McLaren Speedtail(マクラーレン・スピードテール)

マクラーレンの3シーター限定ハイパーカー「スピードテール」

マクラーレンには、サーキットでの速さを追求したスーパーカーだけでなく、圧倒的な速度性能と快適性を両立した「GT」の世界があります。

その頂点に位置するモデルとして登場したのが、「McLaren Speedtail(マクラーレン・スピードテール)」です。

2018年に発表されたスピードテールは、マクラーレン初の「Hyper-GT」として開発されたモデル。最高速度は403km/hに達し、当時のマクラーレン史上最速のロードカーとなりました。

さらに、中央に運転席を配置した3シーターや、サイドミラーの代わりにカメラを採用するなど、一般的なスーパーカーとは大きく異なる特徴も持っています。

この記事では、マクラーレン・スピードテールの性能や価格、生産台数、デザイン、そして「マクラーレンF1」との関係まで詳しく紹介します。

マクラーレン「スピードテール」とは?

マクラーレン「スピードテール」とは?

スピードテールは、マクラーレンの「アルティメット・シリーズ」に属するハイパーGTです。

2018年10月26日に発表され、マクラーレンが掲げた「Track25」ビジネスプランにおける18台の新型車・派生モデルの第1弾として登場しました。

名前の「Speedtail」が示すように、最大の特徴は高速走行を強く意識したロングテールデザイン。

全長約5.2mにも及ぶ流線型のボディは、単に見た目が美しいだけではなく、空気抵抗を抑えるために設計されています。

マクラーレン自身もスピードテールを、「アート、テクノロジー、スピードを融合したモデル」として位置付けています。

最高速度は403km/h!マクラーレン史上最速のロードカー

最高速度は403km/h!マクラーレン史上最速のロードカー

スピードテールを語るうえで外せないのが、その圧倒的な最高速度です。

最高速度は403km/h。

これは1990年代に登場した伝説の「マクラーレンF1」の約391km/hを上回る数字で、発表当時、マクラーレン史上最速のロードカーとなりました。

さらに0-300km/h加速は12.8秒。

最高速だけでなく、300km/hまで一気に加速していく性能もスピードテールの大きな魅力です。

マクラーレン・スピードテールの主要スペック

項目スペック
パワートレイン4.0L V8+電気モーター
最高出力1,050PS
最高速度403km/h
0-300km/h12.8秒
乾燥重量1,430kg
シート3シーター
生産台数106台

※数値は発表時の公表値を基準としています。

なぜスピードテールは403km/hを実現できたのか?

なぜスピードテールは403km/hを実現できたのか?

スピードテールの最高速度を支えているのは、単純なエンジンパワーだけではありません。

最大のポイントが空力性能です。

ボディは5.2mにも及ぶロングボディとなっており、フロントからリアまで流れるような形状に仕上げられています。

さらに、

  • フロントホイール用エアロカバー
  • 格納式デジタルリアビューカメラ
  • アクティブリアエルロン
  • アクティブサスペンション

などを採用。

高速走行時の空気抵抗を抑えるため、ボディそのものを空力デバイスとして機能させています。

特にユニークなのが、通常のヒンジ式とは異なるアクティブリアエルロンです。

カーボンファイバー製ボディの一部を可動させることで、ダウンフォースを調整するという、スピードテールならではの仕組みが採用されています。

「Velocityモード」で最高速度403km/hへ

スピードテールには、高速走行のための「Velocityモード」が用意されています。

このモードではハイブリッドパワートレインや空力システムを最高速走行に適した状態へ変更。

さらに車高を35mm下げることで、空気抵抗をさらに抑えます。

デジタルリアビューカメラも格納され、最高速度を追求するために車両全体が最適化されます。

つまり403km/hという数字は、エンジンのパワーだけで達成したものではなく、車体全体を高速走行に合わせて変化させることで実現した最高速度なのです。

スピードテールはなぜ3シーターなのか?

スピードテールはなぜ3シーターなのか?

スピードテールのもうひとつの大きな特徴が、中央に運転席を配置した3シーターです。

これはマクラーレンの歴史を知るうえでも重要なポイントです。

中央にドライバーを配置し、その左右後方に2つのシートを設置するレイアウトは、あの「マクラーレンF1」と共通しています。

スピードテールはなぜ3シーターなのか?

