ここまで来ると、もはや「BRABUSブランドのマンション」という表現だけでは少し物足りません。
住宅を中心に、レジャーやライフスタイルまで含めたブラバスの世界そのものを作ろうとしていることが分かります。
ブラバス仕様と聞くと厳つい車のイメージが強いですが、「ブラバス仕様の家に住んでる」「ブラバス仕様の街に住んでる」と言ったらどんな反応をされるのかも気になりますね。
やはり、ここに住むセレブな方々は全世帯ブラバスの車に乗っているのでしょうか?
「クルマを売る」から「暮らしを作る」へ
| BRABUS ISLAND Bakuの完成予想図/Brabus公式サイトより |
BRABUS ISLAND Bakuを見ていると、ブラバスが単なるチューニングメーカーから、より広いラグジュアリーブランドへ変化しようとしていることが見えてきます。
もちろん、ブラバスの中心にあるのは今でも高性能な自動車です。
しかし、そこから生まれた「個性」「高品質」「大胆なデザイン」「オーダーメイド」という価値観は、クルマだけに限定する必要はありません。
それを住宅にまで広げれば、「ブラバスのクルマに乗る」から「ブラバスの世界で暮らす」へとブランドとの関わり方が変わります。
BakuとAbu Dhabiで展開されるBRABUS ISLANDは、その象徴と言えるでしょう。
BRABUS ISLAND Bakuは「超高級住宅」だけではない
「BRABUS ISLAND Baku」と聞くと、単純に「ブラバスが手掛ける超高級マンション」と考えてしまいそうです。
しかし実際には、それよりも大きな構想があります。
ブラバスが自動車で培ってきたブランド哲学を建築へと移し、住宅、デザイン、レジャー、そしてそこで過ごす時間まで含めてブラバスの世界観を体験させる。
その先にあるのが「BRABUSIZED」という考え方です。
そして、Abu Dhabiで始まったBRABUS ISLANDがBakuへと広がったことで、この取り組みが一時的な異業種参入ではなく、ブラバスの新しいラグジュアリービジネスのひとつとして展開されていることも見えてきます。
1,000PSを超えるスーパーカーを作ってきたブラバスが、今度は「どんな家に住むか」までデザインするという新たな試みが、今後どのように進化していくのかも気になりますね。
BRABUS ISLAND Bakuは、クルマを超えて「ブラバスというブランドそのものを所有する」という、新しいラグジュアリーの形を示すプロジェクトなのかもしれません。
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