マクラーレン「750S」生産終了へ!720Sから続く軽量V8スーパーカーの系譜に節目

マクラーレン「750S」生産終了へ!720Sから続く約10年の歴史に節目。

マクラーレンは2026年10月8日、スーパーカー「750S」の最終受注を開始したと発表しました。

生産は2027年に終了する予定で、2017年に登場した「720S」から続く軽量V8スーパーカーの系譜が、約10年の歴史に節目を迎えます。

その一方で、マクラーレンは新たな方向性を示すコンセプトモデル「McL 6GT」も公開しています。

このモデルが750Sの実質的な後継であるかは現時点では不明で、全く別の新しいスーパーカーが後継になる可能性もありますが、「McL 6GT」は2028年には市販モデルの登場が予定されており、ブランドの次の時代に向けた動きが進んでいます。

720Sから750Sへ、軽量V8スーパーカーの進化

マクラーレン「750S」生産終了へ!720Sから続く軽量V8スーパーカーの系譜に節目

2017年に登場した720Sは、軽量な車体とV8エンジン、先進的な空力設計を組み合わせた新世代のマクラーレン・スーパーカーでした。2023年に登場した後継の750Sでは、構成部品の約30%が新設または変更され、最高出力750PS、乾燥重量1,277kgという性能を実現しています。

750Sの魅力は、出力の向上だけではなく、軽量化や運転環境の改善に加え、マクラーレンの特別部門「MSO」によるパーソナライゼーションにも力が入れられてきました。「750S with 3-7-59 Theme」や「Project Viva by MSO」といった特別な仕様も、その表現の幅を示す例です。

マクラーレン788HS
スーパーカーシリーズの集大成として発表された高性能モデル「788HS」

さらに、このプラットフォームからはサーキット走行を重視した「765LT」や、MSOによる特別なコミッションで200台が制作される集大成のハイパフォーマンスモデル「788HS」も誕生しました。

後継?それとも新たなカテゴリ?2028年市販予定の新型「McL 6GT」

後継?それとも新たなカテゴリ?2028年市販予定の新型「McL 6GT」

750Sの生産終了とともに注目したいのが、2026年のモントレー・カー・ウィークで発表された「McL 6GT」です。

このコンセプトのルーツは、創業者ブルース・マクラーレンが構想したものの、当時は実現しなかったスーパーカー「M6GT」にあります。1960年代のレーシングカーを思わせる低く幅広いスタイルや、ノーズからリアへ流れる一体感のあるボディラインなど、オリジナルの思想を現代の技術で再解釈しています。

後継?それとも新たなカテゴリ?2028年市販予定の新型「McL 6GT」

注目すべきは、パワートレインにも運転する楽しさを重視する姿勢が表れていること。McL 6GTはV8内燃エンジンと後輪駆動を採用し、1992年のマクラーレンF1以来となる本格的なマニュアルトランスミッションを組み合わせています。

「McL 6GT」MT

さらに、カーボンファイバー製モノコックとボディを採用するほか、油圧式ステアリングや機械的な操作感を重視したスイッチ類など、ドライバーとクルマのつながりを大切にした設計が特徴です。

「McL 6GT」の市販モデルは2028年の登場を予定しているとのこと。

「McL 6GT」の市販モデルは2028年の登場を予定

マクラーレンはMcL 6GTを、既存の主力ラインアップとは異なる、より希少性の高いスーパーカーの新たなカテゴリーにつながるモデルとして位置付けているため、新たなカテゴリが誕生してそこにラインアップされる可能性もありますし、750Sを受け継ぐ新型になる可能性もありそうで、750Sの生産終了の翌年に登場予定のこのモデルが、どのような立ち位置のモデルになるのかも気になります。

ロゴもラインアップも刷新、マクラーレンの次の時代

マクラーレン「750S」生産終了へ!720Sから続く軽量V8スーパーカーの系譜に節目 ロゴ

750Sは720Sから続く軽量V8スーパーカーの完成度を高めてきたモデルであり、2027年の生産終了によって一つの時代に区切りをつけます。

一方のその翌年に登場予定のMcL 6GTは、ブルース・マクラーレンが描いたM6GTの夢を受け継ぎながら、現代の技術とアナログな運転感覚を組み合わせた新しい提案です。

両車は単純な新旧の後継関係ではなく、750Sが磨き上げてきた軽量V8スーパーカーの伝統に対し、McL 6GTはマニュアル操作や機械との一体感を前面に押し出し、より個性的なモデルとして新しい領域を切り開こうとしています。

また、マクラーレンは先日、「McLaren」のワードマークロゴを刷新し、ブルース・マクラーレンの両親がニュージーランド・オークランドのレムエラで営んでいたサービスステーション(ガソリンスタンド)「McLaren Service Station」の看板からインスピレーションを得たデザインへと変更することを発表しています。

新しいマクラーレンのロゴ

さらに、ブランド初となる高性能SUVの開発計画なども発表されており、ブランドイメージからラインアップまで、これまでのマクラーレンとは異なる次の時代へ切り替わる転換点であるように感じられます。

マクラーレンはこれまでも「MP4-12C → 650S」のように、基本構造を活用しつつデザインや商品性を大きく刷新したり、「650S → 720S」のように、車体構造やデザインの世代そのものを切り替えたりと、歴代モデルの顔つきを伝統として固定するより、空力性能やパッケージング、車体構造の変化をデザインに反映してきた印象があります。

10年続いた750Sの系譜の終了後、ブランドがどのように変わっていくのか、マクラーレンの次の展開が気になるところです。

参考資料

McLaren Automotive「McLaren 750S signs off a decade of iconic supercars」
https://cars.mclaren.press/releases/1358

McLaren Automotive「McLaren McL 6GT: The new realisation of Bruce McLaren’s supercar dream」
https://cars.mclaren.press/

New McLaren 788HS: The pinnacle of an era-defining series of supercars

https://cars.mclaren.press/releases/1348