つまりスピードテールは、単純にF1の後継車として作られたわけではありませんが、マクラーレンF1の象徴的な3シーターという思想を現代に蘇らせたモデルと言えます。

F1が「究極のロードカー」を目指したのに対し、スピードテールはそこにGTとしての快適性や豪華さを加えています。

マクラーレンF1とスピードテールの違い

マクラーレンF1とスピードテールの違い

「403km/h」という最高速度から、スピードテールとF1を比較したくなる人も多いでしょう。

両車には中央ドライビングポジションという共通点がありますが、キャラクターは同じではありません。

マクラーレンF1は軽量な自然吸気V12エンジンを搭載し、ドライバーズカーとしての純粋な走行性能を追求したモデル。

一方のスピードテールは、ハイブリッドパワートレインや高度な空力技術を採用し、圧倒的な速度性能とGTとしての快適性を組み合わせています。

そのため、「F1の後継車」というよりも、F1から受け継いだ思想を現代の技術で別の方向へ進化させたモデルと考えるほうが分かりやすいでしょう。

スピードテールの価格は?

発表時の価格は、175万ポンド+税からとされていました。

2018年当時の日本円では、およそ2億5,000万円前後に相当する価格帯でした。

ただし、スピードテールは単純な量産スーパーカーではありません。

生産台数はわずか106台。

しかも発表時点ですでに全車が予約済みとされていました。

そのため現在では、新車として購入することはできず、中古車市場やオークションなどで流通する個体が中心となります。

なぜ106台しか作られなかった?

マクラーレン「スピードテール」 生産台数

106台という数字にも、マクラーレンF1とのつながりがあります。

スピードテールの生産予定台数は106台。

これはマクラーレンF1のロードカーとしての生産台数と同じです。

単なる限定台数ではなく、マクラーレンの歴史を象徴する数字を採用しているところにも、スピードテールがF1を強く意識したモデルであることが表れています。

スピードテールのデザインは「速さ」を形にしたもの

マクラーレン「スピードテール」デザイン

スピードテールのデザインは、一般的なスーパーカーとはかなり印象が異なります。

フロントからルーフ、そしてリアへと流れるようにつながるロングボディは、まるで車体そのものが風を切り裂くような形状。

マクラーレンは、ティアドロップ型のキャビンと流線型のボディを採用することで、高い空力効率を実現しています。

マクラーレン「スピードテール」デザイン

サイドミラーまでカメラに置き換えたことで、ボディサイドも非常にすっきりしています。

スピードテールという名前の通り、「速い車をデザインした」のではなく、「速さそのものをデザインした」ような存在です。

インテリアはスーパーカーよりもGTらしい

マクラーレン「スピードテール」デザイン インテリア

一方、インテリアは極端なレーシングカーとは異なります。

3人が乗車できるキャビンには、高品質な素材とパーソナライゼーションを組み合わせた仕上げが用意されています。

マクラーレンはスピードテールについて、技術だけでなくクラフトマンシップやビスポークによる個別仕様にも力を入れていました。

そのためスピードテールは、サーキットを最優先したハイパーカーというよりも、長距離を圧倒的な速度で移動するための「Hyper-GT」という独自のポジションにあります。

マクラーレン・スピードテールは「最速」だけでは語れない

マクラーレン・スピードテールは、最高速度403km/hという数字だけを見ると、単純なハイパーカーに思えるかもしれません。

しかし実際には、中央ドライビングポジション、3シーター、5.2mのロングボディ、ハイブリッドパワートレイン、そして高度な空力技術を組み合わせた非常に特殊なモデルです。

106台という希少性も含め、スピードテールは現在のマクラーレンを代表するコレクターズモデルのひとつと言えるでしょう。

そして何より興味深いのは、マクラーレンF1の「中央に座って運転する」という思想を残しながら、403km/hという現代的な性能とGTとしての快適性を融合させたことです。

「最速のマクラーレン」という肩書きだけでは収まらないところに、スピードテールという車の面白さがあります。

マクラーレンの注目モデルをさらに見る

マクラーレンには、最高速を追求したハイパーGTから、伝統を受け継ぐ新型スーパーカー、限定生産のハイパフォーマンスモデルまで、個性的なモデルが存在します。

マクラーレン「McL 6GT」とは?V8・6速MTを搭載する新型スーパーカー

マクラーレン「788HS」とは?最高出力788PSを誇る限定ハイパフォーマンスモデル

参考資料